人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「ストリート オーケストラ」を観る~ブラジルのスラム街で生まれた交響楽団の物語

2016年08月14日 08時30分20秒 | 日記

14日(日).昨日,埼玉県S市に墓参りに行ってきました.妹夫婦と一緒にお花と線香を供えました その後,実家に寄ってお互いの子どもたちの様子などを情報交換してきました.猫のミラ(ミラクル・デブ)は相変わらずデブで,暑いのに陽の照り付ける廊下に寝そべっていました 猫の照り焼きが出来そう

ということで,わが家に来てから686日目を迎え,連日のリオ・オリンピックの日本選手の活躍に目が離せないモコタロです

 

          

           今度は柔道だって! ビートルズにあったね ヘイ ジュードー

 

  閑話休題  

 

昨日,池袋のシネ・リーブル池袋で2015年ブラジル映画「ストリート オーケストラ」を観ました これはセルジオ・マシャード監督・脚本による実話に基づく映画です

 

          

 

ヴァイオリニストのラエルチはサンパウロ交響楽団のオーディションを受けたが,すっかり怖気づき落ちてしまう そんな時,スラム街の学校の音楽教師の仕事を紹介される.子供たちに楽器を弾くように求めると,あまりにもひどい出来だったので楽譜を見ると,彼らが見ていたのは実は楽譜ではなくド・レ・ミと音符の読み方が書かれていたことに愕然とする 彼は意を決して基礎の基礎「キラキラ星」の練習から始める.ある時,ラエルチはギャングから演奏するよう脅かされたが,演奏すると彼らは感動して銃を下す それを知った生徒たちは暴力ではなく音楽の力に興味を持ち練習に力を入れるようになる そんな矢先,校長から次の演奏会で最高の演奏ができなければ学校の存続は難しいと告げられる 練習に明け暮れる中,生徒の中で一番優秀な子供が警官の発砲に伴う交通事故で死亡する.それを乗り越えて彼らは懸命に練習を重ね演奏会に臨む

この映画を観て思ったのは,ベネズエラの音楽教育システム「エル・システマ」です 貧しい子供たちに楽器を与え,音楽教育を施して,成功すれば世界的なオーケストラでも活躍できるというものです ここから 今や押しも押されぬ指揮者ドゥダメルが誕生しました

この映画ではクラシック音楽がふんだんに使われています まず,ラエルチのオーディションの課題曲はモーツアルト「ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K.216」です.第2楽章が演奏されます.子供たちの弾く練習曲としてパッヘルベル「カノン」が演奏されます.不本意ながら薬の売人の娘の誕生祝に子供たちが演奏するのはヨハン・シュトラウスⅡ世「美しき青きドナウ」です.学校の演奏会で披露されるのはバッハ「マタイ受難曲」の中からソプラノのアリアです 発砲して子供を死に追いやった警察側に民衆が抵抗するシーンで流されていたのはリスト「コンソレーション第3番」です またコンサート会場でサンパウロ交響楽団が演奏する曲としてはバーバー「アダージョ」,そして,ラエルチが第2ヴァイオリン首席に加わったチャイコフスキー「交響曲第4番」の第4楽章です.このほか,ヴィヴァルディ,パガニーニなどの曲も演奏されます

ブラジルでは今リオ・オリンピックの真っ最中ですが,前年に作られたこの映画では,華やかなスポーツの祭典の裏で,スラム街で暮らす少年たちを悪の道に引き込むギャング団が今なお暗躍していることを告発しています

とくにクラシック音楽好きにはたまらない映画です.お薦めします

 

          

コメント (2)
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