夢の超特急は０系新幹線だけの称号

JR岡山駅で広島行きの「のぞみ号」に乗るためにホームに上がったら、なんと懐かしの０系新幹線が止まっていた。
しかも塗り直された「昔の色」で。
パンタグラフを覆うカバーがちょっと余計な感じがするものの、あの懐かしい新幹線車両が止まっていると、テツではない私でも胸がときめくのだ。

なんといっても昭和38年生まれの私にとって「夢の超特急ひかり号」とは0系新幹線。
♪青い光のちょーとっきゅー！
というのはこの車両以外には考えられないのだ。

残念ながら岡山駅に停車していた０系は「こだま号」だったが、私が生まれて初めて幼稚園児の時に乗車したのも「こだま号」だったので懐かしさと言うことに関しては大いに満足なのであった。

それにしても、今改めて観察してみると美しいフォルムだ。
同じ風洞実験設備で誕生した新幹線とは双子の国産旅客機YS11と似たような「顔」なのもなかなか良い。
こう眺めていると、現在増殖中の最新鋭新幹線N700系はなんとブザイクなデザインなのだろうか。
0系の優しげで穏やかな（最後尾なので疲れていのかちょっと目が充血していますけど）表情と比較して、オオサンショウウオのような両生類かワニのような爬虫類か分からないような表情のN700系車両はヒジョーに冷たく目に映るのであった。

0系は窓が大きいのも良い。
N700系のヒコーキのようなちっこい窓は、列車の窓とはとても言えない。
窓のちっこい電車でなにが「快適性を求めた省エネ車両」じゃ！と叫びたいくらいだ。
ヒコーキでも最新鋭のA787などは窓を大きくしようと努力しているのに、時代に逆行しているということが分からないのか。

「でもこの設計は最新の技術で計算されているんです。先頭のデザインはコンピューターで作り出した理想的な形状なんです」
なんて言葉がエンジニアから聞こえてきそうだ。
でも、あの出来損ないのデザインをコンピューターのせいにするエンジニアがいたとしてら開発元のJR倒壊のセンスを疑わねばならない。

円いボンネット。
青いライン。
大きなお目目。

間もなく完全引退の0系新幹線。
「夢の超特急」は０系新幹線だけの称号だ。