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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

東京春祭「ベルリン・フィルのメンバーによる室内楽」を聴く ~ マーラー「ピアノ四重奏曲 断片」、シューマン「ピアノ四重奏曲」、ブラームス「ピアノ四重奏曲第1番」 = 名曲名演奏!

2019年03月28日 06時55分10秒 | 日記

28日(木)。新国立劇場から2019/2020シーズンのオペラ・チケット10枚セットが送られてきました 新シーズンは全10回公演のうち4公演が新制作ということで、大野和士芸術監督の意欲を感じます 新制作は①チャイコフスキー「エウゲニ・オネーギン」(10月)、②ドニゼッティ「ドン・パスクワーレ」(11月)、③ヘンデル「ジュリオ・チェーザレ」(2020年4月)、④ワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」(6月)です 銀行口座から自動引き落としされるのは5月10日とのこと。覚悟は出来ています。資金繰りは出来ていません

 

     

 

         

昨日、夕食に「豚肉と大根の炒め煮」と「トマトとキャベツとシメジのスープ」を作りました 「豚肉~」は 炒めてからじっくり煮込んだので味が良く染み込んで 美味しく出来ました

 

     

 

         

 

昨夕、東京文化会館小ホールで東京・春・音楽祭2019「ベルリン・フィルのメンバーによる室内楽」公演を聴きました プログラムは①マーラー「ピアノ四重奏曲(断片)イ短調 」、②シューマン「ピアノ四重奏曲変ホ長調作品47」、③ブラームス「ピアノ四重奏曲第1番ト短調作品25」です 演奏はヴァイオリン=ノア・ベンディックス・バルグリー(第1コンマス)、ヴィオラ=アミハイ・グロス(第1ソロ・ヴィオラ)、チェロ=オラフ・マニンガー(ソロ・チェロ)、ピアノ=オハッド・ベン・アリです

 

     

 

自席は前日と同じG列右ブロックです 会場はほぼ満席です。さすがに集客力があります

1曲目はマーラー「ピアノ四重奏曲(断片)イ短調 」です この曲はグスタフ・マーラー(1860-1911)が1876~78年頃作曲し、コンクールのためにロシアに送った曲の断片です

4人の演奏者が登場し 演奏に入りますが、冒頭からミステリアスな曲想が展開します とくにチェロの深みのある音色が印象的です。この曲を聴きながら、2009年のアメリカ映画「シャッター・アイランド」の冒頭のシーンを思い浮かべました この映画はマーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオ主演による作品ですが、閉ざされた島の建物の中でこの曲がミステリアスに流れていました ブラームスかだれかの室内楽だと思って聴いていたのですが、後でマーラーの初期の曲であることが分かり、この映画にピッタリだなと感心したことを覚えています

2曲目はシューマン「ピアノ四重奏曲変ホ長調作品47」です この曲はロベルト・シューマン(1810‐1856)が1842年に作曲した作品です 第1楽章「ソステヌート・アッサイ~アレグロ・マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「スケルツォ:モルト・ヴィヴァーチェ」、第3楽章「アンダンテ・カンタービレ」、第4楽章「フィナーレ:ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

第1楽章を演奏する4人を見ていたら、お互いにアイコンタクトを取りながら実に楽し気に演奏していて、聴いている側も楽しくなってきました シューベルトの「シューベルティアーデ」を持ち出すまでもなく、室内楽って本来こういうものでしょう 4人は第2楽章から第3楽章へは間を置かずに入りました。この第3楽章「アンダンテ・カンタービレ」が素晴らしい メイン・テーマがチェロからヴァイオリンに受け継がれますが、ロマンの極致をいく演奏です 中盤に入ると、今度はヴィオラがそのテーマを奏でますが、この演奏も素晴らしい

私がこの曲のこの楽章を意識するようになったのは、2月20日に東京芸術劇場で開かれた新日本フィルのコンサート(2019都民芸術フェスティバル)でリストの「ピアノ協奏曲第1番」のソリストを務めた伊藤恵さんが、コンマスの西江辰郎氏、ヴィオラ首席の篠崎友美さん、チェロ首席の長谷川彰子さんを巻き込んでアンコールで演奏した時です オーケストラのアンコールでピアノ四重奏曲を演奏するのは極めて異例ですが、「この曲の魅力を知ってほしい」という伊藤さんの気持ちはよく分かります。とても良い曲だと思いました

第4楽章の冒頭はモーツアルト「ピアノ協奏曲第23番K.488」の第3楽章「アレグロ・アッサイ」の冒頭部分によく似ています シューマンはモーツアルトを意識していたのでしょうか 4人の演奏は喜びに満ちた演奏で、この曲がより一層好きになりました

 

     

 

プログラム後半はブラームス「ピアノ四重奏曲第1番ト短調作品25」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833‐1897)が1861年に作曲した名作です 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「インテルメッツォ:アレグロ・マ・ノン・トロッポ~トリオ・アニマート」、第3楽章「アンダンテ・コン・モート」、第4楽章「ジプシー風ロンド」の4楽章から成ります

この曲では、オハッド・ベン=アリのピアノが俄然、前面に出てきました 4人はこの曲でもお互いにアイコンタクトで間合いを取りながら演奏する姿が見られました 第1楽章の”サビ”の部分ではとても気持ち良さそうに演奏します 第2楽章を経て、第3楽章のアンダンテは見事なアンサンブルによってブラームスの魅力が全開です そして第4楽章のジプシー風ロンドは唖然とするほどの超高速で駆け抜けます

最後の音が鳴り終わるや否や、満場の拍手とブラボーの嵐がステージの4人に押し寄せました こういうのを「名曲名演奏」と言うのでしょう

ヴァイオリンのノア・ベンディックス=バルグリーはアメリカのノースカロライナ州出身、ヴィオラのアミハイ・グロスはエルサレム出身、チェロのオラフ・マニンガーはドイツ出身と、ベルリン・フィル団員3人の国籍はすべて異なりますが(因みにピアニストのオハッド・ベン=アリはイスラエル出身)、演奏に国籍はまったく関係がないことを彼らは証明して見せました こういう優れたアーティストが世界各国から集まったインターナショナルなベルリン・フィルだからこそ、世界で1位、2位を争うオーケストラの地位を長年維持しているのでしょう 雑誌の対談で指揮者の大友直人氏が「一流の上には超一流がある」と語っていた「超一流」というのは、彼らのようなアーティストを指すのだと、つくづく思いました

 

     

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