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とりがら時事放談『コラム新喜劇』



日本人の中にも、中国を兄の国として慕う人が少なくない。
仏教にしろ、文字にしろ、医学にしろ、建築技術にしろ、日本にやってきたのは中国からというわけだ。
だから与党系某新興宗教団体のあの人も、
「中国は尊い」
と、日本を否定することに躊躇が無い。

確かに、中国は日本にとって文明をもたらした大きな存在であることに違いは無いだろう。
法隆寺を立てたのも、律令制度を設計したのも、文書で歴史を残すことができたのも、みんなその基盤となる技術が中国から伝わったからなのだ。
でも、文明というのは果たして技術のことを言うのだろうか。
技術はあくまでもツールの一つであり、文明はそのツールを使って、どのような幸せで健全な社会を構築するのかというのが文明ではないだろうか。
そういう意味において中国は文明はない。

煙をモクモクと吐き出す工場に自動車。
一寸先は闇という言葉は中国のために作り出されたのではないか、と思えるほどの光化学スモッグ。
その度合いは既に常軌を逸していて、遠く海を越えて日本まで流れてきているのだという。
これからの季節、黄砂が日本に降り注ぐ。
自動車をドロドロにし、洗濯物を乾かす前から汚れさす。
山の稜線は薄く黄土色でかすんでしまい、たまに飛行機さえ遅れることもある。
その黄土に混じって、今年はミクロの公害が飛んでくるのだ。

公害は空気だけではない。

土壌には水銀やカドミウムが混じっており、そこで育った農作物に含まれて日本へ送られてくる。

週刊誌の報道によると、中国から大量に輸入されつつある米には、これら化学物質がとけ込んで、牛丼チェーンの大盛り、特盛、並などのどんぶりを通じて日本人の体に取り込まれているというのだ。
そして川の水は言うに及ばず。
黄河、長江など、日本人の印象では「悠久の流れ、中国4000年の歴史」なんてイメージが浮かんでくるが、実際は巨大で長大なドブ川なのである。
そのドブ川から流れてくる大量の汚染土砂は南シナ海や東シナ海に流れ込み、日本人や台湾人などが好んで食べる魚介類を危機にさらしているのだ。

中国がもたらした仏教はすでに中国ではメジャーではない。
社会に都合の良い儒教を尊び、哲学的要素の強い仏教は共産主義をないがしろにする邪悪な宗教として制限されている。
それが証拠に仏教国チベットは漢民族にる容赦のない弾圧にさらされている。
また漢字は破壊されて残骸しか残っていない。
台湾に残る漢字と比較すると、その骨格さえも残っていない簡体文字は、漢字の残骸以外の何者でもない。
医学については東洋医学は確かに中国のものだが、それを発展させているとは言いがたいし、19世紀以降、日本での医療は西洋医療が主である。

繰り返すが、文明とは、技術や教育を文化の発展に活かし、倫理観の向上と人々の幸せに用いる環境のある人の集まりを言うのではないだろうか。

中国の経済発展はあらゆる意味において、世界の不幸以外のなにものでもない。
普通はどこの国でも経済力が高まれば、もともと持ち合わせている倫理観も高まるものだが、中国にはそういう雰囲気がまったくない。
経済力はすなわち力の象徴であって、その力が強くなればなるほど好きなことをやっていいと思っている。
まるで滅亡前のローマ皇帝のごときである。

それでも、中国の人々は環境改善をする気はさらさらないようで、汚染されているのをいいことに「きれいな空気の缶詰」なんか販売してお金儲けにいそしんでいるぐらいだ。
その空気もきれいかどうかわかったもんじゃない。

中国が文明なら、未開の方がよっぽど平和で環境に良い。

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