人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

松居直美+森麻季で「真夏のバッハ~パイプオルガン・リサイタル」を聴く~フェスタサマーミューザ

2016年08月07日 08時11分15秒 | 日記

7日(日).わが家に来てから679日目を迎え,リオ五輪開会式を報道する夕刊を見るモコタロです

 

          

             始まったね ドーピングの採点が  違った!  スポーツの祭典が

 

  閑話休題  

 

昨夕,ミューザ川崎で「真夏のバッハ~松居直美パイプオルガン・リサイタル」公演を聴きました これは7月23日から8月11日までミューザ川崎で開かれている「フェスタサマーミューザ」の一環として開かれたコンサートです プログラムは①バッハ「トッカータとフーガ ニ短調BWV565」,②同「シュプラー・コラール集」より「目覚めよ,と我らに呼ばわる物見らの声BWV645」,③バッハ/グノ―「アヴェ・マリア」,④バッハ「トッカータ,アダージョとフーガBWV564」,⑤同「マタイ受難曲BWV244]より「レチタティーヴォ”あの方は良いことだけをされました”」,「アリア”愛ゆえに主は死にたもう”」,⑥同「パッサカリア ハ短調BWV582」,⑦同「フーガ ト短調(小フーガ)BWV578」,⑧ヘンデル「フーガ ホ短調 HWV429/1」,⑨同「メサイアHWV56」より「大いに喜べ,シオンの娘よ」,⑩バッハ「いと高きところでは神のみ栄光あれBWV662」,⑪同「前奏曲とフーガ ハ長調BWV547」です.③⑤⑨のソプラノ独唱は森麻季,⑤「アリア」のフルート独奏は東響の濱崎麻里子,パイプオルガンは松居直美です

 

          

 

午後6時からの本公演に先立って,5時20分からホール2階ホワイエでロビーコンサートが開かれました 最初,松居直美がポジティブ・オルガンで,バッハ「アンナ・マグダレーナのためのクラヴィーア小曲集」から「メヌエット」「コラール」「アリア」の3曲を演奏しました どれもメロディーは聴き覚えのあるものです.次に東京交響楽団入団2年目のフルート奏者・濱崎麻里子と共にバッハ「フルートとオブリガードチェンバロのためのソナタ ロ短調」から第1楽章を演奏しました.ロビーには多くの聴衆が詰め掛け,オルガンとフルートの美しいアンサンブルに耳を傾けていました

 

          

 

さて本番です.自席は1階C4列30番,センターブロック右通路側です.会場はパイプオルガン下のP席とその左右両サイド・ブロックを空席にしていますが,そのスペースを除くとかなりの聴衆が詰めかけています 

会場が暗転し,松居直美が登場,パイプオルガンと彼女だけに照明が当てられます.1階席から見上げると,暗い世界の中に浮かび上がる松居直美は神の使いである巫女のように見えます

バッハのオルガン曲では一番有名な「トッカータとフーガ ニ短調」が神々しく会場に響き渡ります 彼女はこの曲で開始することによって,いち早く聴衆をバッハの世界に引き入れます 次にコラール「目覚めよ,と 我らに呼ばわる物見らの声」で厳粛な世界から解放し,聴衆の心を穏やかにします

次にパイプオルガン席近くにソプラノの森麻季を迎え,バッハ作曲グノ―編曲「アヴェ・マリア」の演奏に入ります 松居は水色をベースにピンクをのせた衣装,森は白をベースにブルーの花模様,薄紫の花弁模様の衣装を身にまとっていますが,衣装の色彩がマッチしています

バッハ・コレギウム・ジャパンで歌うソプラノ歌手陣はノン・ヴィブラートで歌いますが,森麻季はヴィブラートをかけて歌います それにしても透明感のある美しい声です

再び松居のオルガン独奏に戻り,バッハの「トッカータ,アダージョとフーガ ハ長調」が演奏されます 最初のトッカータの序盤では 足だけによる演奏が聴けますが,パイプオルガンの低音部は足の操作で音を出すことを今更ながら思い出しました ついでに,ン十年前にヤマハ音楽教室でエレクトーンを習っていた時,先生から『それじゃ,明日から足に入りましょう』と言われ,翌日から教室を辞めたことを思い出しました.両手で精いっぱいなのに足が加わったら確実に気が狂うからです

松居がP席脇の階段を下りてきて,1階のステージで森麻季とフルートの濱崎麻里子を迎えます.1-2-3階席の間を自由に移動できるのがミューザの特徴です 最初に松居のポジティブ・オルガンの伴奏で森が「マタイ受難曲」のレチタティーヴォを歌い,次に濱崎が加わってアリアを歌います.フルートが加わることによって歌に色彩感が加わりました

前半最後はバッハの「パッサカリア ハ短調」です 再び松居が階段を上がりパイプオルガンの操作卓に着きます.充実したオルガンの響きが会場を満たします.聴衆はにわかクリスチャンに変貌します

 

          

 

プログラム後半はバッハ「フーガ ト短調」,いわゆる「小フーガ」で幕を開けます 演奏時間5分程の短い曲ですが,傑作です 演奏後,松居がマイクを持って

「バッハとヘンデルは同じ年に中部ドイツで生まれましたが,二人が会うことは生涯で一度もありませんでした.バッハは生涯ドイツから離れず主に教会音楽を作曲したのに対し,ヘンデルはイタリアやイギリスに出向き,オペラまで作曲しました.二人はまったく違う音楽人生を歩みました」

と解説し,ヘンデルの「フーガ ホ短調」を演奏しました やっぱりバッハとは違う曲想です

再び松居が階段を下り,ステージに森麻季を迎えてヘンデルの「メサイア」から「大いに喜べ,シオンの娘よ」を演奏しました ここで,松居が

「森さんは宗教曲を歌う機会が多いと思いますが,どういうきっかけで歌うようになったのでしょうか」

と尋ねたのに対し,森は

「ヨーロッパに留学中,現地で歌った時にマエストロ達から,”あなたは宗教曲に向いている”と言われました また,教会で歌われる讃美歌などを聴いているうちに,歌ってみたくなりました

と答えていました.

松居は再びパイプオルガンに戻り,最後の曲,バッハ「いと高きところでは神のみ栄光あれ」と「前奏曲とフーガ」を力強く演奏しました

聴衆の熱狂的な反応に,松居はコラール風のオルガン曲をアンコールに演奏,さらにカンタータ「主よ人の望みの喜びよ」を演奏しコンサートを締めくくりました

午後6時に始まったコンサートが終わったのは8時半でした.充実の2時間半のコンサートが2,500円で聴けたのはラッキーでした 来年も是非続けてほしいと思います

 

          

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