16日(日)。わが家に来てから今日で3015日目を迎え、国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は13日、ロシア軍がウクライナ南部へルソンに「拷問センター」を設け、8か月ほど民間人への拷問や虐待を繰り返していたとする報告を公表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
トップが極悪非道のプーチンのロシアは 兵士がどんな残虐な事やっても 驚かない
昨日、午後3時からティアラこうとうで東京シティ・フィル「第73回 ティアラこうとう定期演奏会」を、午後6時からサントリーホールで東京交響楽団「第709回定期演奏会」を聴きました ここでは小雨振るなか出かけた 東京シティ・フィルのコンサートについて書きます
プログラムは①メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」、②ブラームス「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77」、③シューベルト「交響曲第6番 ハ長調 D.589」です 演奏は②のヴァイオリン独奏=MINAMI(吉田南)、指揮=高関健です
ティアラこうとう定期演奏会の会員として初めて聴くコンサートで、しかも新年度第1回目の公演です 自席はセンターブロックかなり前方の右から2つ目です。前過ぎたか
と一瞬 後悔しましたが、オケがステージの後方に配置されているので客席と適度な距離があり、不安が解消されました
オケは12型で、左から第1ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、第2ヴァイオリン、その後ろにコントラバスという対抗配置。コンマスは戸澤哲夫です
1曲目はメンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」です この曲はフェリックス・メンデルスゾーン(1809-1847)が、1829年にスコットランドのヘブリディーズ諸島へ旅行した際に、スタッファ島にあるフィンガルの洞窟を見た印象をもとに1830年に作曲、1832年5月にロンドンで作曲者自身の指揮で初演されました
なお、序曲といっても これはオペラの序曲ではなく、単独で演奏される演奏会用序曲です
どうでもいいことですが、20歳そこそこの青年が一人でスコットランド旅行できたのは、親が資産家だったからです
彼は幼少時から学校には行かず、あらゆる学問を家庭教師から習っていました
もともと芸術の才能があったとは言え、作曲家として最も恵まれた境遇にあったと言えます
しかし、良いことばかりとはいきませんでした
彼は38歳の若さで天国に召されています。モーツアルトは35歳だったし、シューベルトは31歳でした
天才は早死にします
高関健の指揮で演奏に入ります 序盤におけるチェロとコントラバスの低弦の重厚な演奏が「洞窟」の奥行きを暗示しているように響きます
弦楽合奏による渾身の演奏と管楽器による色彩感のある演奏により荒々しい海や洞窟の荒涼感が描かれました
2曲目はブラームス「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833-1897)が名ヴァイオリニスト、ヨアヒムの助言を得ながら1878年に作曲、1879年1月1日にライプツィヒでヨアヒムの独奏、ブラームスの指揮により初演されました
第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「アレグロ・ジョコーソ、マ・ノン・トロッポ・ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります
プレトークで高関氏は「学生時代、この曲が演奏したくてヴァイオリニストになろうと思い、一度だけ第1楽章だけオケをバックに演奏しましたが、あまりの難しさにヴァイオリニストになるのは諦めました
」と語っていましたが、現在の指揮者としての活躍を見ると、諦めて良かったと思います
ヴァイオリン独奏のMINAMI(吉田南)は奈良県出身。2014年に日本音楽コンクール第1位及び5つの特別賞を受賞。2015年にはシベリウス国際ヴァイオリン・コンクール入賞、2016年にはモントリオール国際音楽コンクール第3位など数々の入賞歴があります 現在、米国ニューイングランド音楽院にフル・スカラシップを得て留学中で、東京音楽大学アーティストディプロマコースにも特別特待奨学生として在学中です
MINAMIがローズレッド系のファッショナブルな衣装で登場、ステージ中央にスタンバイします 高関の指揮で第1楽章に入る時、彼女はニコッと笑みを浮かべました
「余裕だな
素晴らしい演奏になるに違いない
」と確信しました
オケが第1主題を演奏し、独奏ヴァイオリンが入ってきます
MINAMIのヴァイオリンは特に高音部のヴィブラートが美しく響きます
何より彼女の集中力が半端ない
高関 ✕ シティ・フィルの引き締まった演奏が良い流れを維持します
終盤におけるカデンツァはヨアヒムではなく、MINAMIの作曲によるものです
本人のツイッターによると、「実際に演奏してみたら、あまりにも難しくてビックラこいた
」そうです
かなり超絶技巧曲で聴きごたえがあり、彼女の作曲家としての才能を感じました
第1楽章の末尾が全曲の終わりのごとく堂々と鳴り響くと、フライングの拍手が起こりました ここで、MINAMIはニヤリとします
彼女は 多分「いいんです。良いと思ったら拍手をしてくれても
」と言いたかったのかもしれません
第2楽章冒頭は本多啓佑の良く歌うオーボエに導かれて、MINAMIのヴァイオリンが入ってきます
ニュアンスに富んだナイーブな演奏で、ここでも美しいヴィブラートが会場に響き渡りました
第3楽章は一転、愉悦感に満ちた演奏が繰り広げられます
独奏ヴァイオリンとオケとの丁々発止のやり取りが見事で、圧倒的なフィナーレを飾りました
カーテンコールが繰り返されます 何度目かにMINAMIは、アンコールを演奏すべきか、一旦 舞台袖に引き上げて出直すべきか、一瞬立ち尽くして悩んだ様子を見せましたが、結局その場でアンコールの演奏に移りました
こういう”天然”なところが彼女の魅力でもあります
MINAMIは、ヨハン・パウロ・フォン・ヴェストホフ「無伴奏ヴァイオリンのための組曲第6番」から「Allemande、Courante」を、いとも鮮やかに演奏し、再び会場いっぱいの拍手を浴びました
プログラム後半はシューベルト「交響曲第6番 ハ長調 D.589」です この曲はフランツ・シューベルト(1797-1828)が1817年から翌18年にかけて作曲、1828年11月にウィーンで初演されました
第1楽章「アダージョ ~ アレグロ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「スケルツォ:プレスト ~ ピウ・レント」、第4楽章「アレグロ・モデラート」の4楽章から成ります
高関の指揮で第1楽章に入りますが、重々しい序奏部から軽快なアレグロに移ります 曲想としては「清く 明るく 美しく」のハイドンの交響曲を思い浮かべます
第2楽章もハイドンの影響をもろに受けているように感じます
第3楽章は一転、ベートーヴェンの初期の交響曲を想起させる曲想で、力強さを感じます
第4楽章に入って初めてシューベルトらしい軽快で楽し気なメロディーが登場します
それだけでなく、いつ終わるのか・・・と呆れるほど、同じメロディーが繰り返され、さすがはシューベルトだなぁと苦笑します
この作品は「交響曲第8番”ザ・グレイト”」と同じハ長調で書かれているところから、「小ハ長調」と呼ばれることもありますが、同じメロディーの執拗な繰り返しの点でも共通しています
でも「破綻調」でなく「ハ長調」で良かったです
高関 ✕ シティ・フィルは、若きシューベルトの意欲を十全に引き出す演奏を展開しました
終演は17時06分でした 高関氏が舞台袖に引き上げると同時に退席し、雨の中を地下鉄住吉駅に向かいました
どうやらコンサートのハシゴは私だけでなく、10数人いたようで、それぞれ雨の中、急ぎ足で駅に向かいました
住吉駅から半蔵門線で永田町まで行き、南北線に乗り換えて六本木一丁目に向かいました
途中、大手町駅で乗り換えた人たちは渋谷のNHKホールでのN響定期公演とのハシゴ組でしょう
さて私は、18時からサントリーホールでの東響定期公演に間に合うのでしょうか? ・・・ 「その2」に続きます
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