トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

**今日の都々逸

2021-11-16 | 小人閑居して憮然
                街へ路地へと
                落穂は転た
                落穂拾われ
                穀の飯 ハアコリャコリャ
                

不思議考近視眼!

2021-11-16 | 感じるままの回り道
 古来「寄らば大樹の陰」と聞くが里山での大樹は概ねナラ枯れ病に侵され見る影も無いどころか落枝は発生するし斜面の枯れ木は根こそぎ倒壊してしまうし、それはそれで結構危険な存在なのである。
 そんな折、落枝樹伐採後の玉切り集積していた時の事、冬眠を始めたばかりのニホンアカガエルを目覚めさせてしまった。林道の途中で茫然と帰るべき場所を思案している様にも見える姿に、今度はサワガニが這い寄って喉の下に潜り込んだのだ。写真ではそうなってはいないものの「撮ったぞー!」の激写はハイ、ピンボケ。こういうのは「マーフィーの法則」と言うのだろう。まあ、フイにしてしまった一期一会。それでもカエルは逃げなかったのだが「追い出されて相見互い」と同情し合ったのかもしれぬ。

 泥水地の一画、クルミの幹でSさんが見つけた物。アブラゼミだろうか、生きている姿のまま朽ちずに残っている。子細に見ると翅と尻が幹に付着しているのだった。最初は「寄生菌の仕業か?」と見たのだがS先生が「コウモリガの排出物」と指摘した。何の事は無い幹に孔を開けその排泄物で穴の蓋をしていたのにセミが固着してしまったのだ。どうしてこのような事態になったのかは皆目不明で不思議な事もあるよのう。

 次なるものは朝からびっくらこいた毛玉で、これから伐採大径樹の玉切り集積をしようと一輪車に道具を満載し移動していた林道の真ん中に転がっていたのだ。「こんなところに一件や!」と毛玉を眺めたらどうも小鳥らしい。天下の往来、公道のど真ん中で、よりによって最低気温が一桁になった日に起きた事態だった。テニスボールよりは大きいし小生の握りこぶしよりは小さく、ほとんど真球に見える。
 扱いに困り早い時間だったがSさんに電話して対処法を尋ねたら「身体が冷え切っている可能性もあるから小さ目の容器に入れて日当たりの良い場所に移動させたらどうか」との返事。しかし作業途上の道すがら、考えあぐねた末に「ヘルメットにタオルを巣状に入れ、その中に移して運ぶ」事にしたのだ。これなら直ちに用立て出来る。
 そんなことからチャッチャッと用意して、さて掬おうと両手を近づけたら触れるか触れないかのタイミングで飛び立ってしまった。そのまま擁壁の上、裾群落の中に消えた。結果は失敗だったものの、飛び立てるだけの元気はあったという事で一見落着。そのあと、作業中に近くで「チャッチャッ」と鳴いていたジョウビタキは、この個体であったかどうだか知る由もない。ハイ、バイチャバイチャ!。

          

 昔からのキャッチフレーズ「不思議考近視眼は爺の薬」と言われ続けてきたように確かに爺の薬にはなる。いい歳こいて新しい事象を体験できるからで、それもバーチャルではないリアルでかつ独占的一期一会の一刻値千金の体験なのだ。「それがどうした⁉」と問われればぐうの音どころか放屁も止まってしまうけれど「それでいいのだ」バカボンのパパはおっしゃってくださいました。
 今日のタイトルにしたフレーズ「不思議考近視眼」なのだが、一夜明け目覚めたらどうも座りが悪い。そこに現れたのが「不思議考親近感」で、この方が中身と気分に沿う様な気もするけれど引用フレーズと少々離れ直結し難いような思いもあって却下したのだが落ち着かない。