人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ウルバンスキ ✕ 弓 新 ✕ 盛田麻央 ✕ 町英和 ✕ 新国立劇場合唱団 ✕ 東響で シマノフスキ「ヴァイオリン協奏曲」、オルフ「カルミナ・ブラーナ」を聴く / 東京フィル2022シーズン座席確定

2021年11月13日 23時47分16秒 | 日記

13日(土)。今日は東京フィルの2022シーズンに向けての座席変更手続き開始日だったので、朝10時から東京フィルチケットサービスに電話をかけまくりましたが、全然繋がりません 今やオーケストラはネット上で座席変更手続きできるご時世なのに、今だに電話でしか受け付けないのは時代遅れもいいところです と怒ったところで、3時10分頃にやっと繋がりました 現在は2階LD2列で若干ステージから遠いので、より近くの席を求めて2階Cブロック右サイド2列の席を押さえました なお、全8公演のうち3公演は同じ時間帯に別のコンサートが入っていたり、同じ日の別の時間帯にコンサートが入っていたりするので、東京フィル以外のオケの振替制度を利用して日にちをずらしたいと思っています

ということで、わが家に来てから今日で2499日目を迎え、トランプ政権のバノン元首席戦略官は1月の米議会襲撃事件を調査する下院特別委員会から証言を求める召喚状が出されていたが、出席を拒否していたことに対し、米司法省は12日、連邦大陪審が議会侮辱罪で起訴したと発表したというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     バノンは事件前日に混乱が起きることを予告していた  黒幕は彼だった可能性あり

 

         

 

午後6時からサントリーホールで東京交響楽団「第695回定期演奏会」を聴きました プログラムは①シマノフスキ「ヴァイオリン協奏曲第1番」、②オルフ「カルミナ・ブラーナ」です 演奏は①のヴァイオリン独奏=弓 新(ボムソリの代演)、②のソプラノ独唱=盛田麻央、カウンターテナー独唱=彌勒忠史、バリトン独唱=町英和、合唱=新国立劇場合唱団、児童合唱=東京少年少女合唱隊、指揮=クシシュトフ・ウルバンスキです

指揮をとるウルバンスキは1982年ポーランド生まれ。現在、米インディアナポリス交響楽団音楽監督、ノルウェー・トロンハイム交響楽団名誉客演指揮者、NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団首席客演指揮者を務めています また、2013年から3年間、東響の首席客演指揮者を務めました

 

     

 

前回 10月度定期演奏会は入院中で聴けなかったので、東響定期は2か月ぶりです    コロナ禍に係る緊急事態宣言が解除されたせいか、はたまたウルバンスキ人気のせいか、会場はかなりの客入りです 徐々に”正常な状態”に戻ってくれるといいなと思います また、ホワイエのドリンク・コーナーのサービスも再開されました もっともコーヒー1杯が500円では手も足も舌も出ません

拍手に迎えられて東響の楽団員が配置に着きます 弦は左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの東響の並び。コンマスは水谷晃です

1曲目はシマノフスキ「ヴァイオリン協奏曲第1番」作品35です    この曲はカロル・シマノフスキ(1882-1937)が1916年に作曲、1922年11月1日にワルシャワで初演されました 曲は単一楽章形式ですが、大きく分けて5つの部分から成ります   ヴィヴァーチェ・アッサイ ~ アンダンティーノ ~ スケルツァンド ~ アレグレット ~ ヴィヴァーチェという構成です

ヴァイオリン独奏の弓 新(ゆみ あらた)は2011年ヴィエニャフスキ国際コンクール最年少ファイナリスト特別賞を受賞、2018年ロン=ティボー国際音楽コンクール第5位入賞 現在、北西ドイツ・フィルの第2コンサートマスターを務めています

男性ファッション誌から抜け出てきたような長身・スリム・イケメンのウルバンスキが指揮台に上り弓 新の独奏で演奏に入ります    全体を通して聴く限り、超絶技巧を要する難曲で、目先がクルクルと変わります    一番印象に残ったのは最後のヴィヴァーチェにおける弓 新のカデンツァで、最高音から再低音まで、最強音から再弱音までの技巧を凝らした鮮やかな演奏で、半端ない緊張感を醸し出しました その後は、ウルバンスキのスケールの大きな曲作りでフィナーレを飾りました これほどの演奏ができないとドイツのオケの第2コンマスは務まらないのだろうな、と納得しました

 

     

 

プログラム後半はオルフ「カルミナ・ブラーナ」です この曲はカール・オルフ(1895ー1982)がバイエルンのポイロン修道院に所蔵されていた「詩」の写本の中からテクストを選び、1935年から36年にかけて舞台音楽として編成し、1937年6月8日にフランクフルトで初演された全25曲から成る世俗カンタータです 第1曲と第2曲が「序」として置かれ、第1曲と同じ最終曲(第25曲)で締めくくられる形をとり、その間に第1部「春に」(第3曲~第10曲)、第2部「居酒屋にて」(第11曲~第14曲)、第3部「求愛」(第15曲~第24曲)が挟まれる構成となっています

ステージ後方のP席には新国立劇場合唱団のメンバー(女声26人、男声22人)が、ステージ左サイドLAブロックには東京少年少女合唱隊のメンバー12人がスタンバイし、同時にオケのメンバーが再入場します

ウルバンスキの指揮で第1曲の演奏に入りますが、打楽器陣を含めたオーケストラ総力を挙げての熱演と、少数ながら大合唱団並みの力を発揮する新国立劇場合唱団による熱唱に冒頭から圧倒されます 第6曲は管弦楽のみによる演奏ですが、フルート首席の相澤政宏の演奏が素晴らしい 次の第7曲は失恋を歌った詩にもかかわらず明るい基調の音楽で、ウルバンスキは合唱団に身体を左右に揺らしながら歌うように求めていましたが、これはとても良い演出だったと思います 第11曲は居酒屋で己の愚かさを嘆く歌ですが、バリトンの町英和は演技力たっぷりに歌い上げました 第12曲は料理人に焼かれた白鳥の歌ですが、カウンターテナーの彌勒忠史(みろく ただし)は”歌で演技する”といった素晴らしい歌唱力を発揮しました 私が一番良かったと思うのは第21曲「In  trutina(揺れ動く、わが心)を歌った盛田麻央のソプラノです 高音が良く伸び、歌に生命力が宿っていました 彼女のソロは第15曲と第23曲でも聴けましたが、とくに後者の超高音による歌唱力は感動を呼びました 児童合唱は第15曲で大活躍しました 全体を通して新国立歌劇場合唱団によるコーラスの素晴らしさが目立ちました 少数精鋭というのは今回のような合唱を言うのでしょう

さて、今回の最大の貢献者は何といっても、指揮者のウルバンスキです 彼の前には楽譜もなければ譜面台もありませんでした つまり彼は最初から最後まで暗譜で指揮をしたのです 彼が東響に初めて客演したとき、リハーサルの段階から暗譜で指揮をとったので楽団員は舌を巻いたというエピソードがあるくらいなので、東響の会員は良く知っていることですが、それにしても、交響曲ではなく全25曲もある声楽曲を暗譜で通すというのは並大抵のことではありません 出演者によるカーテンコールの後、ウルバンスキだけがステージに呼び戻されたことは言うまでもありません 掛け値なしに素晴らしいコンサートでした

なお、映画「追憶」や「スター誕生」でお馴染みの女優・歌手のバーブラ・ストライザンドが第21曲「In  Trutina」を歌っています クラウス・オーガーマン指揮コロンビア交響楽団のバックで、ドビュッシー「美しい夕暮れ」、フォーレ「パヴァーヌ」などとともに、透明感のある美しいソプラノで歌っていて、心を洗われます

 

     

     

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