ベースボールマガジン社発行の、[日本プロ野球偉人伝 vol4]に昭和32年の金田正一投手の投球の連続写真が掲載されています。流石に自他共に認める日本一の大投手、金田正一投手の連続写真は昔の選手も含めた特集や雑誌等で必ずと言っていい程扱われていますが、私の知りうる限りと推測に依ると、少なくともそれらは33年以降の連続写真かと思っています。金田正一投手を初めて見たのは多分昭和33年、それ以降44年の引退まで、彼の投球にはもの凄く興味を持ち出来るだけ多くしっかり見て来たつもりであり、上記の様に連続写真も数多く見て来たのですが、32年の投球フォームは今までに見て来たものとはかなり異質に感じました。連続写真や実際に見て来た金田正一投手の投球フォームの印象としては、無駄な力や力んでいる感じが全くなく、非常にスムースな投球というイメージが強いものでした。違う言い方をすれば、速球投手の多くに見られる力任せの感やダイナミックさには欠けていたかと思います。現役では田中将大投手にのみ見られますが、無理に力まずとも抑えられる力がある事と、現在とは全く違う当時の登板事情もその理由にあろうかと思います。