とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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英会話スクール

2005年02月06日 20時24分55秒 | エトセトラ
英会話を習い始めて先月でまる14年が経過した。
14年は経過したが、それに見合った実力がついていない、という実感が年ごとに高まっている。
「だんだん下手になっているのではないか」と疑問を感じれば感ずるほど、一応TOEICのポイントが数年ごとに数十点づつ上がっているところをみると、語学というのは剣術に通じるところがあるのかも知れない。
「周作先生! 剣の道とは、つまりどのようなことでしょうか?」
「それは、おのれを知ることじゃ。」
ということらしい。

英会話を習うのが一頃はかなり流行っていた。
バブルがはじけて有名な会社の幾つもが外資に買収され、「会議は英語でする」というようなケースが増えたことも原因しているのだろう。
このため猫も杓子も英会話スクールを目指すようになったのだが、その英会話スクールの実態は、入学してみるまでよくわからないことが多い。

かつて私は主要な駅前にはかならずあるという大手のスクールに通ったことがある。
初めて英会話を習ったスクールがやたら高額であったため、ここは比較的感じられたし、有名だから高いクオリティーを期待して入学したのだった。しかし実際はとんでもないところであった。
まずレッスン時間が短かった。
最初契約時、50分であったレッスン時間がやがて45分に短縮され、最終的に40分になってしまった。これでは挨拶をしているうちにほとんどレッスン時間が終了してしまう。
そして、このスクールには講師の質にも問題があった。
私は最初のスクールでなんとか中の下というレベルまで上達していたのだったが、ここのレベルチェックで下から二番目の7Bというレベルに落とされた。とても屈辱的だった。
理由は、レベルチェックをしてくれた講師が、何を言っているのかまったくわからなかったからだ。
私をレベルチェックしてくれた講師はテキサス州ヒューストンの出身でバリバリの南部訛りだった。
最初のスクールで飲み仲間となったボストン出身のアメリカ人に相談すると、「テキサス出身なら、私にも何を言っているのかわからないわ」と言われた。
この大手スクールのレッスンではテキサスの他にオーストラリア、スコットランド、イスラエル、南アフリカなどバラエティーにとんだお国言葉に悩まされることになった。
「色んな訛りの英語を聞いてこそ、学習になる」という人もいるかも知れないが、もし日本語を習うとして、レッスンごとに大阪弁、東京弁、名古屋弁、津軽弁、鹿児島弁で話す講師がいたらとどうなるか、想像するまでもないのである。
さらに、ここは大きいだけあって不良講師がたくさんいた。
このスクールにはチケット制のサロンがある。時間無制限のこのサロンで英語漬の経験をしてスキルアップを狙おうという趣向なのだ。
ほとんどは、ごく普通の当たり障りのない話題の会話なのだが、中には延々と寮や給料の愚痴を生徒にこぼす講師がいたり、フランス語が得意だからと、突然フランス語を話し出す講師がいたり、あげくの果ては綺麗な女生徒がいると言い寄る講師がいたのには、本当に困ったものであった。
レッスンの有効期限が近づくと、スタッフが執拗に契約更新を求めてくるのも鬱陶しかった。

14年間の英会話学習歴で学んだこと。
今もって、それはよくわからない。ただ英会話でないことは間違いないようだ。
大枚叩いて変なスクールを渡り歩いてきた、「おのれを知った」ことだろうか。