とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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タイのユニークmail翻訳サービス

2007年01月09日 21時37分34秒 | IT
KDDIだったかドコモだったか、富士通だったかNECだったかは忘れたが、携帯電話での翻訳サービスというのをやっている会社があるそうで、ついに自動翻訳時代がすぐそこまでやってきた、という感を持ったというのは、昨年の話。
仕事や旅行で海外を訪問している間に、言葉の通じない相手と話したい内容をその番号に繋いで話をすると、電話の向こう側にいる通訳かコンピュータかは分らないが、それが相手の国の言葉に訳してくれるということだ。

で、こんなハイテク翻訳はともかくとして、タイのネットカフェで一風変わった翻訳サービスが人気を呼んでいるという。

私もタイに滞在中はホテル備え付けのPCかネットカフェからメールチェックやWEB閲覧をやっている。
以前定宿にしていたサービスアパートにはインターネットサービスがなく、いつもシーロムにあったネットカフェやキンコーズを使ってメールをしていたのだが、今定宿にしているホテルは無線LANやビジネスセンターが完備されているので、自分のiBookを使ってインターネットをしていることが多い。

私のメールの相手はほとんどが日本にいる友人や会社、得意先の人たちなので日本語だけで大丈夫。
たまにカナダにメールを送るが、これも相手は日本人の親友なので問題はない。
外国人の友人に送ることもあるが、これもミャンマーのTさんであったり、日本語の読める連中ばかりなので、いつも日本語しか使用しない。

タイのネットカフェに現れた新しいサービスは、メールを送る時にタイ語に翻訳してくれるサービスだそうで、利用するのは外国人。
タイ語を書くことが出来ないので、ネットカフェのスタッフが有料でタイ語に翻訳し、相手のタイ人に送ってくれるのだということだ。
で、送り手は主に欧米人(きっと日本人も混ざっているに違いないが)の男連中で相手は若きタイ人女性。
つまり、新手の恋の仲立ちらしいが、タイのことだからきっと「あっち」のほうの援護サービスではないかと私は疑っている。

「ポン・ラック・クン・カップ(I love you)」
とか、
「クン・ペン・フェーン・ポン、クン・スワーイ・マーク・カップ(You are my girl friend. You are so beatiful.)」
なんて他愛もないことを訳しているのかもわからない。

十年ほど前になるが、私もオーストラリア人の悪友からパブで一杯やっている最中「あの子に『可愛いね』と言ってくれ」と頼まれたことがあり、日本でもこの手のサービスを始めたらウケるかもと思った。

ともかく、色々なサービスを考え出すタイ人のビジネス感覚はユニークで笑わせてくれる。

※なお、上に記した私のタイ語は怪しいので信用しないようにお願いします。加えて、私が現地でこれらの言葉を使っているとも思わんように。

藤沢周平 未刊行初期短篇

2007年01月08日 20時02分14秒 | 書評
キムタクが主演しているということで未だ劇場へ足を向けることに躊躇している映画「武士の一分」。
山田洋次が監督しているということで、なんとなく観てみたい欲求はあるのだが、もたもたしている間に、ロードショーが終了になりそうな気配なのだが、なかなか金を払って劇場に入る勇気が湧いてこない。

その一番大きな理由はやはり「藤沢作品の繊細さを山田洋次監督が果たして人気タレントを使って描ききっているのだろうか。」という心配と、その裏返しである「自分自身が持っている藤沢作品のイメージを壊されたくない」という危機感があるのだろう。

その「武士の一分」の原作者、藤沢周平の新刊を年末に書店で平積みされているのを発見した。
亡くなってから十年も経過する作家の作品の新刊というのも珍しいが、大ファンである藤沢周平の初期短篇集ということで、迷わず一冊攫んでレジに持っていった。

藤沢周平の時代小説は他の作家の小説と一線を画していると私は考えている。
その物語の中に流れるのは、時代背景を背負った実在の人物の立身出世物語でもなければ、単なる伝記でもない。
もちろん実在の人物を主人公においた小説も少なくないが、藤沢作品に溢れる魅力は人の生き様の描写だろう。
それも歴史上の有名人ではなく、一介の市民。
小藩(多くは海坂藩)に勤める身分の低い侍。
浪人者。
博徒。
旅芸人。
前科者。
商人。
など、名も無き人々の人生なのだ。
特別ではない、しかし私たちのものと相通ずる人生が描かれている。
その何でもない自然な感性で描かれた普通の世界に私たちは感動し、涙する。

この独特の魅力は他の作家の時代小説ではなかなか体験することはできない。
まさに藤沢ワールドの魅力はここになあるのだ。

その藤沢周平が亡くなってから十年が経過。
新刊など望むべくもなかったが、昨年はじめ、初期の作品が発見され新聞紙上を少しばかし賑わしたことがあった。

「藤沢周平 未刊行初期短篇」
この本には新たに発見されたそれら14篇の短篇が納められている。
したがって、正確に言うと新作ではないのだが、これまで一般の人々に知られることのなかったマイナーな雑誌に一度だけ掲載された「かけだし時代」の短篇ということで、大きな興味を惹いたのだ。

収録作品からは藤沢ワールドの息吹がひしひしと感ぜられ面白い。
後に発表されることになるいくつかの作品のモチーフになった拙い物語も納められ、私のような藤沢ファンにはたまらない短編集になっている。

映画は未見のままだが、藤沢作品で心地よく迎えた新年となった。

~「藤沢周平 未刊行初期短篇」藤沢周平著 文藝春秋社刊~

難破船だよ、民主党

2007年01月07日 19時50分45秒 | 政治
夕方、カルビーのポテトチップスを食べながらテレビを見ていたらビックリした。

民主党の小沢一郎代表が嵐にもまれる「ボロボロの帆船」を操舵して「国民の生活は嵐の中」のナレーション。
で、強烈な突風が原因なのか、それとも重力異常が原因か、小沢代表が「水平」に飛ばされ船尾の「小屋」に激突。
すかさずどこからともなく現れた菅直人と鳩山由紀夫の二人が代表を両側から抱き起こす。
すると嵐の海はあっという間に快晴に。

「生活維新」

のキャッチが画面一杯に表示された。
つまり民主党のCMだった。

持ってたポテトチップスの袋をポトリと床に落として私は呟いた。
「アホか、こいつら」

ともかく「日本国民の生活環境はメチャクチャだ」と言いたいのだろうが、説得力がまったくない。
凄まじい時化にもまれているボロ船を操舵しているのに3人ともネクタイをきっちりと締めて白いワイシャツ姿。
浪に濡れてもいなければ、服装の乱れもなんにもない。

「俺たちゃ、ボロ船日本を操舵してやるけれど、自分の衣服も手も汚すつもりはまったく無いよ(お坊ちゃまだぜ、俺たちは)」というメッセージかとも受けとめた。

ボロ船のイメージはジャック・スパロウ船長の海賊船からインスピレーションされたものに間違いないだろうが、スパロウ船長と異なって、小沢船長の帆船に乗組員は管と鳩山の二人だけ。
他に船員の姿は見当たらない。
これって、他の乗組員「党員」は、みんなどこかに逃げ出した、っていうことか?

言いたいことは分らなくはないが、小沢さん。
これって「難破船だよ、民主党」。

ダメだ、こりゃ。

iPod買い代え大作戦

2007年01月06日 20時20分50秒 | 経済
ついにiPodを買い代えた。

手持ちのiPod-miniのHD容量が一杯になってきて、これ以上桂米朝さんの落語が収録できなくなっていたので半年ほど前からノーマルなiPodへの買い代えを検討していたのだ。
このままでは「地獄八景亡者戯」「百年目」「いろはにほへと」などを収録することが出来なくなっていたのだ。

もちろんiPodへの買い代えはそれだけが理由ではない。

海外(と言ってもミャンマーとタイばかりだが)へ旅行に出るたびに大量に撮影するデジカメデータをメモリからHD写すためにiBookを持ち歩いてるのだが、これが重い。
12インチモデルといってもiBookは安もんノートブック型Macのため重量が有り、荷物になる。
これをショルダーバックに入れて空港をウロチョロするのはかなりの重労働で、できればデジカメのデータはiPodのような持ち運びできる携帯型大容量HDユニットに転送したいと考えていたのだ。

デジカメデータの転送はメモリ容量が4GしかないiPod-miniではとても無理なので、どうしても30G以上のHDを内蔵したiPodが欲しかった。

正月休み。
家でゴロゴロしていても太るだけなので、思いきって大阪なんばへ出てみることにしたのは1月の3日であった。
昨年オープンした南海難波駅前の映画館で映画を見ようと思ったのだが、私のように「家にいては太るだけ」と考えたと思われる何千、何万という人々が戎橋商店街や南海通りをウロウロしており、雑踏が大嫌いな私は、電車賃を使ってわざわざミナミまで出て来たことを後悔した。

「どこか空いているところは無いかいな?」
と考えてみたところ、これも昨年オープンしたヤマダ電機難波店を思い出したのであった。

ここヤマダ電機難波店は鳴り物入りでヤマダ電機が大阪の電気街「日本橋」に進出した機関店で、開店当初はテレビや新聞にも採上げられ、行列もできて大騒ぎになったところであった。
ところがヤマダ電機が進出した場所は地元大阪人であれば「金をもらっても出店しない」寂れた場所で、肝心の日本橋エリアからも外れており、開店当初はともかく今では客より店員のほうが多い寂しい店になっている(ことは公然の秘密だ)。
東京者の大阪知らず。
気の毒ではある。
ただ気の毒ではあるが、ここ大阪で関東基盤のヤマダ電機とヨドバシカメラ梅田店がライバル心むき出しに頑張っているところをみていると、大阪基盤の上新電機やミドリ電化は何をしているのかと、私は言いたくなるのも人情だ。
だいたい上新電機の本社はこのヤマダ電機難波店の目と鼻の先にある。

ともかく、そのガラガラであろうヤマダ電機難波店へ寄ってみると、さすがに正月。
結構込み合っているではないか。

あれやこれや冷やかして廻っていると、デジタルオーディオのコーナーでiPodを発見。
価格は¥29800円。
新春お年玉セール対象品とあった。

「あ、やっぱりiPodは値下げせんな。30GのiPodが定価どおり。何がバーゲンや」
と暫し軽蔑の眼差で見ていた。
「やっぱり心斎橋のアップルストアで買わんとあかんか」
と思って、もう一度よくよく見ると、なんと60Gのモデルではないか。

「なんと!これは安いに違いない」

買い代えのチャンスとばかり衝動買いしそうになったが、そこは私も会社では一応管理職。
デパートメントマネージャーなので、アホな行動は起こせない。
一旦帰宅してインターネットで価格を調べてみると、このモデル。もともと¥46000はするタイプで80Gタイプが昨年末に発売されて型落ちにはなっているが、いくら安くても?35500は下回らない機種であることが判明した。

「これを買わずしてなんとする」
と私は思った。
で、ここで慌てて難波へ取って返えしたりすると、まだまだ冷静さに欠ける。
男ではない。
これではデパートメントマネージャーの威厳に関わる。
ということで、私は冷静さを取り戻し、自宅の机の引き出しに、ここ二年ほどの間に懸賞や贈り物で頂いたJCBギフトカードが結構な枚数あることを思い出した。

ギフトカード。
溜まりもたまったり約¥15000。
インターネットでチェックをするとJCBギフトカードはヤマダ電機でも有効だ、ということも判明した。

私はギフトカードを握りしめ、再び難波のヤマダ電機へ出かけ、
「これください」
とiPod-60Gタイプを指さして、
「JCBギフトカードとポイント使って買いたいんですけど、良いですか?」
と店員に訊ねた。
もちちろん答えはOK で、なんと私は動画も見られるカラー液晶大画面のiPod-60Gタイプをわずか現金1万円少々で購入することに成功!

これは春から縁起がいいや、となったのは言うまでもない。

チベットへ向かう列車の旅は....「NHKの車窓から」

2007年01月05日 22時00分00秒 | 音楽・演劇・演芸
ここ数年、紅白歌合戦だけではなく新春のテレビ番組もほとんど見なくなった。
チャンネルを合わせるのは2日と3日の箱根駅伝の生中継ぐらいで、それも東京大手前~芦ノ湖を連続して見る事はまったくなく、たまに思い出したようにチャンネルを合わせて順位を確認する程度なのだ。

今年は珍しい事にNHKの新春紀行番組を録画して観賞した。
タイトルは「青海チベット鉄道~世界の屋根2000キロをゆく」。

昨年全通した中国の西寧とチベットの首都ラサを結んだ高原鉄道を取材した、いわばNHK版「世界の車窓から」。
番組では美しい景色が展開され、旅好きの私にはなかなか面白い番組だった。

ただし、私に先入観がなかったら、私の周囲はもっと楽しめた番組になったことは間違いない。

「世界で初めて、外国のテレビ局としてNHKが取材の許可を受けました」

番組冒頭でのナレーション。
自信たっぷりに語るアナウンサーの一言に、「いったいどんな手段を使ったん?さすが中共のご用放送局」とテレビに向かって早速私はつっこんだ。

「機関車はアメリカ製........客車はカナダの航空機メーカーの発注されたものです」

とのナレーションにも思わず「日本の金をアメリカのご機嫌取りにばらまく、ちゅう手法やな。上海や香港の国際空港と同じや。だいたいアメリカは鉄道後進国で、今やNYの地下鉄も日本製の時代とちゃうの」とつっこみ「ま、欠陥航空機でお馴染のボンバルディアでも鉄道の客車やったら墜落せんし『故障しました』からと伊丹空港に引きかえすこともないから、ままええか」とつっこんでしまった。
さらに、

「凍土の上にレールを敷くのは難しく、最新の技術を導入しています」

とのナレーションにも「100年前のシベリア鉄道の技術をロシアからパクったんちゃうんか。100年も中国4000年の前には最近やし」とつっこんでしまい、「ちょっと静かにしたらどうなん」と一緒に見ていた家人に逆につっこまれてしまった。

しばしツッコムことを我慢しておとなしくテレビを見ていたが、次のナレーションで我慢が出来なくなってしまった。

「間もなくチベット自治区との境界線です」には、
『何?境界線?ちゃんと「国境」と言わんかい。チベットは中国ちゃうど。元首はダライラマ14世という素晴らしいお坊さん。1960年代以降、中国が人民解放軍を送り込んで虐殺の限りを尽し、今やイスラエルのヨルダン川西岸支配より酷い状態になっとるんや』とツッコミ、
「この町も年々漢民族の人口が増えています」には、
『民俗同化、ちゅうやつやな。中国人はまるでスタートレックのボーグや。そのうちチベット人は他の地域に追いやられて、漢民族だけでチベットを支配するという恐ろしい計画に違いない。チベットは100年後の日本の姿かもわからんぞ』

と宣言してしまった。
でも列車は無事ラサに到着。
私のツッコミも終了した。

とはいうものの、一度この列車に乗って旅をしてみたい気分になったのも正直なところ。
しかし私は車中黙ってることが出来ないだろうから、無理なことも間違いない。

思わず興奮、NHK

2007年01月04日 20時32分56秒 | 音楽・演劇・演芸
2日連続、紅白歌合戦の話題。

昨日書いたように、私は紅白歌合戦を見ていない。
見ていないが、紅白歌合戦に関する話題は世間から取り残されないようにするために毎年チェックすることは怠らない。

で、今年最大の話題は「裸に見えたパフォーマンス」に対するお断りアナウンスメントだろう。

元日のニュースサイトの話題といえばこの話題。
DJ OZUMAの曲でダンサーが裸になるパフォーマンスが展開され、それが「本物の裸」に見えたことからNHKに抗議の電話が集中し、放送直後に司会のアナウンサーがお断りを述べたというものだ。

自慢にならないが、私は最近のヒット曲に関してまったく知識がない。
二人組のゴンチチをテレビで見て「これ、吉本の新人漫才師?」と訊いた私に大学時代の友人が愕然とした表情を見せたぐらい、わからない。
そんな私なのでDJ OZUMAと言われても「巨人の星に出て来た中日のオズマの親戚か」ぐらいにしかイメージできないのでチンプンカンプンなのは言うまでもない。

でも「裸のパフォーマンス」と間違える演出とはどういうものだったのか気になった。
昔ならビデオに録画していない限り、そのシーンを見ることは諦めなければならなかったが、今はYou tubeなる便利なサイトがあるので、それでチェックすることにした。

結果的に「な~んだ、誰が見たってボディースーツやないかいな」というような代物で、声を大にして批判するようなものではなかったのは言うまでもない。
でも、「素晴らしいパフォーマンスだ」と言えるものでもないことは確かで、どっちかというと「ショーモナイ素人芸」の延長線上にあるように見えたことも確かだった。

考えてみれば大人気のフィギュアスケートも、多くの選手は肌色のタイツとつながった衣装を纏って演技しているわけで、氷の張ったスケートリンクでレオタード1枚で演技しているなんて思っている人はほとんどいないだろう。

今度の騒動は紅白歌合戦も「お色気話題」でもぶち上げないと、次から見てくれる人がいなくなるのではないかというような、非常に低レベルな危機感に発したものではないだろうか。
となれば、いっそのこと宇宙企画やミリオン出版、クリスタル映像なんかとタイアップして本物のお色気作戦で売り出してはいかがか。

「紅白歌合戦、今年の演出は『村西とおる』さんです!」
これなら私も観て見たい気がする。

もしくは「思わず興奮!今夜の紅白歌合戦」なんてタイトルを新聞の番組欄に掲載したら、「思わず興奮」の見出しにつられてチャンネルを合わせる中学生(昔の私やその仲間のようなませたガキ)が増えてくれるかも分らない。
なお、その時は必ず「思わず興奮」するようなサーフィンやダイビングの映像を流すようにお願いする。
またその裏番組は「海底科学作戦」か「ペイントンプレイス物語」「宇宙大作戦」が相応しいのは言うまでもない。

紅白歌合戦の民俗論

2007年01月03日 20時11分57秒 | 音楽・演劇・演芸
NHKが気にして止まない「紅白歌合戦」の視聴率が発表された。
結果は関東では史上ワースト2位で関西では最低だった。
私の住む大阪は関西なので最低ということになるが、その数字を見る限り決して悲観するものではないように思うのだがNHKはそう考えていないようだ。

世間一般が大晦日にNHKにチャンネルを合わせて紅白歌合戦を「家族揃って」見るような時代はとうに過ぎ去っているにも関わらず30%以上の視聴率を獲得したのだから凄いと褒めてやってもいいくらいだ。

世間の多くは核家族化し、大晦日であっても家族数人で過ごしていることが少なくない昨今。
家族揃ってNHKは過去のものだ。

私の場合も、子供の頃は正月休みは両親と一緒に岡山県都窪郡○○村という名前だけ聞くととてつもない田舎のような、実は倉敷市と目と鼻の先の父方の祖父母の家へ出かけ、祖父母に父の兄弟、従兄連中、近所のオッサン、オバハンなど総勢30名以上で大晦日は迎えたものだ。

当然のことながらテレビのチャンネルは宮田輝アナウンサー司会のNHKの紅白歌合戦に合わされていた。
他のチャンネルに合わそうなどと言う裏切り者はいなかったのだ。
もっとも、当時の岡山にはNHK以外の放送局なんかほとんどなく、NHKか教育テレビかという状態であったように記憶する(岡山県人の名誉のために断っておくと、多分、私の記憶は間違っていると思う)。

ただチャンネルは紅白歌合戦に合わされていたが、番組を見ているものはほとんど無く、私を含めた子供連中は従兄同士で遊んでいるか、ケンカをしているのかのどちらかであり、父たちも兄弟同士で酒盛りをして世間話や昔話に話を咲かせているか、ケンカをしているのかのどちらかであった。

結局、紅白歌合戦の内容などどうでもよく、裸電球の下、ワイワイがやがややっている田舎の大晦日を都会っ子の私は大いに煩わしく感じ、早く大阪に帰りたいと、毎年、大阪出身の母に嘆いていたことを思い出す。

あれから30年余りが経過して状況は大きく変わった。

祖父母は亡くなり、父母も兄弟の相手をするのが煩わしくなって岡山で親戚一同が年末年始にわざわざ集まることもなくなった。
これは年老いた結果、父よりも母の発言権が強くなったことと、会社を経営していた父の金に群がる兄弟親戚の「年末年始予算処理」に父が辟易としていしまった結果だということができる。
私は私で、大学卒業以来、毎年繰り返される大晦日前日からの友人連中との徹夜の宴会でクタクタとなっており、紅白歌合戦にチャンネルを合わせるなど論外のコンディションになっているのだ。

結果的に紅白歌合戦を見ることはなく、たとえ起きていたとしてもケーブルテレビ(地上波民放ではないことに注目!)で別番組を見ているかインターネットを閲覧していているかのどちらかだ。
だから「行く年来る年」」までNHKにチャンネルを合わせることはない。

選択技が多岐にわたった21世紀の今日。
30%以上の視聴率を維持するのは偉大なことではないだろうか。
それをとやかく言ってNHKをさらなるアホ行動に走らせるのは、自らも視聴者の減っている民放局と、その親会社の新聞社の嫉妬と危機感の表れか。

ちゃんと調査してみたら視聴者の反応は以外に普通で冷静なのかもわからない。

バンコク・テロのヨイヨイ報道

2007年01月02日 19時31分56秒 | 社会
「タイへ行って、テロとか大丈夫ですか?」
「一人で行って怖ないんですか?」
「エイズ、大丈夫ですか?」
「帰ってきても近寄らんといて下さいね」

というのは私が旅行に出発する前に必ず頂戴する仕事関係および友人関係からの「激励」の言葉。
正直言って、いちいち応えるのが面倒なのだが、この毎度毎度の代わり映えしない激励の言葉が今年は強化されそうで鬱陶しい。
したがって「面倒くささ」も増幅されることになりそうなのだが、それを考えること自体が面倒くさい。

大晦日から元日にかけて私がよく行くタイのバンコクで爆弾テロが発生した。
幸いなことに、私の定宿からはう~んと離れた場所で事件は起こった。

最初に報道された爆発は戦勝記念塔のロータリーにあるバス停で発生。近くにあった屋台のボンベが誘発されて爆発しバス停の広告看板に穴が空いたり、多くの人がなぎ倒されたりして被害大きくした、ということだ。
2度目に報じられた爆発は日系デパートも入っているショッピングモールの近くで発生。
これには外国人も数人巻き込まれ、死者や足を切断する大けがをした犠牲者を出した。

こんな事件が起きたから答えることが面倒くさい質問は増えるだろう。
その面倒くささを助長しているものに実は日本のマスコミの伝え方があると私は考えている。

「日系デパートも入っているショッピングモール」
だとか、
「バンコク最大のショッピングモール」
なんていう、あやふやな伝え方をするので、日本国内で受取る人の大部分はどこのことだかサッパリ分らない。
だから情報不足の日本人は「バンコクは危ない」になってしまい、さらに「タイは危ない」からインドネシアの飛行機事故とフェリー転覆事故が追加され「東南アジアは危険だ」に発展していくのだ。

タイの地元英字紙The NationのHPによると日系デパートの入っているショッピングセンターとは元ワールド・トレードセンター(通称ワートレ)と呼ばれたセントラルワールドで、そのデパートは伊勢丹のことだった。
サイアムというバンコクの渋谷と呼ばれる地区の外れに立地しているが、よくよく読んでみると伊勢丹の北側に位置するプラトーナム地区が事件の場所だということが分った。
ここにはアジア最高層のホテル「バイヨークスイート」があり、邦人観光客も少なくないところだが、白タク運ちゃんがたむろしていたり、ゴミゴミしたところでもある。
さらにプラトーナムとはまったく別の地区にある建設中の日本大使館新公邸横のルンピニー・ナイトバザールにも爆薬が仕掛けられていたが、それは警察の努力で事前に処理された、なんてことも伝えられていた。
なんとなく白々しいな感じてしまうのも私だけか。

で、日本国内の新聞やテレビが正月休みに浮かれた状態だから、情報が錯綜し、ホントの現地の状態はバンコク在住の邦人のHPを確認するしかない。
面倒くさい質問に答える準備をしなくちゃならないからだ。
そこには、
「テレビで紅白歌合戦を見ていたら日本の本社から電話があって楽しいところを邪魔された」
とか、
「新年祝賀会は中止というが、うちの近所は地元民のどんちゃん騒ぎで変わりない」
という生の情報が記されており、もはや新聞テレビはなんの機能も果たしていないことが明らかになるばかり。

呑気な日本のマスコミは「爆弾テロはタイ南部を根拠地とするイスラム過激派によるものではなく、政治的に弱体した勢力の犯したもの」との情報から「タクシン支持者の犯罪か?」と報道しているが、「今の政府の自作自演か?」なんて「疑惑」はちっとも伝えないので変なのだ。

相変わらず今年もヨイヨイスタイルが日本のジャーナリズムの姿勢であることが、バンコクの事件で図らずも確認できたといわけだ。

007カジノロワイヤル

2007年01月01日 17時36分54秒 | 映画評論
私が初めて劇場で観た007映画はロジャー・ムーアがボンドを演じた「私を愛したスパイ」だった。
当時中学生だった私はクラスの友達を誘って授業がひけてから大阪なんばにあった南街劇場(現TOHOシネマズなんば)へ出かけた。
この映画も、ちょうどこの年のお正月映画の目玉作品だった。
このボンド映画で話題になったのは代表的ボンドカーとなったロータス・エスプリをはじめとするMI6の新兵器だったが、ホントのところ、それら秘密兵器の性能よりも兵器を作った日本企業に注目が集まった。

つまりセイコーが製作した指令のパンチテープが出てくるボンド愛用のデジタル腕時計。
敵の秘密基地のモニターに使われていたソニー・トリニトロン・カラーテレビ。
などに注目が集まっていたのだ。

今では日本製品がアメリカ映画に登場することなど珍しくもなんともないが、当時はメイド・イン・ジャパンが世界中を席捲し出した時期にもなり、世界トップに躍り出た自国の経済力を中学生のガキでも実感できる。
そんな映画が「007私を愛したスパイ」だった。

その「私を愛したスパイ」に登場したカラーテレビを作っていたソニーが初めて製作した007映画が今お正月映画のシリーズ最新作「007カジノロワイヤル」。
ソニーピクチャーズがMGMを買収したので、ソニーは小道具ばかりか映画そのものを作ってしまったというわけだ。
もちろんソニーの映画なので作中に登場するパソコンはVAIOだし、ボンド愛用の携帯電話はソニー・エリクソンだった。
でも、30年近く前と異なって、そんなことはちっとも話題にならなかった。

そんな日本ルーツの企業が関わった007最新作の一番の話題はトラディショナル。
007スタイルの正統的なスパイ映画を踏襲する、近年稀に見ぬ傑作スパイ映画に仕上がっていることが巷のちょっとした話題、とはいかないまでも噂になっていた。

CGIに頼らない役者本人やスタントマンによるライブアクションはハラハラして目が離せない。
特撮主体のライバル映画、トム・クルーズの「Mi」シリーズとは好対照の大迫力だったし、ボンドを演じたダニエル・クレイグの従来型にはまっていないジェームズ・ボンド像は男臭くてリアル感がある。
ロジャー・ムーア以来続いていた2枚目でコミカルなボンド像を打ち壊していたのだ。
2時間30分を越える上映時間は、ちょいとばかし座席に腰掛けているオシリに優しくないが、その痛さも忘れるくらいに適度な緊張感と派手さとリズムがマッチして、大いに楽しめる娯楽作品になっていた。

ビデオになったら、もう一度自宅でゆっくりと観賞したいアクション映画だ。

~「007カジノロワイヤル」2006年ソニーピクチャーズ配給~

謹賀新年

2007年01月01日 17時35分48秒 | エトセトラ
新年おめでとうございます。
本年もごった煮ブログの「とりがら時事放談」をよろしくお願いいたします。

今年も好評の旅行記(ミャンマー大冒険の新シリーズ、台湾紀行などを予定)や、硬派(ウヨク的とも言う)政治経済のコラム、映画評論、書評、などなど。
読む人と私本人が楽しめるブログを目指しますです。

ということで、まず今年は007からスタート。