とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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ゴルフのこだわり

2007年05月27日 16時25分11秒 | スポーツ
約5年ぶりに社内コンペに参加した。
5年経過してはっきりと分ったのは、5年間の間、一度もクラブを握っていないと、ちっとも上達しないことだ。
まったく練習せずにタイガー・ウッズになることはできないらしい。
また練習したからといってタイガーウッズになれるわけもない。
いずれにしろタイガーウッズにはなれないということだ。

しかも今回はさらに恐ろしいことが判明した、

以前であれば、社内コンペに参加しなければならないとなると、少なくとも一回ぐらいは事前に家や会社の近所にあるドライビングレンジ練習場へ出かけて打撃練習を行っていた。
ところが、今回は仕事が忙しくて、ちっとも練習場に足を運ぶことができなかった。
したがって、クラブへ着いてから5分間ほどパッティング練習はしたものの、ティーショットのリハーサルはまったくしなかったのだ。

結果的に、第1打は空振りをした。
思わず素振りをした振りをしようとしたが、無理であった。
思いっきり力を振り絞って素振りをするドジもいない。

従って見るも無惨なスタートとなったのだが、最終的なスコアが事前に練習した前回のコンペより若干だが「マシ」だったのが不思議である。

この事実は「練習をしてもしなくても『結果は同じ』」ということを意味しているのと同時に、私には「ゴルフの素質はまったくない」ということも意味していると宣言してもいいだろう。
また練習をしてもしなくても同じスコアということは、このスコアは私にとっては「絶対スコア」。
物理学における絶対温度みたいなものであることも同時に判明したのであった。

それにしてもゴルフは金のかかるスポーツである。
社内コンペといっても、プレー費や交通費を会社が負担してくれるものではない。
負担してくれるどころか交通費は実費で参加費までとる。
だから一回ゴルフに参加するだけで途方もない金額がかかってしまうことになる。

例えば昨日の場合、私の自宅からコンペ会場である兵庫県の某カントリークラブまで往復の高速道路料金が3200円。
距離にして往復150kmくらいなので、私の愛車「シビックH10年型」でのガソリン代は約14リットル×135円で1890円。消耗費を考えれば約2000円。
昼食を含めたプレー費が約18000円。コンペ参加費が3000円。馬券と称して順位をあてる強制ギャンブルが2000円。
合計28200円もかかったのだ。

これは私の通っているコナミスポーツクラブの3カ月分に相当する金額で、ゴルフは非常に単価の張るスポーツということができる。
さらに言えば、ゴルフはスポーツとも言い難いものもある。
体を動かすのはスウィングする時とOBのボールを探しに行く時、昼飯を食べる時、風呂に入る時ぐらいで、実際の移動は電気自動車に乗って移動するのでほとんどスポーツとは言えないくらいなのだ。
ゴルフをする人はよく老人のやるゲートボールを馬鹿にするが、もしかするとゲートボールの方が消費エネルギーは高くスポーツ性も勝っているのかも分らない。

また、ゴルフは道具にお金がかかるスポーツでもある。
私のゴルフクラブは父から譲り受けた無料の中古クラブだ。
しかし、無料といってもそれは「私にとっては」というだけの話で、私にクラブセットを譲渡することを理由に父は新しい高級クラブを買い求めた。
「オマエもゴルフぐらいはやらんといかん。仕事にゴルフは必須だ」
と父は言っていたのだが、要は自分が新しいクラブセットを買うための口実が必要なだけであったのだ。
同じ高級クラブなら、私はゴルフよりも新地や銀座のほうがいい。

ともかく私は中古だが、会社のみんなは結構高価そうなクラブを持っていた。
ピカピカ光るクラブヘッド。
ブラックに光沢が輝く飛行機と同じ材質のシャフト。
高級そうなゴルフバック。
住友ダンロップ社製のゴルフボール。

しかし、どんなクラブにでもプレーする人のゴルフの実力を効果的に高めるという性能はないことは、プレーがはじまるとすぐに理解することができる。
そして、そこそこ下手糞な人ほど、高級クラブを欲し、テクニックよりもクラブの銘柄、素材、価格、設計者にこだわるのだ。
これは丁度「カメラが好きだから」という理由で、退職金をはたいてニコンのD200やキャノンのEOS-1を買ったのはいいが、機材が重すぎたり、操作方法がよく分らず、写す写真は凡写真。
誕生日に買ってやったバカチョンで幼稚園児の孫がシャッターを押した写真の方ができが良かった。
なんていう笑えない団塊オヤジの俄カメラマンと共通点がある。

ということで、久々のコンペは人間観察を楽しんだ1日だった。
でも1番楽しかったのは狭いカート道をちまちまとハンドルを捌きながら走る電気自動車「カート」の運転であったことは言うまでもない。
なんといっても、ミスタービーンになったような気分になったからだ。