14日(木)。報道によると、英議会下院は12日夜、メイ首相が示した欧州連合からの離脱案を採決し、反対多数で否決したとのことです メイ首相はまたしても気がメイる毎日を過ごすことになりそうです
「メイ・アイ・ヘルプ・ユー?」「かえってメイ惑です」
昨日、夕食に「豚バラ麻婆茄子」を作りました COOKPADのレシピですが、豚ミンチの代わりに豚バラ肉を使うところがミソです
昨夕、東京文化会館小ホールで日本モーツアルト協会第607回演奏会「大司教のターフェルムジーク」を聴きました プログラムはモーツアルトの①12のホルン二重奏曲K.487、②ディヴェルティメント・ヘ長調K.213、③同・変ロ長調K.240、④同・変ホ長調K.252、⑤同・ヘ長調K.253、⑥同・変ロ長調K.270です
演奏は オーボエ=荒木奏美(東響首席)、浅原由香(国際オーボエコンクール東京の最高位)、ホルン=濱地宗(群馬響第一ホルン)、鈴木優(都響)、ファゴット=長哲也(都響首席)、坂井由佳(東響)です
全席自由なので、いつもより早めに文化会館に行ったのですが、すでに長蛇の列が小ホールの坂道の下まで達していました それでも、I列27番、センターブロック右通路側を押さえました
日本モーツアルト協会の例会だけあって、会場は9割以上埋っています
(正会員が全員来ると626席が埋まる計算でしょうね。私は会員でも何でない ただの渡世人でございますが
)。日本モーツアルト協会の例会だけあって、平均年齢は相当・・・以下省略
最初の曲は「12のホルン二重奏曲K.487」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756‐1791)が2つのホルンのために書いた作品です
柴田克彦氏のプログラム・ノートによると、第1曲の自筆譜に『1786年7月27日ウィーンにて。九柱戯をしながら』と記されているそうです
作曲時期は「ホルン協奏曲第4番K.495」 完成の約1カ月後で、その約1週間後に『ケーゲルシュタット(九柱戯)・トリオK.498』が書かれています
「九柱戯」というのは現代のボーリング・ゲームのようなものだそうです
群馬交響楽団第一ホルン奏者の濱地宋氏と東京都交響楽団ホルン奏者の鈴木優さんが登場、さっそく演奏に入ります 二人は最初に①アレグロ、②メヌエット:アレグレット、③アンダンテ、④ポロネーズ、⑤ラルゲット、⑥メヌエット~トリオをの6曲を演奏し、一旦舞台袖に引き上げ 再度登場して、⑦アダージョ、⑧アレグロ、⑨メヌエット~トリオ、⑩アンダンテ、⑪メヌエット~トリオ、⑫アレグロ~アンダンテの6曲を演奏しました
1曲1曲は短いのですが、1曲終わるごとに楽器を分解して中に溜まったつばを排出する作業があるので結構時間がかかりました しかしこれは仕方ないことです。二人の演奏で聴く12曲は、それぞれの曲は短いながらも、モーツアルトのDNAがハッキリと読み取れる曲想で驚きます
二人の演奏はニュアンスに満ちた素晴らしいアンサンブルでした
休憩後のプログラム後半は5つの「ディヴェルティメント」(ヘ長調K.213、変ロ長調K.240、変ホ長調K.252、ヘ長調K.253、変ロ長調K.270)です
モーツアルトは人生の3分の1を旅で過ごしたと言われていますが、1775年3月に2回目のミュンヘン旅行から故郷ザルツブルクに戻ったモーツアルトは、2年半後の1777年9月にマンハイム・パリ旅行に出るまでの間、ザルツブルク大司教ヒエローニュムス・コロレドのもと、宮廷音楽家として仕えました これらのディヴェルティメントはコロレド大司教の食卓のBGMとして作曲されたと考えられています
ところで、コロレド大司教と言えば、モーツアルトが「テレビはねぇ、スマホはねぇ、そして何より自由がねぇ、おら、こんな村イヤだ~
」と不満をぶつけてウィーンに飛び出した喧嘩相手でした
しかし 冷静に考えればコロレドさんとしては当時の常識の範囲内でモーツアルトに仕事をさせていたようなので、世間から非難を浴びる理由はないみたいです
考えようによっては、モーツアルトはコロレドさんと喧嘩したお陰で、狭いザルツブルクから大都会ウィーンに出て名曲の数々を作曲していったのですから、コロラドさんはクラシック愛好家にとってモーツアルトの才能を最大限に引き出した最大の貢献者と言えるかも知れません
6人の奏者が登場し配置に着きます 左からオーボエ=荒木奏美、同・浅原由香、ホルン=鈴木優、濱地宗、ファゴット=長哲也、坂井由佳という並びです
荒木さんと浅原さんが交替で第1オーボエを務めるので立ち位置が変わりますが、他の4人の位置は変わりません
1曲目の「ディヴェルティメント・ヘ長調K.213」は1775年に作曲されました。第1楽章「アレグロ・スピリトーソ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「メヌエット」、第4楽章「コントルダンス、モルト・アレグロ」の4楽章から成ります
2曲目の「ディヴェルティメント・変ロ長調K.240」は1776年1月に作曲されました。第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンテ・グラツィオーソ」、第3楽章「メヌエット」、第4楽章「アレグロ」の4楽章から成ります
3曲目の「ディヴェルティメント・変ホ長調K.252」は1776年1月から8までの間に作曲されました。第1楽章「アンダンテ」、第2楽章「メヌエット」、第3楽章「ポロネーズ、アンダンテ」、第4楽章「プレスト・アッサイ」の4楽章から成ります
4曲目の「ディヴェルティメント・ヘ長調K.253」は1776年8月に作曲されました。第1楽章「アンダンテ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「アレグロ・アッサイ」の3楽章から成ります
5曲目の「ディヴェルティメント・変ロ長調K.270」は1777年1圧に作曲されました。第1楽章「アレグロ・モルト」、第2楽章「アンダンティーノ」、第3楽章「メヌエット、モデラート」、第4楽章「プレスト」の4楽章から成ります
いずれの曲も第1オーボエがリードして演奏を進めることになりますが、何と言っても荒木奏美さんのオーボエが素晴らしい いつもは東京交響楽団のオーボエ奏者としての演奏を聴いていますが、よく歌うオーボエが印象的です
今回はより間近で表情豊かな演奏を聴くことができ、とてもラッキーでした
交替で第1オーボエを務めた浅原由香さんは愉悦感に満ちた演奏が魅力的でした
ホルンの濱地宗氏と鈴木優さんは表情豊かな演奏で主役を引き立てました
ファゴットの長哲也氏と坂井由佳さんは、メインメロディーを支えながら、しっかりと自らの存在感を示していました
6人に共通していたのは、演奏するのが楽しくて仕方がないという気持ちが表情に現われていて、それが聴く側に伝わってきたということです これは特にモーツアルトの演奏では大切なことのような気がします
この日は生で一度も聴いたことのないモーツアルトの作品を一度に6曲も、しかも最良の演奏で聴くことが出来て、とても幸せでした ケッヘル番号だけでも626曲あるモーツアルトの作品を「すべて生で聴く」のは並大抵のことではありませんが、チャンスがあれば1曲1曲聴いていきたいと思います