ひらのかおるタウン通信

ひらのかおるの日々の暮らしや市民活動の中で、みなさんにお伝えしたい情報や雑感などを綴っています。

島本町・高槻市のし尿処理施設見学

2010-06-06 | Weblog
6月2日、島本町と高槻市のし尿処理施設を人びとの新しい歩み(平野・澤島・戸田議員)と日頃交流のある高槻市会議員・府会議員のみなさんと視察見学をしました。

高槻市・島本町広域行政勉強会の検討課題となっているし尿処理について、現状をしっかり把握しておきたいとの共通認識がありました。どちらも担当者の職員のみなさんには時間をとって説明をしていただきありがとうございました。

島本町の衛生化学処理場は高槻市東上牧にあり、45年前、高槻市の都市計画決定を受けて建てられたものです。建設当時は池・沼・田など湿地帯だったそうですが、現在は周辺に住宅が建ち並んでおり、自治会から撤去要望がでています。

施設では1日7kl、バキュームカー4台分が処理されています。し尿・浄化槽汚泥は夾雑物を取り除き、化学処理・活性汚泥法で凝集・脱水・乾燥処理・脱臭・水洗浄と複雑な工程の化学処理の上、排水基準に適合した処理水は淀川に放流しています。

施設内では悪臭が生じないように高濃度、中濃度、低濃度と処理方式で脱臭され周辺環境に影響がないよう、特に配慮されています。
建築面積が小さくて良いように施設をコンパクトにしているためポンプを多用、複雑な設備や部品を更新しながら操業を維持しているようです。老朽化しており、改修費は毎年増え、処理経費は2008年度で約1億1千万円かかっています。

3月に策定の生活排水処理計画によれば、公共下水道での排水処理が普及し、今後の処理見込みはし尿・浄化槽汚泥は5年後1,557kl/ 年、10年後1,148kl/ 年 となります。少しずつ減ってはいますが、処理は必要です。地元自治会からの撤去要望があり、現地での建て替えが困難ということで、町内に中間処理施設(下水道に希釈して放流する方式)を建設することも検討を行うとしています(長期財政収支見通しには5億円計上)。一方、高槻市に広域連携の可能性を探るため、今回、し尿処理の事務委託を依頼したという経過です。

高槻市の唐崎クリーンセンターでは、処理方式を替え、施設を活用して2,004年から下水道に希釈して放流する方式で、*処理能力84kl/日、日量50klだそうです。実際の稼働日は1日バキュームカー20~30台分を処理しているとのことです(島本町のし尿を処理する能力はキャパシティとしてはあるとのこと)。

広い施設内にシンプルな構造です。「大きな水洗便所と思ってください」とフロー図を示して処理工程等を丁寧に説明していただきました。広域化に伴う課題等についても現場担当者として率直にお話していただきました。その課題は高いハードルであり、合併しても簡単に解決できるものではないことが十分理解できました。このような機会を持てたこと、本当に勉強になりました。

*処理量について数字が間違っていましたので訂正しました。


写真:島本町衛生化学処理場