totoroの小道

「挑戦することで、きっといいことがある」  http://www.geocities.jp/totoroguide/ 

動物の赤ちゃん ~その2

2010-11-19 07:13:48 | 1年 国語

次に、教師が範読し
子どもたちは、
シマウマの赤ちゃんの大きくなる様子の分かるところに線を引きます。
教師は、子どもたちが考え、作業しながら聴けるよう、
ゆっくり、はっきり丁寧に読みます。

 しまうまの赤ちゃんは、
生まれて三十ぷんもたたないうちに
じぶんで立ち上がります。
そして、つぎの日には、
走るようになります。
だから、つよいどうぶつにおそわれても、
お母さんやなかまといっしょに
にげることができるのです。

線を引き終わった子どもたちは、隣の友達と交流に入ります。
互いの線を引いた箇所を比べます。
そして、同じ所に線を引いてあれば、赤シール。
    違う箇所に引いてあれば、青シールを貼ります。

さらに、これを全体で話し合い、
黒板の拡大教材に線を引いていきます。
ほとんどの所に線が引かれます。

そのたくさんの線の中から、
先生と子どもたちで
「今日も、理由の言葉はないかな?」
と探し始めます。

「のです。」
が見つかります。

理由があるなら、その原因があるよね。
その原因の言葉は「だから」です。
今日は「だから」を勉強しようね。
と、先生が言います。
そして、
「だから」の辞書の意味を、掲示物で提示します。
(辞書の解説を、教師が1年生用にかみ砕いたもの。)
1年生に、言葉の意味をしっかり考えさせることは、大切です。
すごいと、思いました。

「だから」「のです」はぜひ押さえたいです。
説明文を読む醍醐味は、こうした言葉を使いこなすことにあります。

このあたりのやりとりがとてもおもしろかったので
N先生の、これらの言葉へのアプローチを見ながら
私だったら、どうするか、
あれこれ、考え始めました。

1年生相手に、私なら、ここでどう切り出すか?
一生懸命に考えます。

私なら、
線を黒板に引いた時点で、
「こんなにたくさん線が引けてすごいね。
 あんまりたくさんだから、
 赤い線と、青い線とで2つに区切ってみたいな。
 どこで、赤と青を分けたらいいかな~。」
なんて言ってみたらどうだろうと考えます。

赤線の部分は、以下の部分。
しまうまの赤ちゃんは、
生まれて三十ぷんもたたないうちに
じぶんで立ち上がります。
そして、つぎの日には、
走るようになります。

青線の部分は、以下の部分。
だから、つよいどうぶつにおそわれても、
お母さんやなかまといっしょに
にげることができるのです。

その後、
「赤と、青はどう違うの?」
「赤と、青をつないでいる言葉はみつからないかな?」
などと聞いてみたらどうだろうと考えていました。


でも、なんだか、これでは、かなり強引です。
まだ、学習に慣れていない2学期の1年生にとって
違いを見つける
内容のラベル付けをする。
という作業は、難しいし
必然性がないと思ったのです。

もっと、1年生が飛びつく投げかけはないものか??


そこで、
変だ
おかしい
を探してみます。

ありました。
生まれて三十分もたたないうちに自分で立ち上がる。
これは、変です。
人間は、立ち上がるまでに1年かかります。
同じほ乳類の、犬だって、猫だって、ウサギだって立ち上がるまで、数週間かかります。
それなのに、30分で立てると言うことは
お腹の中で、他のほ乳類より、1ヶ月ぐらい余計に過ごしているんじゃないかと感じたのです。

さらに、おかしな事があります。
つぎの日には、走る。
このことは、きっと子どもたちはちっともイメージしていないと思います。
そこで、ここで、このように問います。
「(1)totoro先生と、(2)2日目のシマウマ。速いのはどっち?」
totoro先生は、足が速いと思われています。
当然、生まれたままのシマウマより、totoroの方が速いだろうと、
考えるでしょう。

が、答えは、(2)2日目のシマウマの方が速い。です。
ここで、子どもたちは
「え~っ」
「そんなの、うそだ!!」
と、飛びついてくるはずです。

お母さんや仲間といっしょににげることができるのです。
と書いてあります。
お母さんだけだったら、子馬に合わせて走ってくれるでしょう。
でも、群れ全体が同じスピードで走り
子シマウマもそれについて逃げるのです。
たとえ、2日目の子シマウマでも、
totoroより速いのです。

「なぜだ!!」
子どもたちは、その理由を自ら探し出すはずです。

そのときに、
「だから」
「のです」
を見つけさせ、考えさせれば
思考の流れは続き、子どもたちは自動的に考え出すはずです。

そんなことを考えながら、楽しく見させていただきました。


良い授業を見ると、見ている私たちまで、一緒になって
脳みそがぐるぐる回転し、リフレッシュし
すっきしりた気分になります。

ところで、やっぱりおかしいと思いませんか?

人間はともかく
同じほ乳類の、犬だって、猫だって、ウサギだって、
狸だって、狐だって立ち上がるまで、数週間かかります。
ウサギなんて弱い生き物ですが、
シマウマに比べて、立ち上がるのも、歩くのももっとずっと時間がかかります。

なぜ、シマウマはすぐに立ち、走らなければならないのか?

それは、巣が無いからではないかと思います。
ウサギは、弱いですが、穴の中に隠れて暮らすことができます。

しかし、シマウマは体が大きいですから、
赤ちゃんを安全に隠しておける巣を持つことができません。

その分、母親のお腹の中で、十分に成長させてから産み落とすのだと思います。

同じほ乳類の、犬だって、猫だって、ウサギだって、
狸だって、狐だって
一度に3~6匹ぐらい子どもを産みます。
シマウマは、あえて、子宮の中で1匹しか子どもを作らないのではないでしょうか?
そうすれば、1匹のシマウマの赤ちゃんの為に
他の動物3匹分、4匹分の子宮の面積を使うことができます。
その分、十分に
お腹の中で成長させることができるのではないでしょうか??

動物好きの、totoroの勝手な想像ですが....

 

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
丁寧で、エネルギーがあり、言葉を大切にする授業でしたね (Mrヒデ)
2010-11-19 23:50:05
 私は僅かの時間しか参観できませんでしたが、TOTOROさんの文から様子がわかりました。 Nさんは、この学校でも同僚によい影響を与えているようです。口頭やプリントなどで自分の考えを出しています。素晴らしいですね。
 教室経営も凄いですね。
 この授業では1年生に言葉の科学的な概念を教えている。ここが他の学級にはないものです。
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