この映画の映像で登場して来る投手をもう少し紹介してみます。この年キャリアハイの19勝8敗、防御率1.90の成績を挙げ、多くの記録で上回る金田正一投手をさしのけ沢村賞に選ばれた左腕、伊藤芳明投手の柔軟性に乏しく硬さの残るフォームも非常に懐かしく感じました。又この年アベボールと呼ばれる落ちる球を武器に、主にリリーフとして活躍し10勝1敗、防御率1.75の素晴らしい成績を残した安部和春投手のかなり高い位置のオーバースローからの投法も、その後私が持ち続けていたイメージと全く違わないものでした。14勝13敗、防御率2.80の成績の高橋明投手の、何か決められたが如くの脚の上げ方や、腕の引き方から投じられる球には結構威力を感じたものでした。しかし何を差し置いても嬉しかったのは田中勉投手の投げているシーンを観れた事です。脚を十分に胸元まで引き上げ、異様な程に右腕を後方下に引き下げる投球フォームと、繰り出される快速球と当時でいうドロップを主体とした投球は憧れを抱く程かっこよく見えたものでした。もう少し続けます。