人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

クァルテット・エクセルシオ ✕ クァルテット奥志賀でモーツアルト「弦楽四重奏曲第16番K.428」、ヤナーチェク「弦楽四重奏曲第1番」、エネスコ「弦楽八重奏曲」を聴く ~ 山田百子さん退団

2019年03月10日 07時23分43秒 | 日記

10日(日)。報道によると、2月末の米朝首脳会談で合意が見送られた後、北朝鮮のミサイル施設の動きが活発化していることが判明するなか、トランプ米大統領は8日、ホワイトハウスで記者団に対し「もし私が(ミサイル発射)実験を見れば、私は極めて失望するだろう」と述べ、北朝鮮をけん制したそうです 失望するなら誰でもできる。失望しなくて済むように対処するのが一国の大統領の仕事じゃないのか

 

         

 

昨日、晴海の第一生命ホールで「クァルテット・エクセルシオ ✕ クァルテット奥志賀」のコンサートを聴きました プログラムは①モーツアルト「弦楽四重奏曲第16番変ホ長調K.428」(クァルテット奥志賀)、②ヤナーチェク「弦楽四重奏曲第1番”クロイツェル・ソナタ”」(クァルテット・エクセルシオ)、③エネスコ「弦楽八重奏曲ハ長調作品7」(合同)です

今年、結成25周年を迎えたクァルテット・エクセルシオは ヴァイオリン=西野ゆか、山田百子、ヴィオラ=吉田有紀子、チェロ=大友肇というメンバーです が、プログラムに挟み込まれたチラシに「本日の出演者変更ならびに、山田百子(第2ヴァイオリン)退団のお知らせ」が載っていました それには次のように書かれていました

「本日は、山田百子(第2ヴァイオリン)が健康上の理由により出演できなくなりました。代演として双紙正哉が出演いたします。(中略)結成25周年を迎え、今後の活動のさらなる充実を期しておりましたが、この度 第2ヴァイオリンの山田百子が退団いたしました。メンバーとして15年間活動してまいりましたが、今後は自分のペースで新たに活動を続けることとなります。クァルテット・エクセルシオは、2019年6月の定期演奏会をめどに新メンバーとして北見春菜を迎え、引き続き演奏活動や後進の育成を通して、日本の室内楽の発展とクァルテット・エクセルシオ自身の進化を追求してまいります。引き続き応援賜りますよう、何卒、よろしくお願いいたします」

「西野ゆかさんの長期休養に次いで山田百子さんもか」と思っていたら、退団とはびっくりです 彼女は演奏が素晴らしいだけでなくドイツ語がペラペラなので他のメンバーが海外公演で頼りにしていたと思います 本当に残念です なお、後任の北見春菜さんはエクセルシオのメンバー3人と同じ桐朋学園大学の出身で、サントリーホール室内楽アカデミー第1期・第2期修了生です これにより、エクセルシオのヴァイオリン奏者の一人は 遠藤香奈子さん(現・都響第2ヴァイオリン首席) ⇒  山田百子さん  ⇒  北見春菜さんへと引き継がれることになります

また、今回 山田さんの代演を務める双紙正哉氏は同じく桐朋学園出身で、現在 遠藤香奈子さんとともに東京都交響楽団の第2ヴァイオリン首席奏者を務めています

一方、クァルテット奥志賀は東京藝大、桐朋学園大を卒業したメンバーが小澤国際室内楽アカデミー奥志賀で出会い、研鑽を積んで 2014年に結成した弦楽四重奏団で、ザルツブルク・モーツアルト国際室内楽コンクール2015で第1位となっています ヴァイオリン会田莉凡、小川響子、ヴィオラ=石田紗樹(今年から新メンバー)、チェロ=黒川実咲というメンバーから構成されています

 

     

 

自席は1階6列11番、左ブロック右から2つ目です。会場は1階席を中心に8割程度埋っているでしょうか

1曲目はモーツアルト「弦楽四重奏曲第16番変ホ長調K.428」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が1782年から85年にかけて作曲し、ハイドンに捧げた6つの弦楽四重奏曲(いわゆる「ハイドン・セット」第14番~19番)の一つです。第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート」、第3楽章「メヌエット:アレグロ~トリオ」、第4楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

クァルテット奥志賀の4人が、ピンク、白、薄緑色といった思い思いの鮮やかな衣装で登場、配置に着きます 左から小川、会田、黒川、石田という並びです。第1ヴァイオリンの小川さんを中心に緻密なアンサンブルが奏でられます それぞれがお互いの音を聴きながら演奏している様子が窺がえ、好感が持てました

2曲目はヤナーチェク「弦楽四重奏曲第1番”クロイツェル・ソナタ”」です この曲はチェコ出身のヤナ―チェク(1854-1928)が、トルストイの小説「クロイツェル・ソナタ」に触発されて1923年に作曲した作品です 第1楽章「アダージョ~コン・モート」、第2楽章「コン・モート」、第3楽章「コン・モート~ヴィーヴォ~アンダンテ」、第4楽章「コン・モート(アダージョ)」の4楽章から成ります

クァルテット・エクセルシオの3人+双紙正哉氏が配置に着きます。左から西野、双紙、大友、吉田という並びです。女性二人は紫系統のシックな衣装です

そもそもこの曲の元になっている小説「クロイツェル・ソナタ」は、不倫に走った妻を殺害した物語なので、音楽の内容もそれなりにおどろおどろしいものがあります 演奏を聴いていて感じたのは「慟哭の音楽」あるいは「緊迫感に満ちた音楽」です


     


休憩後のプログラムはエネスコ「弦楽八重奏曲ハ長調 作品7」です   この曲はルーマニア出身のジョルジュ・エネスコ(1881‐1955)が19歳の時、1900年に作曲した作品です 第1楽章「トレ・モデレ」、第2楽章「トレ・フギュ」、第3楽章「ラントマン」、第4楽章「ムヴモン・デ・ヴァルス・ヴィアン・リィゼム」の4楽章から成ります

8人のメンバーが配置に着きます。奥志賀のメンバーは”お色直し”をして赤系統(黒川さんはエクと同じ紫系統)の艶やかな衣装を身にまとっています

左から会田、西野、双紙、小川(以上ヴァイオリン)、石田、吉田(以上ヴィオラ)、大友、黒川(以上チェロ)という並びで、奥志賀メンバーがそれぞれ第1を務めます

この曲を聴くのは2度目です 1回目は初めてだったので何だかよく分からなかったのですが、今回は曲自体の素晴らしさが、ひしひしと伝わってきました それは多分、第1ヴァイオリンの会田莉凡さんを中心として、緻密で民俗色豊かな演奏が繰り広げられたからだと思います とくに第1楽章は、メンデルスゾーンの「弦楽八重奏曲」のように推進力に満ちたメロディーが演奏され、親しみを感じました

良い演奏というのは、聴き終わったあとで その作曲家を再認識したり その曲が好きになったりするものですが、私はこの日の演奏を聴いてこの曲が好きになりました

8人はアンコールに、これしかないという曲、メンデルスゾーン「弦楽八重奏曲変ホ長調 作品20」から第1楽章「アレグロ・モデラート・マ・コン・フォーコ」を 会田莉凡さんのリードにより鮮やかに演奏、会場いっぱいの拍手を浴びました

次にこの組み合わせで演奏する時はメンデルスゾーンをメインにプログラミングしてほしいと切に思います

 

     

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