我が婚期も根気もとうの昔に潰えたはずなのに赤い糸くずの残りはくっついているみたいな今日この頃である。フイールドのトンボには今期も十二分に楽しませてもらったが、それも後一カ月ほどで終わる。それまではマユタテアカネとオオアオイトトンボの二種で「しんがり競争」なのである。どちらが最後まで残るにしてもその差は数日であって、その後は早春のダビドサナエが出現するまでは「今日のトンボ」ももう一回、大団円の記事くらいしかない。つまり関心事は「いつが最終観察日⁉」なのかである。平均的なら12月初旬、記録では12月28日があるが、これはあくまで例外的だ。
今期の特記事項は「サラサヤンマ」を11年ぶりに視認できた事、タカネトンボの産卵を確認できた事が東西の横綱級に匹敵するが、確認できなかった種も発生した。ミヤマカワトンボ、オナガサナエ、ウチワヤンマ、ルリボシヤンマ、アキアカネ、ミヤマアカネ、コヤマトンボ、ハネビロエゾトンボ等々8種に上る。オツネントンボは2013年に1度撮影しただけで、それ以来確認できていないから生息しているとは思えなくなった。今期、新規の確認はありえないだろうから最終的な統計は26種で締めである。
11月、フイールドで舞うトンボは2種だけだが既に飛翔時間より日向ぼっこの方が長い。飛び上がっても採餌かファイト1発程度の単発短時間の舞いだけになっている。
個体の寿命は2週間程度と記憶しているが、現段階で12月初旬まで個体が見られると仮定すると、まだ羽化体があるのだろうか?。これは考えにくいのだが体色を観察すれば成熟度合の差はみられるし、盛期の頃より老化していると思える体色も散見する。気温が低くなり活動度が低下し捕食されるストレスも少なくなっている季節柄、新たな羽化体でなく老いさらばえた個体が緞帳を下げるのであろうか。
どの生物に限らず「高齢化社会」は衰退への始まりであろう。11月のトンボを見るたびに身に沁みる・・・。寒さが。
マユタテアカネの体色差
オオアオイトトンボの体色差