とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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ミャンマー大冒険PART2(1)

2007年01月19日 08時42分06秒 | 旅(海外・国内)
ヤンゴン国際空港を飛び立ったエアーマンダレーのDHC-8型機は緩いカーブを描きながら、ゆっくりと上昇を開始していた。
下界にはミンガラドンの工業団地が広がっている。
但し、どこからどこまでが工業団地で、ごこからどこまでが畑や田んぼか分らない。
なぜわからないかというと、工業団地には入居企業がほとんどなく、赤土むき出しの更地が延々と広がっていたからだ。

「三井物産、ミンガラドン工業団地から撤退」
という記事が産経新聞に掲載されたのはそれから間もなくのことだった。
ミャンマー政府と三井物産の合弁で開発したの良かったけれど、政治的・経済的要因で入居企業がちっとも集まらず、維持費ばかりがかかるので涙を飲んで撤退したということらしい。
今ごろ三井のプロジェクト責任者は下請け孫請け会社で働いているか、家の近所のコンビニでアルバイトに励んでいるかも分らない。

もっとも、工業団地と周辺の畑や荒れ地と区別がつかなかったのは土地が売れずに建物が建っていないことだけが原因ではなかった。
私の乗っていたDHC-8型機の窓には細かい傷が一杯ついていて、ちょっとした曇りガラスかスリガラス状態になっていたからであった。

「ボロイの?その飛行機。」

などとおっしゃるあなた。
あなたは正しい。

今や東南アジア最貧国の汚名を着せられたミャンマーにも航空会社が数社ある。
ミャンマー航空。
エア・マンダレー。
エア・バガン。
の3社が主流で国内線が中心だが、タイやシンガポールとの国際線も数便運航しているのだ。
ちなみにエア・バガンは関空乗り入れを計画しており、機内誌やホームページの運行経路の地図にはヤンゴンと大阪を結ぶラインがクッキリと引かれている。

「昨年、エアバガンの人が日本へ行って営業開始の調査をしてきたって聞いてます」
とはガイドのTさんの話である。
しかし、一番大きな機体でもフォッカー100しか持っていないエアバガンが関空とヤンゴン間4500kmを飛ばせるのか。
クエッションマークが灯るのだが、それよりもなによりもフォッカー100で関空からヤンゴンなんて長距離に搭乗する勇気は私には無い、と言えば失礼か。
ともかく関空からヤンゴン間は信頼篤い日本の翼ANAの復活が待たれるところだ。

ともかくミャンマー航空以外は外資との合弁企業なので、かなり安心なのだが、飛行機がお歳を召していらっしゃることも確かなので、ちょっとばかしビビってしまうことも少なくない。
こんなすりガラスなんて目じゃないのだ。
トイレの扉が閉まらないことなど珍しくないらしい。
でも、そんなことではビビらない私も、窓からの霞んだ景色を見ながら実はビビっているのであった。
それも猛烈に。
なぜなら、私の足元の壁部分が大きく「ベコッ!」と凹んでいたのであった。
それも直径50cmぐらいはある大きな凹み。
心配になって客室乗務員のオネエサンに目で示すと、「ニコッ」と笑って、ハイおしまい。

「ここから機体が裂けて、外に放り出されることはないやろな、エアポートシリーズの映画みたいに」

などと不安に駆られながら、私の三回目のミャンマー旅行が始まったのであった。

つづく

JAF会長の新サービス

2007年01月18日 21時45分36秒 | 映画評論
「ここ入ったとこなんだよね。夫婦バラバラ殺人のあったマンションは」
車に乗って東京都内を走っていたら同乗していた会社の部長が教えてくれた。
尤も、昼食を食べに行く途中だったので、
「ちょっと、小林製薬の入れ歯洗浄剤のコマーシャルじゃないんですから、そんな話題止めましょう」
と話を遮ったのは言うまでもない。

それにしてもモラルを逸した狂気な事件が多すぎる。
「妹を殺して死体を解体。胸部と陰部は切り取ってポケットに入れて持ち運び。」
「自分の子供にトウガラシを大量に飲み込ませて窒息死」
「子供を歩道橋から放り投げ」
「焼き肉屋の店主を殺して店の冷蔵庫に保管して、そのまま一週間も焼き肉営業」
「期限切れの食材つかってもバレないよ、とウソのコンプライアンスで商品出荷の洋菓子屋」

チャン・イーモー監督の初期作品「紅いコーリャン」で日本兵が中国人の生皮を剥ぐシーンがあって、それを見ていた私は「あんな残酷なことはあり得ない。だいたい日本人は一部の人を除いて動物の皮の剥ぎ方なんて知りもしない」と中国映画のウソを否定していたが、その自信が揺らぎそうな状況だ。

世の中、こんな案配だから他にも世間の常識から逸脱するヤツが出て来ても不思議じゃない。

「すいません。鍵をつけたままロックしちゃいました」
の呼び出し電話でやって来て、いとも簡単に自動車のドアを開けてくれるのはJAF。
財団法人日本自動車連盟のサービス至れり尽くせりで有り難い。
たとえ豪雨で立ち往生していても、たとえ豪雪で動けなくなっても、黙々と救助にはせ参じてくれるのはJAF。

この「頼もしい」JAFに新たなサービスが加わった。

「マウジー」というブランドで有名な株式会社フェイクデリックのオーナー河瀬義昭容疑者(34歳)は大麻所持で執行猶予中にタクシーに追突、相手に怪我を負わせて逃走するという事件を起こした。
その後、逃げたことにめちゃくちゃ反省した結果、自分の身代わりに社員を警察に出頭させて解決を図った。
で、世間を欺こうとした謀略は見事に外れて本人は逮捕されて起訴されたが、その判決が面白い。
「実刑にしたら1000人を超える社員が路頭に迷うじゃないか」
という理由で、執行猶予付きのゆるゆる判決が下された。

社員が1000人も居る企業なら、社長の代わりを務める社員はいくらでもいるのが普通だが、なんせ「マウジー」なので、社長がいないと意味がないというわけか。

このゆるゆる判決を下させた理由の1つ、株式会社フェイクデリックのコンプライアンス委員会の理由が洒落ている。
つまり「反省しているから許してね」というやつだ。
で、この「反省しているから許してね」と社長の罪状軽減を画策したのが現JAF会長の田中節夫元警察庁長官だ。
この御仁。
事件を知ってか知らずか不明だが、JAFの会長を務めながら事故後で判決直前の昨年末に同社のコンプライアンス委員の委員長を兼任していたと言うのだから、笑わせる。

事故を起こして怪我人だして、逃走したならJAF。
「すいません。人、轢いちゃったんで救援お願いします」
と電話をし、救援を頼んだら麻薬でラリッタ前科持ちでも、金さえあればナマヌル判決でへっちゃらさ。
というわけか。

ともかく、年会費数千円でマイカーの支援と犯罪支援もしてくれるとは有り難い。
JAF会長の犯罪支援は、保険会社に対抗する新しいサービスなのかもわからない。

団塊の世代とNPO

2007年01月17日 23時30分31秒 | 社会
先日とあるNPO活動に凝っていらっしゃる60代の人と話す機会を得た。
で、氏がおっしゃるには「政府のできない仕事を私たちがやってます」「社会の役にたってます」「市民のことを思っています」ということなのだが、どう見ても道楽半分、迷惑半分、ごり押し半分といったところの活動で、「もしかしたら、周囲は迷惑しているのかもわからんな」というような代物だった。

お題目はご立派だけど、ちょっぴり何かが狂っている。

そんな共通点があるのが60代を中心とする団塊の世代(全てが、ということではありません)の活動だ。

団塊の世代が今年あたりから大量に定年時期を迎えるということで、様々な方面での活躍やビジネスが期待されている。

「現役時代の技術を生かして後任の指導に励む」
「趣味に連結した音楽教室や実費出版業界が賑わう」
「スポーツジムやカルチャークラブで自分の知識や体力を鍛える」
などなど。

退職後のお楽しみはたくさんだ。

NPOやNGOの活動もその1つ。
「社会に献身できて、自分たちの主張も発揮でき、政府からも『公認』を貰えるから正々堂々と振る舞える」
とか。

しかし、その実態はNPOと言う名の似非政治団体であったり、NGOという名の反日社会活動家の集団であったりすることが少なくない。

で、はたと思った。
もしかするとNPOやNGOの活動は学生運動の延長戦なのかも分らない、と。

そういえば学生運動も、学生時代のやり残し「ギター演奏の講習」や「バンド活動の再開」や「自費出版での主義主張」なんかと同じものなんじゃないかと思えてくるので、不思議である。

ホームレスと報道と

2007年01月16日 22時20分59秒 | テレビ番組
日曜夕方放送されているNHKの「海外ネットワーク」という番組は「今週の世界を伝えます」というコンセプトは、とても良い。
ところが取材が中途半端なうえに偏っていて、何を言いたいのか分らないことも多く、同類なのに宿敵の朝日新聞の主張と同じように的を外していることも少なくない。
結果として、見ているこっちは腹が立ち「受信料なんて、誰が払うねん」ということになってしまう。

一昨日放送された「海外ネットワーク」では、フランスのパリの路上で生活するホームレスについてのレポートが放送されていた。
フランスではここ数年、所得格差が拡大し、失業者数が増加。
その結果、パリ市内で職と家を失い路上生活者となる人たちが増加の一途をたどっているという。

この社会の危機的状況に政府は打つ手を知らず、この怠慢な政策に不安感を持つ若者が昨年の暴動へと発展したことも記憶に新しい。

番組では路上生活者を支援するNPOがパリ市内の運河のほとりでテントを敷設し、路上生活者の生活を体験するというイベントを開催したことを中心にレポート。
イベントの支援者や、参加者の声を中継放送とビデオ取材を使って説明をしていた。

「なんだかオカシイレポートだな」と思ったのは、路上生活者の一人のインタビューが流れた時だった。
「私は清掃局に勤めていますが、家を火災で焼き出され、新たな場所を探すことができないので、家族を女房の実家に戻し、私はこうして路上生活をしながら仕事を続けています」
というものだ。
NHKのレポーターはこの路上生活の中年男の収入が月額20万円程度だとアナウンス。
20万円という低所得だからパリ市内ではアパート借りることはできないのだという。

そりゃNHKの職員ともなれば月給20万円ということはないだろう。
だから月給20万円の路上生活者を見れば「乏しくて、可哀想」と思うのかも分らない。
しかし、待て。
月額20万円も受取っているのであれば、世界一物価が高いと言われる東京や大阪でも、贅沢を言わなければ、住めるところはいくらでもある。
パリは東京よりもゴージャスだから20万円では生活することができないのか?

番組は最後まで「高い、高い」と言うばかりでパリの不動産価格を伝えることはなかった。

明けて昨日。
大阪市が長居公園を不法占拠しているホームレスに対し退去命令を交付した。
これに対し、「収容施設は刑務所と変わらない」とか「プライバシーが守れない」などと言ったインネンをつけて市側に抗議しているホームレスやその支援者をNHKによく似た思想の「市民新聞」なるものが伝えていた。
仕事もしない、市の指導にも従わない、だからと言って強制撤去に踏み込むと「権利」をかさに「支援者」と名乗る変な奴らと徒党を組む。

これを見ていてふと思ったのだが、パリの不動産価格を伝えなかったNHKは、もしかするとホームレスの報道を神聖視するともりだったのか、と疑いたくなってくる。

鳥インフルエンザのホントの疑惑

2007年01月15日 22時19分26秒 | 社会
宮崎県の養鶏場で鳥インフルエンザが発症し、多くの鶏が処分された。

養鶏場は個人経営が多く、しかも価格も安いので悪戦苦闘しているのが普通なので、そこに病魔が襲いかかるとひとたまりもない。
数年前に兵庫県で発生した鳥インフルエンザでは経営者が病魔発生の報告を怠ったために被害が拡大し、結果的にその経営者は自ら命を絶つという、自業自得ながら気の毒な事件があった。

ところで、今回の鳥インフルエンザ騒動で気になることが2つある。
その1つ目は、九州を始め全国各地のスーパーなどの小売店で「うちの商品は宮崎産ではありません」との表示をするな、という行政指導。
宮崎県産に対する風評被害を無くすためだというが、消費者の安全は無視するのか。
消費者にはその商品がどこで作られたのかということを知る権利が有り、それが病魔の発生した地域に属するか否かを当然知るべきだ。

どうせ「○○産」なんて表記をするのだから、「宮崎産ではありません」と書いて何に不都合があるのだろう。
同じことじゃないだろか。

もうひとつは、鳥インフルエンザは昔からある、かなりポピュラーな病気じゃないかということだ。
ここ数年、大々的に伝えられるようになってきたが、本当は何千年、何万年も昔から鳥たちの間では「あの病にかかったらあきまへん」と語られていた病気ではないかと思えるのだ。
というのも、あまりに世界各地様々なところで発生する病気なので、発症しだしたのはつい最近で、とても危険とアピールし、製薬会社とそれにぶら下がっている政治家先生やお医者先生ががっぽり儲けるシステムを作っただけじゃないかと思えるのだ。

ともかく、人騒がせで残酷な病魔、鳥インフルエンザ。

「トンネル工事でカナリアの入った鳥カゴを鉱内に持ち込んだら、カナリヤが死んだので、あわててトンネルから逃げてきたら死因はインフルエンザだった。
なんて笑えない笑い話が広がりそうだ。

江戸・深川ラーメン

2007年01月14日 20時17分12秒 | 食文化
私の好きなラーメンはタイのバンコクにあるラーメン亭の塩ラーメンと、大阪なんばの千日前OSビル地下一階にある大洋軒の味噌ラーメンだ。

前者はタイへ行く時の楽しみの1つになっているくらい美味しい塩ラーメンで価格は確か一杯100バーツ(約300円)。
焼き飯と焼き餃子、アサヒビールを一緒に頼んで味わうことに決めている。
タイ料理に飽き足り、暑さにばてた時には最高なのは言うまでもない。

大洋軒は高校生の時に友達が教えてくれたラーメン屋。
確かスターウォーズだったか、レイダースだったかを見に行く前に「腹ごしらえしようや」と入ったのがここだった。
なんといっても歴史があるだけに店は少しばかりお歳を召しているものの、味はピカイチ。
それに安くて昼はおにぎりが無料でついているので嬉しい限り。
TM何とかというバンドのメンバーがデビュー前に贔屓にしていた店だったと言うことで、ここ数年はそのTMなんとかのファンの女の子がやってきて、ラーメンを美味しそうに啜っている。
お歳をめした内装の店と、ちょっとオシャレなお上りさんの女の子のギャップが、これまた面白い。
ちなみに味噌ラーメンは確か一杯630円。

で、このたび私に「美味い!」と感じさせたラーメン屋が1つ加わることになった。
店の名前は「江戸っ子ラーメン」。
先週、東京へ出張した時に永代橋近くのこの店を見つけた。

店はお世辞にも「美しい」とか「オシャレな」というような店ではない。
「夕食は何を食べようかいな」
と思って歩いていると、あさりラーメンなる手書きのポスターを貼り出している小汚いラーメン屋を見つけたのが、ここだった。

ずっと昔、私は以前勤めていた会社で東京に出張するたびに、上司に東西線門前仲町駅近くにある赤ちょうちんにつれていってもらったのだが、私はここの「深川せいろごはん」というのがお気に入りで「東京で唯一美味いもの」という認識を持っていたのであった。
その経験から「あさりラーメン」というポスターを見て「これは美味いに違いない」と直感た。

店は伝統的なカウンターしかないラーメン屋なのだったが、置いている雑誌や書籍、食に対するノガキが少しばかり変わっていた。
つまり、この店にはマンガや新聞は置いておらず、マンガの代わりに科学雑誌「ニュートン」が置かれていて、新聞や単行本の代わりに「量子.....」だとか「宇宙....」という小難しい科学読み物が置かれていたのだ。
「だれが読むねん」
と心の中で呟きながらメニューの裏を見て見ると、そこにはラーメン作りと、全ての料理の元になる「水」についての独自の説明が記されていたのだった。
それも読む気が失せるような細かな文字でA4サイズの紙にビッシリと書かれていたのだ。
「こりゃいかん、店選びを間違ったか」
ふとそう思ったがもう遅い。
なんと言っても注文を済ました後だったからだ。

ともかく腹を据えて「ま、ともかく食ってみっか」と待つこと数分。
デカイ丼に入ったあさりラーメン、つまり「江戸・深川ラーメン」が出て来たのだ。

「ともかくスープの味を」と一口すくって飲んでみた瞬間。私はマンガ「ミスター味っ子」に出てくる紋付き袴の食評論家「味王」になっていたのであった。
つまり「お・い・し・い・ぞ~!」
と心の中で叫んでしまっていたのだった。

あさりの量もたっぷり入り大満足。
麺は縮れ麺で腰が有り、スープが絡まってこれまた、
「う・ま・い・ぞ~!」
店主の主張する通り、水が良いのかも知れないが、あさりが醤油味のスープにマッチして絶妙の味わいだったのだ。

東京の美味いもんは下町にあり。

ただし値段だけは上記2つの店の中で一番高価な¥850であった。
でもあれだけのあさりの量。
¥850は安いかも。

なお、ここはチャーシューも絶妙だ。

航空料金の表記は詐欺か?

2007年01月13日 21時44分12秒 | 社会
「お客様。。誠に申し訳ありませんが、燃料代および空港使用料で別途に16000円をお支払い頂く必要があるのですが、よろしいでしょうか?」

昨年末に貯まったマイレージのうち8000マイルが期限を迎えるということなので、12月29日に慌てて航空券を申し込んだ。
行き先は「台北市」。
台湾の首都である。

一昨年も同様のマイレージ期限切れが起こったので、是非行ってみたいと思っていた李登輝先生の国の首都「台北」を申し込むと「満席です」とのそっけない解答。
「じゃ、○月○日はどうですか?」
と訊ねてみたら、
「それも満席です」
と断られた。
この時、航空会社の説明は「台湾は大人気の地域で座席の確保が難しく、申し訳ありません」とのことだった。
仕方がないので、北海道に行くことにしたら、いとも簡単に行き帰りの座席の確保が完了した。
その代わり、滞在費、移動費、食費その他で多大な費用がかかってしまい、大阪に戻ってきてから「ああ、エディポイントに還元したらよかったな」とちょっとばかり後悔した。

で、今回も「どうせ満席だろう」と思っていたのだが、ダメもとで試しに申し込んだら「空いてますよ」との明るい返事。
ちなみにタイのバンコク行も空いていたが、休みが2日しか取れないので、こっちは諦めることにした。
「じゃあ、台北行きを申し込みます」
と言ったら、冒頭の「追加料金」の話に旅の手続きのステップは進んだ。

国際航空料金は原油価格の高騰を理由に「燃料代」を別途徴収するのが現在一般的だ。
台湾への正規料金はマイレージで無料だが、追加の燃料代と関空と中正国際空港のタックスを別途請求するぞ、と言うわけだ。

このわけの分らない料金システムはなにもマイレージ特典の話だけではない。
普通の格安航空券も「別途燃料代」が必要になる。
例えば関空~バンコク往復¥29800のチケットも別途¥20000ほどの燃料代がかかるので、結果的には¥49800という、なんら変哲もない料金になってしまう。

これって詐欺ではないのか。

旅行代理店の掲示板に掲載されている料金も、インターネットや旅行情報誌に掲載されている広告にも、全て別途燃料代が必要になる。
つまり掲載(または表示〕料金はウソばかり。

こういう、予測困難な追加料金請求という「疑似詐欺行為」で航空会社は多大な利益を上げているのではないかと、ついつい勘ぐってしまうのも人情だ。

はんなり菊太郎のエンクミ

2007年01月12日 22時14分17秒 | 音楽・演劇・演芸
東京出張中の昨日夜、何気なくテレビをつけたらNHKで時代劇が放送されていた。

「新・はんなり菊太郎」

「新」と付くからには以前放送されていたドラマの続編なんのだろうかと、ベットに寝そべって見ていると、時代劇なのに関西弁。
しかも関西弁の中でも最も品がある(剣がある、ともいう)京都弁なので小さな画面にググッと惹きつけられた。
時代劇はたいていの場合、お江戸が舞台になることが多く、おまけに昨夜は門前仲町にあるホテルに宿泊していたので、京言葉の時代劇と、一般時代劇の舞台によくなる深川・門前仲町とのギャップで思いっきり妙竹林なライブ感があったのは言うまでもない。

で、最初の数分だけ観賞してすぐにスイッチを切ろうとしていたら、私の好きな女優の南果歩が現れた。
もちろんセリフも京言葉。
京言葉で女優が話すと、女性の魅力はさらに高まる。
それにこれって喜劇みたいだぞ、とも気づいた。

鬼平犯科帳のエンドタイトルで出てくる東寺の五重の塔も、このドラマではお江戸でなくて京の町。
だから東寺も東寺で出ているのだ。
「おお、なんとなんと。生やんけ」
私はだんだん楽しくなってきた。

ストーリーはお公卿さんが絡んだり、公事宿なんてちょっと毛色の変わった宿屋が出て来たりと面白い。

「BK(NHK大阪放送局)がドラマを作ると面白いものができるというジンクスがある」
というようなことを20年ほど前に私に教えてくれたのはBK美術プロデューサーだった川上先生。
まさに「新・はんなり菊太郎」はBK製作の時代ドラマだった。

でもこのドラマを見ていて一番驚いたのは元公家のお姫さまを演じていた遠藤久美子だった。

はじめ、私は「ずいぶん綺麗な女優だな。目のあたりがちょっとエンクミに似ているけど。まさかこんなおしとやかではないだろう」と思っていたが、エンドタイトルを見てみると、やっぱり遠藤久美子だった。

私は遠藤久美子というと、未だにマクドナルドのコマーシャルやバラエティー番組を思い出してしまう若きオッサンなのだ。
だから時代劇に登場したエンクミは、まさに「お公家のお姫様(「おひめさま」ではなく「おひいいさん」と読む)」としか言い表しようのない美しさなので、ドラマの面白さももちろんのこと、かつての2級アイドル「エンクミ」が現在第1級品の美しき女優になっていることにビックリしてしまったのだった。

京言葉が南果歩はもちろんのこと、遠藤久美子をも清楚な女性に演出してしまうことにも驚いた。
本当に清楚だったが。

銘菓・ちりとてちん

2007年01月11日 19時57分08秒 | 音楽・演劇・演芸
今年秋スタートのNHK朝の連ドラのタイトル決定。
その名も「ちりとてちん」。

福井から大阪に出てきた女の子が落語家を目指す、というストーリーだそうだが、この脚本家はもしかすると「ちりとてちん」の音だけ聞いて「面白そう」と決めたのじゃあるまいな。

「ちりとてちん」は知る人ぞ知る銘菓の名前。
食通の某Y氏なら食べたことがあるかもわからない(笑・かつ内輪ネタ)。

この話。
上方落語では前座に近い噺家がよく演じるポピュラーな演目の一つ。
なかなか面白い話なのだが、品の良い話ではないわけで、朝の早くから「ちりとてちん」は、あまり爽快とは言い難い。
つまり「食事時の小林製薬やTOTOのCM」に匹敵するババッチさ。
この話、私は「らくだ」や「手水回し」と並ぶ「きちゃない」話だと考えているのだが、いかがだろう。

ま、看板番組の紅白歌合戦に全裸もどきのパフォーマンスを平気で流すNHKのことなので、「ちりとてちん」ぐらい、何者ぞというネガティブな決意が見え隠れして興味をそそる。
落語をドラマにするわけでもないので、心配することもないのだが。

それにしても、女性上方落語家誕生物語。
私の読んだ記事には主演女優の名前は書かれていなかったが、まさか「桂あやめ」とか「桂すずめ」とか「露の都」とか「女装した林家染雀」じゃあるまいな。

なお、もし主演が「桂すずめ」やったら、演技はうまいが「若い少女」は演じるの難しいので(露の都はもっと難しく不可能だし、あやめと染雀でも気色悪い)、そういう年齢のハンディキャップも得意の「舞い」でごまかすかも分からないが、それはそれで米朝一門会みたいでおもろそう。
(以上、管理人の勝手な発言でした)

海の当たり屋

2007年01月10日 22時09分27秒 | 国際問題
昔、建築現場のアルバイトで不慣れなヘルメットを被って新築ホテルの機械室をほふく前進している時、
「お~い、こっちやこっち。モンキー(と言っても猿ではない。モンキーレンチのこと)、持ってきて」
と雇い主の設備屋の職長が私に言った。
「ハイ」
と言って少し頭を上げたら頭のてっぺんが配管のつなぎ目に「ガチン!」と当たってクラクラして脳震盪になった。
ヘルメットを被っていなければ、頭から血が吹き出ていたに違いない。

ちょうどそんな感じなのだろう。
アメリカ海軍の原子力潜水艦がアラビア海で川崎汽船の超大型タンカーにぶつかって「ゴメン」とも言わずにとんずらした。

調査によると、アメリカの潜水艦は潜航航行中で、タンカーの最上川丸に追突。
「大丈夫か」
「大丈夫」
とだけ確認したら、
「ほな、サイなら」
とそのままトンズラ。
驚いたことに、これも新聞報道によると、
「破損状況は作戦を継続しながら確認する」
と自分のことしか念頭にないようで、民間タンカーの心配なんてちっともしない。
日米同盟が聞いてあきれる。
もっともタンカーは30万トンの大きさで、潜水艦は8千トン。
タンカーにとっては、ヘルメットをぶつけられた配管の継ぎ目ぐらいの損傷でしかなかっただろう。

ところで、今回のニュースを耳にして驚いたのは、アメリカ海軍の原潜は意外とボロ船だったということだ。
今回ぶつかった原潜の就役は1987年。なんと20年も昔に就役した軍艦で、もしかすると歳をとりすぎて目が見えなかったのではなかろうか。

確か日本の軍艦にそんなにボロイ船はないはず。
海上自衛隊の潜水艦は全部で16隻。
イ号潜水艦の血を引く高性能で、今も秘密が一杯だ。
だから製造メーカーは限定されて三菱重工と石川島播磨が交互に毎年1隻づつ建造し、毎年1隻づつ就役させては退役させているはずなので艦齢20年はないはずだ。(このあたり、軍艦マニアからツッ込まれそうなので心配だが)

ボロ船海軍。
だからハワイや宮崎、そしてアラビア海での追突なんてへっちゃらさ。
当たり屋、アメリカ。

安全のために日本の船はソナーと水雷を備えた方が良さそうだ。