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日米を問わず名選手を紹介。

若生忠泰(忠男) (2)

2011-07-05 22:08:59 | Weblog
若生忠泰は、アンダースロー投手の内、異色の存在だったと思います。当時のアンダースローの代表的な投手、杉浦忠、皆川睦雄、足立光宏、坂井勝二等の投手と比べ、広い肩幅、厚い胸板もそうでしたが、彼らの様な華麗な投法とは、全くかけ離れていました。又強気に打者の内角を攻め、球の速さも相俟って与死球の物凄く多い投手でした。通算3度の与死球トップも、彼の投球なら十分頷けるものでした。腰の捻りの大きい投手の多くに見られる特徴ですが、彼も又、登板毎に捻り方に差異が生じ、それに伴い好不調の波は非常に激しいものでした。好調時には手も足も出ない様な速さや、伸び、切れを見せるのに対し、不調時には、球を置きに行く様な、鋭さを感じさせない投球も多く見られました。昭和44年、読売ジャイアンツに移籍後、多分彼の最後の完投勝利だったと思いますが、TVで観た時には、投球フォームの荒々しさは既に消え、当然の如く球威もかなり落ち、西鉄ライオンズ時代のイメージは殆ど見られず、妙に寂しい思いをしました。通算1459奪三振、奪三振率6.65は、彼の投手としての素晴らしさを示す一端だと思います。