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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

Netflixでフィリップ・マーティン監督「グレート・スクープ」を観る ~ BBCテレビが英国王室のアンドリュー王子へ行ったエプスタイン事件にまつわるインタビューの裏側を描く

2025年08月04日 00時01分03秒 | 日記

4日(日)。昨日の朝刊に折り込まれた「広報  東京都」8月号で、都響(東京都交響楽団)の特集を組んでいました 1965年の創立から今年60周年を迎えたことから企画された特集です 「都響の魅力、再発見」と題して都響の特徴(都響のここがすごい!)、地域に密着した活動(アウトリーチ)などをPRするとともに、水谷晃コンマス、伊東裕チェロ首席、鈴木優ホルン奏者へのインタビューなどを掲載しています ゲームソフト「ドラゴンクエスト」音楽の生みの親、すぎやまこういち氏の意向で、交響組曲「ドラゴンクエスト」Ⅰ~Ⅺ(全シリーズ)の録音を都響が担当したことを前面に出しているところは、クラシックに馴染のない都民を都響のクラシック・コンサートに呼び込もうとする意図が窺われます

ということで、わが家に来てから今日で3856日目を迎え、トランプ米大統領が何の根拠も示さず 労働統計局長の解任を命じたことに対して、当局の関係者らから「統計の信頼性が損なわれる」などと批判が相次いでいる  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

世界の模範とされたアメリカは トランプ政権で地に落ちた 誰が没落の一途を辿る米国を信じるか!

         

Netflixでフィリップ・マーティン監督による2024年製作イギリス映画「グレート・スクープ」(102分)を観ました

この映画はイギリスのBBCの「ニュースナイト」が、イギリスのエリザベス(Ⅱ世)女王の次男、ヨーク公アンドリュー王子へ行ったインタビューの舞台裏を描いた作品です

イギリスのテレビ局BBCの報道番組「ニュースナイト」の制作に携わるサム・マカリスター(ビリー・パイパー)は、番組で扱うネタ探しとキャストのブッキングを行っている ある日、サムは話題の人となっているヨーク公アンドリュー王子(ルーファス・シーウェル)へのインタビューを行うため、彼の秘書にコンタクトを取る アンドリュー王子は、少女買春容疑で逮捕されたアメリカの富豪ジェフリー・エプスタインとの交友関係が明るみに出たことから、世間の注目の的となっていた しかし、サムがインタビューの交渉をしている間にエプスタインは逮捕され、アンドリュー王子も少女に性行為を行ったという話まで浮上する このまま沈黙を貫くことは不利になると考えたアンドリュー陣営はサムの提案を受け入れ、「ニュースナイト」のインタビューを受けることになった インタビューは王室で行われ、「ニュースナイト」の司会者エミリー・メイトリス(ジリアン・アンダーソン)がアンドリュー王子に質問することになった 王室主導のインタビューには、質問の内容を事前に王室がチェックしたものだけという厳しい規制があった それでもエミリーはあくまでも事実だけを基に公平を期した目線でエプスタイン事件に切り込み、アンドリュー王子の口から真実を引き出す 放送後、王室が批判の的となり、宮殿がアンドリュー王子の声明を出すこととなる 声明には「エプスタインとの関係は今も後悔している。被害に遭った彼女たちが、人生から立ち直れることを心から願う」と書かれていた BBCの当該インタビューの放送はBBC史上最高の視聴率で数々の賞を受賞した 放送の数日後、アンドリュー王子は公務を退き、称号を失った

BBC(英国放送協会)といえばイギリスの公共放送です。日本で言えばNHKのような存在です そんな公共放送が王室のスキャンダルを堂々と追究し、王室の称号を剝奪するところまで追いつめてしまうのですから、凄いと思います

ところで、ジェフリー・エプスタインは少女買春容疑で逮捕され、2019年に自殺しましたが、この映画では、彼の交友リストにドナルド・トランプの名前があった、という話題も出てきます 最近の新聞報道によると、トランプはエプスタインとの関係について「彼は不適切なことをしたので何年も話さなかった」と述べ、報道が過熱する問題の幕引きを急ぐ姿勢を見せています しかし、トランプがエプスタインの誕生日に送った卑猥な内容のカードの存在も明らかになっていて、もっと親密な関係があったのではないかと憶測を呼んでいます

BBCの女性の幹部は、宮殿から届いたアンドリュー王子の声明を読み上げた後、「これが番組の使命。他の番組が流さない題材に時間を割く。語られるべきで重要な話題を、権力者に問い、被害者に声を上げさせる」と語り、居合わせた編集局の関係者から拍手を浴びます 報道の使命とは何かを如実に語っていて印象的でした

         

今日はミューザ川崎シンフォニーホールに NHK交響楽団のコンサートを聴きに行きます  14時15分からプレコンサート(ベートーヴェン「セレナード ニ長調 作品25」から抜粋)があるので、それに間に合うように家を出ようと思います

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上岡敏之 ✕ 新日本フィルでブルックナー「交響曲第7番」を聴く ~ ”上岡節”全開のゆったりしたテンポによる唯一無二の演奏:フェスタサマーミューザ参加公演

2025年08月03日 00時02分53秒 | 日記

3日(日)。 新聞関係団体事務局のOB会(旧友会)から懇親会の開催通知が届きました 毎年秋に開催されていますが、今年は9月25日(木)午後4時半~6時、会場:日本記者クラブ大会議室となっています 手帳で日程を調べると、この日は7時からサントリーホールで読売日響「定期演奏会」(ケント・ナガノ指揮:マーラー「交響曲第7番」)があることが分かりました ”飲み会”なのでコンサートを別の公演に振り替えようと思い、読響の8月から10月までの土曜・日曜マチネーで都合のつく公演を調べてみたら、10月25日(土)と26日(日)の公演(エドワード・ガードナー指揮、P:パヴェル・コレス二コフによるチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」、ブラームス「交響曲第1番」他)しかないことが分かりました ただ、マーラーの第7番とどちらを取るかなると、大好きなマーラーを取らざるを得ない ということで、当日は旧友会懇親会に出席した後、サントリーホールに向かうことにしました 当然、懇親会ではアルコールは飲めませんが、ここは我慢のしどころです

ということで、わが家に来てから今日で3855日目を迎え、トランプ米大統領は1日、同日発表された7月の雇用統計が予想以上に悪かったことについて、バイデン前政権下で労働統計局長に任命されたマッケンターファー氏が「政治的に操作した」と根拠を示さず決めつけ、同氏を解任するよう指示した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

    

    自分に都合の悪いことは全て他人のせいにして 誰も反対できない  さすがは裸の王様

         

昨日15時からミューザ川崎シンフォニーホールで「フェスタサマーミューザ 新日本フィル」のコンサートを聴きました プログラムはブルックナー「交響曲第7番 ホ長調」(ハース版)で、指揮は上岡敏之です

この日は同じ時間帯に「文京シビック  響きの森クラシック・シリーズ」(横山奏指揮、Vn:中野りな によるチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」、同「交響曲第5番」)があったのですが、振り替えのない公演なので、諦めました 中野りな のチャイコフスキーを聴きたかったのですが残念です

15時からの本番に先立って、14時20分からプレコンサートがありました ブルックナーの第7番だけでは普通70分弱で終わってしまうので、その辺の配慮から企画されたのでしょう 曲目はハイドン「弦楽四重奏曲第67番 ニ長調 作品64-5 ”ひばり”」です    演奏は第1ヴァイオリン=崔文洙、第2ヴァイオリン=丹羽紗絵、ヴィオラ=森野開、チェロ=佐山裕樹です

この曲はフランツ・ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809)が1790年に作曲しました 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「アダージョ・カンタービレ」、第3楽章「メヌエット:アレグレット ~ トリオ」、第4楽章「フィナーレ:ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

佐山以外の3人は立奏します    第1楽章だけだと思ったら、全4楽章を演奏してくれたのでラッキーでした 演奏前に崔コンマスが、「メインのブルックナーが長調の明るい作品なので、それに合わせて長調の曲を選びました」と語り、演奏に入りました

崔コンマスのリードにより明るくおおらかなアンサンブルが奏でられました ライブでこの曲を聴いたのは初めてかもしれません さすがは新日本フィルを代表する弦楽奏者による素晴らしい演奏でした

指揮を執る上岡敏之は東京藝大、ハンブルク音大で研鑽を積む ヘッセン州立歌劇場音楽総監督、北西ドイツ・フィル首席指揮者、ヴッパータール州立歌劇場音楽総監督、ザールランド州立歌劇場音楽総監督、新日本フィル音楽監督、コペンハーゲン・フィル首席指揮者等を歴任 現在、コペンハーゲン・フィル名誉指揮者、ザールブリュッケン音楽大学指揮科正教授を務める

ブルックナー「交響曲第7番 ホ長調」はアントン・ブルックナー(1824-1896)が1881年から83年にかけて作曲、1884年にライプツィヒで初演されました 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「アダージョ:極めて荘厳に、そして極めて緩やかに」、第3楽章「スケルツォ:極めて速く」、第4楽章「フィナーレ:快速に、しかし速すぎないように」の4楽章から成ります

オケは16型で 左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの新日本フィルの並び    コンマスは崔文洙、隣は伝田正秀という2トップ態勢を執ります

上岡が指揮台に上がり、両手を高くかざします。するといつの間にか最弱音の弦楽器のトレモロが音の霧雨のように聴こえてきます そしてチェロとホルンによって第1主題が悠然と奏でられます この冒頭部分を聴いて、「これは大変な演奏になるぞ」と思いました テンポが遅い・・・といった生半可なものではなく、テンポが遅すぎる・・・と言いたくなるほどの遅さなのです それだけに、一音一音を噛みしめるようにゆったりと重心の低い演奏が展開します ホルンが重厚な演奏を繰り広げますが、読響首席の松坂隼の客演ですね 終結部は「ジャーン」と伸ばさず「ジャン」と決然と終わらせたのが印象的でした 第2楽章も超スローテンポは変わらず、悠然としたテンポで重量感のある演奏が繰り広げられます ワーグナー・テューバとテューバの抑制の利いた演奏が素晴らしい オーケストラ総力を挙げてのクライマックスでも、上岡はテンポ・アップすることなく自然体の流れを保ちます この辺は上岡の理知的な指揮ぶりを感じます 第3楽章のスケルツォに入ってもスローテンポは変わりません 重量感のあるスケルツォが展開します ティンパニの連打が強烈です この楽章では何度か比較的長い全休符の”間”が取られ、上岡らしいと思いました 第4楽章に至ってやっと”普通”に近いテンポになりました それでも重心の低い重量感のある演奏には変わりありません 最後は、これまで抑えに抑えてきた感情を爆発させるかのような情熱的な演奏が展開し、輝かしいフィナーレを飾りました

手元の時計を見るとちょうど16時30分を指していました 実際の演奏開始時間が正確に分からないのですが、15時05分~10分だったとすれば、演奏時間は85分~80分です。これがどれほどの演奏時間か、手元のCDと比べてみます(ノバーク版かどうかは不明)

①ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮ベルリン・フィル  59分25秒

②カール・シューリヒト指揮ハーグ・フィル       60分06秒

③ジョージ・セル指揮ウィーン・フィル         63分57秒

④オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団 65分11秒

⑤スクロヴァチェフスキ指揮ザールブリュッケン放送響  68分45秒

⑥リッカルド・シャイー指揮ベルリン放送交響楽団    68分53秒

⑦オイゲン・ヨッフム指揮ドレスデン・シュターツカペレ 69分06秒

⑧セルジュ・チェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィル   79分10秒

上岡の演奏は、演奏が遅いので有名なチェルビダッケよりも遅いテンポだったことが分かります しかし、問題は演奏が速いか遅いかということではなく、演奏が遅いことによってどういう効果があったかということです 上岡は遅いテンポではあるものの、終始 弛緩することなく、オケの面々から持てる力をすべて引き出し、重厚感に満ちた説得力のある演奏を実現していました

満場の拍手とブラボーが飛び交うなか、カーテンコールが繰り返されました ”上岡節”全開の唯一無二の演奏でした

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安壇美緒著「ラブカは静かに弓を持つ」を読む ~ 第20回本屋大賞第2位受賞作 ~ 音楽教室が著作権法の演奏権を侵害している証拠を掴むためスパイとして潜入した青年の葛藤

2025年08月02日 00時01分02秒 | 日記

2日(土)。私のベッドのマットレス敷パッドに穴が空いているのを見た娘が、憐れに思ったのか、新しい商品を「誕生日プレゼント」として、社員割引で購入してくれました 私の誕生日は10月中旬ですが、「前渡し」としてプレゼントしてくれたのです マットレスを包み込む形式の「BOXパッド」(Nクール)で、表裏両面が使用できる優れものです さっそく使用してみましたが 快適そのもので、夜中に起きることがなくなりました 12月25日の娘の誕生日が怖い

ということで、わが家に来てから今日で3854日目を迎え、パレスチナ自治区ガザで人道状況が深刻化しているとして、フランスがパレスチナを国家として承認する意向を示したのに続き、英国が条件付きで同様の方針を示したが、その後カナダも同様の意向を表明したことにより、国際社会のイスラエルへの圧力が強まっている  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

   

   ネタニヤフは国際刑事裁判所から 戦争犯罪で逮捕状が出ているのに 殺戮を繰り返してる

         

昨日、夕食に「鶏ささみのチーズみそ焼き」「生野菜とモッツアレラチーズのサラダ」「エノキダケの味噌汁」「冷奴」を作りました 「鶏ささみ~」は新聞の「料理メモ」を見て初めて作りましたが、とても美味しく出来ました

         

安壇美緒著「ラブカは静かに弓を持つ」(集英社文庫)を読み終わりました 安壇美緒(あだん みお)は1986年北海道生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。2017年「天龍院亜希子の日記」で第30回すばる新人賞を受賞しデビュー 22年「ラブカは静かに弓を持つ」で第6回未来屋小説大賞第1位、23年には同作で第25回大藪春彦賞、第20回本屋大賞第2位を受賞

少年時代にチェロ教室の帰りに誘拐未遂事件の被害者となって以来、深海の悪夢に苛まれる橘樹(たちばな いつき)は勤務先の全日本音楽著作権連盟の上司・塩坪から呼び出され、世界最大の楽器メーカーであり 全国的に音楽教室を展開するミカサへの潜入調査を命じられる 目的はミカサの運営する音楽教室が著作権法の演奏権を侵害している証拠を掴むことだった 橘は市役所職員と身分を偽り、ミカサ音楽教室二子玉川店でチェロの講師・浅葉桜太郎(あさば おうたろう)のレッスンを受けるようになる 橘は胸ポケットに差し込んだボールペン型の超小型録音機で、レッスンの一部始終を録音しパソコンにデータとして取り込んでいくという作業を2年間続けることとなる 最初は仕事と割り切ってレッスンを受けていた橘だったが、浅葉の人間としての魅力に惹かれ、真剣にチェロに対峙するようになる 数か月後、ミカサ音楽教室の生徒たちによる発表会が開かれることになり、橘も参加する そこで浅葉から提案された楽曲は小野瀬晃「戦慄き(わななき)のラブカ」だった この楽曲は、世界で最も妊娠期間が長い動物であるラブカになぞらえた、孤独なスパイが主人公の古い映画のテーマ音楽だった 音楽教室でスパイをする橘には、なぜがしっくりする楽曲だった 橘は発表会や、生徒の一人が経営するレストラン「ヴィヴァーチェ」に集まるレッスン仲間「浅葉先生を囲む会」のメンバーたちとも徐々に打ち解けていく しかし、彼らとの関係が深まれば深まるほど、スパイである彼は苦しめられていく そんな中、橘は上司の塩坪から週刊誌の早刷りを見せられる。そこには「ミカサに堂々のスパイ行為 全著連、美人職員による潜入調査で『演奏権侵害立証に王手』という見出しが躍っていた いったいこれはどういうことか・・・・

本書の中に出てくる「全日本音楽著作権連盟」はJASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)がモデルになっています 本書のテーマになっている音楽著作権問題については、音楽教室事業者249名および個人の音楽教室2名が原告となり、JASRACに対して「音楽教室における演奏については著作物使用にかかわる請求権がない」ということの確認を求めた事件について、2022年10月24日に最高裁の判決が出されました 判決によると「音楽教室の教師がJASRACの管理楽曲を演奏するにはJASRACへの使用料の支払いが必要である しかし、音楽教室における主要な音楽使用者である生徒の演奏については演奏権が及ばない(つまり請求権がない)」としました この小説はそこに至るまでの著作権管理者側の行動が描かれています

本書を読みながら、自分が橘の立場だったらどうしただろうか、と考えてしまいました 組織から給料をもらってスパイ活動をするわけですから、あくまでも”仕事”と割り切って粛々と仕事をこなせばよいーと単純に考えることも出来るでしょう しかし、時間が経つにつれて教師や仲間たちとの”絆”が出来てくると、どうしても”うしろめたさ”や”裏切り行為”という意識が芽生えてきて、葛藤が生じるのではないかと思います この辺の心情を本書は良く掬い取っています

本書のタイトルにある「弓を持つ」の弓はチェロの弓を表しています そうであれば、なぜ「ラブカは静かに弓を弾く」としなかったのか 物語の流れからすると、「弓」はボールペンに仕組んだ「超小型録音機」の暗喩で、「ラブカ(=橘)は弓の代わりに超小型録音機を持って静かに音楽教室に潜入しスパイ活動をする」ということを表しているのだろうか、と思いました

本書ではチェロが前面に出てくるので、バッハ「無伴奏チェロ組曲」、カザルス、ハイドン、ポッパーなどチェロにまつわる作品や作曲者の名前が登場します

クラシックファンに限らず、幅広くお薦めします

読み終わって、ン十年前の独身時代に神保町の下倉楽器にあった「ヤマハ・フルート教室」に1年間通っていた頃のことを思い出しました 当時は音楽教室における教師や生徒の演奏の著作権など全く問題になっていませんでした 6人クラスのレッスンの教師は女性でしたが、本書の浅葉先生とは違い、生徒を馬鹿呼ばわりする酷い教師でした よく1年間も続いたと思います

         

今日はミューザ川崎シンフォニーホールに 上岡敏之 ✕ 新日本フィルのブルックナー「第7交響曲」を聴きに行きます   2時20分からプレコンサート(ハイドン:弦楽四重奏曲第67番「ひばり」)があるので、それまでに会場入りします

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小林資典 ✕ 菊池洋子 ✕ 読売日響でモーツアルト「ピアノ協奏曲第20番」、R.シュトラウス「ばらの騎士」組曲、J.シュトラウス2世「こうもり序曲」「南国のバラ」を聴く

2025年08月01日 00時03分47秒 | 日記

8月1日(金)。6月~7月に受診した数々の検診結果が出揃いました 「胃がん」「肺がん」「大腸がん」の各検診結果はいずれも「異常なし」でした 「特定健診」については「脂質代謝に異常を認める」とのコメントがある以外は「異常なし」でした 「脂質代謝」はコレステロールの数値が基準値よりも高いということです。とはいえ、1年前よりも下がっているので、これからも食事に気を付けて過ごそうと思います 現在、服用している薬はないので、腰痛以外は健康な身体を維持している方ではないかと思います

ということで、わが家に来てから今日で3853日目を迎え、米国が議長国を務める来年の主要20か国・地域(G20)首脳会議をトランプ大統領の一族企業が経営するフロリダ州マイアミ近郊のゴルフリゾート「トランプ・ナショナル・ドラル」で開催することが検討されていると米ブルームバーグ通信が30日に報じた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

第一次トランプ政権の時も反対されたよね  トランプの辞書には「反省」という言葉はない!

         

昨日、夕食に「豚とトマトの炒め物」「生野菜とモッツアレラチーズのサラダ」「冷奴」「シメジの味噌汁」を作りました 「豚と~」は新聞の「料理メモ」を見て作りました

         

昨夜、ミューザ川崎シンフォニーホールで「フェスタサマーミューザ 読売日響」のコンサートを聴きました プログラムは①J.シュトラウス:喜歌劇「こうもり」序曲、②モーツアルト「ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466」、③J.シュトラウス:ワルツ「南国のバラ」作品388、④R.シュトラウス:歌劇「ばらの騎士」組曲 作品59です 演奏は②のピアノ独奏=菊池洋子、指揮=小林資典です

小林資典(こばやし もとのり)は1974年千葉県生まれ。東京藝大・大学院、ベルリン芸術大学で研鑽を積む 2008年ドルトムント歌劇場の専属指揮者、2013年から同歌劇場の音楽総監督代理と第1指揮者を務める

オケは14型で 左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの読響の並び コンマスは日下紗矢子。隣は毛利文香に似ているけど、違うかな

1曲目はJ.シュトラウス2世:喜歌劇「こうもり」序曲です このはオペレッタはヨハン・シュトラウス2世(1825-1899)が1873年に作曲、1874年にアン・デア・ウィーン劇場で初演されました 序曲は劇中のメロディーが次々と出てくる楽しい曲です 中間部におけるオーボエの荒木奏美のメランコリックな演奏が素晴らしい 続いてテンポアップして演奏される音楽を聴いて、新国立オペラで観たアイゼンシュタインとアデーレが腕を組んで踊り出すシーンを思い浮かべてニヤリとしました オペラ指揮者らしい素晴らしいタクト捌きでした

2曲目はモーツアルト「ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756ー1791)が1785年に作曲、同年2月の予約演奏会で初演されました 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「ロマンツェ」、第3楽章「ロンド:アレグロ・アッサイ」の3楽章から成ります

ピアノ独奏の菊地洋子は2002年にモーツアルト国際コンクールで日本人として初めて優勝 国内外のオーケストラと共演を重ねる

弦楽器は12型に縮小します。美しいロングヘアがトレードマークの菊池洋子がピアノに着き、小林の指揮で第1楽章の演奏に入ります オケによるデモーニッシュな演奏に次いで、菊池の澄んだピアノが入ってきます 終盤のカデンツァは鮮やかでした 第2楽章では菊池の粒立ちの美しいピアノにより流麗な演奏が繰り広げられます 間を置くことなく独奏ピアノにより突入した第3楽章は、デモーニッシュな演奏が展開しますが、最後は明るい曲想に転換し、喜びに満ちたフィナーレを飾りました 予約演奏会のための曲として短調の作品は稀ですが、モーツアルトは、やはり最後は明るく終わろうというサービス精神で作曲したのだと思います

満場の拍手とブラボーが飛び交い、カーテンコールが繰り返されました 菊池はモーツアルト「グラスハーモニカのためのアダージョ K.356」を鮮やかに演奏、再び大きな拍手に包まれました

プログラム後半の1曲目はJ.シュトラウス2世:ワルツ「南国のバラ」作品388です この曲はオペレッタ第7作「女王のレースのハンカチーフ」の旋律を用いて1880年に作曲、同年ウィーンで初演されました

弦楽器は14型に戻り、小林の指揮で演奏に入りますが、ウィンナワルツの絶妙なテンポ感で、南国風の明るい演奏を繰り広げました

最後の曲はR.シュトラウス:歌劇「ばらの騎士」組曲 作品59です このオペラはリヒャルト・シュトラウス(1864-1949)が1909年から1910年にかけて作曲、1911年にドレスデンで初演されました 1945年に指揮者ロジンスキーによって編まれたのがこの管弦楽組曲です 組曲とはいえ実質的にはメドレーになっています

弦楽器は14型を維持しますが、チェロが追加され10人になります

小林の指揮で演奏に入りますが、冒頭の日橋辰朗率いるホルン・セクションによる勇壮かつ艶めかしい演奏が素晴らしい 次いでオーボエの荒木奏美の演奏が冴え渡りました オクタヴィアンがゾフィーに「銀の薔薇」を渡すシーンの音楽で一つの頂点を極めますが、読響のゴージャスなサウンドが会場を支配しました 次にオックス男爵が躍る「ワルツ」に移りますが、第1ヴァイオリンによる艶めかしい演奏が際立っていました そして終盤の元帥夫人、オクタヴィアン、ゾフィーによる三重唱のシーンではオーケストラの総力を挙げての流麗な演奏が展開、最後は大団円で曲を閉じました

オペラ指揮者・小林資典の面目躍如の指揮ぶりで、読響の持てる力を全て引き出しました 将来、大物になる予感がします

満場の拍手とブラボーが飛び交うなか、カーテンコールが繰り返されました 読響のゴージャスなサウンドを堪能できる素晴らしいコンサートでした

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熊倉優 ✕ 奥井紫麻 ✕ 東京都交響楽団でチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」、ストラヴィンスキー「火の鳥」他を聴く / 変わるピアニストの世界 ~ 日経の記事から

2025年07月31日 00時08分31秒 | 日記

31日(木)。早くも月末を迎えたので、恒例により7月の3つの目標の達成状況をご報告します ①クラシック・コンサート=16回(今夕の公演を含む)、②映画鑑賞=10本、③読書=6冊、①②③合計32でした ②はNetflixが増えました。合計でやっと30を超えました

ということで、わが家に来てから今日で3852日目を迎え、米環境保護局(EPA)は29日、温室効果ガスの増加が公衆衛生を脅かすとした過去の政府解釈を取り消すとの提案を発表した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

流石は法律も科学も全く意に介しない トランプ政権らしい  米国は自滅の道を着実に進んでる

         

昨日の夕食は、大学時代の友人S君が送ってくれた「秋刀魚」を塩焼きにして、いつもの「生野菜とモッツアレラチーズのサラダ」「冷奴」「エノキダケの味噌汁」を作りました 秋刀魚は新鮮でとても美味しかったです

     ♬ ♬ ♬ ♬ ♬

29日(火)付の日本経済新聞朝刊に「ビジュアルでわかる 変わるピアニストの世界」が掲載されていました    イラストにより 変わりつつあるピアニストの世界を紹介しています

最初に、現在のピアノ界の特徴として ①個性派スター、日本から続々、②三大コンクールが登竜門、③動画やグッズ、収入も多様化ーの3点を挙げています

①では藤田真央(2019年チャイコフスキー国際コンクール ピアノ部門2位)、反田恭平(2021年ショパン国際ピアノコンクール 2位)、角野隼斗(YouTube登録者数 148万人)の3人を取り上げて、それぞれの個性的な活躍を紹介しています

②では世界三大ピアノコンクール(エリザベート王妃国際音楽コンクールピアノ部門、ショパン国際ピアノコンクール、チャイコフスキー国際コンクール ピアノ部門)が4~5年に1回開催されており、そこから新たなスターが誕生していること、多くが無料配信されていることを紹介しています

③ではコンサート、CD・配信、本・グッズ、動画などピアニストの収入源が多様化していることを紹介しています

次に、「今どきのピアノ界 3つのポイント」として、①日本のピアニストが育った背景は?、②なぜコンクールが重要なのか?、③今年のショパン・コンクールの特徴は? を解説しています

①については、1990年代以降、浜松や仙台などにコンクールが生まれ、ここを経てショパン・コンクールなどに挑戦する道筋ができたこと 有能な若者が途中で辞めない工夫にピアノ教師の団体が取り組んだこと クラッシック音楽の世界を描いた漫画などもイメージアップに貢献したこと 辻井伸行、務川慧悟、阪田知樹、亀井聖矢、牛田智大ら下の世代の目標になる人気者が増えたことーを挙げています

【tora注】文中の「ピアノ教師の団体が取り組んだ」というのは、「一般社団法人ピアノ指導者協会(ピティナ)」が主催している「ピティナ・ピアノコンペティション」のことです 角野隼斗は2020年のピティナ特級グランプリ受賞者です

②については、上位入賞すると世界ツアーが決まるなど本格的なデビューにつながる可能性が高いこと 中でも日本や韓国、中国の聴衆は受賞歴を重視するので、アジア勢が特に積極的に挑戦する 年齢制限は多くが30歳。今や配信で世界中の人が観る「優良コンテンツ」になったため、出場するだけで宣伝効果があると目されている

③については4~5月に予備予選が配信され、ネット上では早く盛り上がっている 10月の本大会には日本にルーツを持つ奏者は13人が出場予定。最大の特徴は全出場者のうち3分の1近くが中国からである ポーランドのコンクールだけに、ウクライナ侵攻の影響かロシア勢が激減した ロシアなど各国の教師が中国に教えに行っているという噂もある

記事全体を総括する記事の中で、瀬崎久見子編集委員は次のように書いています

「コンサートのチケット入手が困難な、日本人の任期ピアニストが今、数多くいる 海外の奏者の方が人気だった時代が終わりつつある 転機になったのは新型コロナウイルス禍だ。来日コンサートが減り、その穴を埋めた日本人が注目された 古今東西の曲を多様な鍵盤楽器で弾く角野隼斗をはじめ、配信で人気者になった奏者も出た さらに、ピアノコンクールの配信の視聴者が激増し、上位入賞した日本やアジア系奏者に多くのファンがついた 配信がクラシックのファン層を変え、ピアニストが『押し活』の対象になった

個人的には、チケットが取りにくくなるという弊害はありますが、「押し活」だろうが何だろうが、クラシックファンが増えることは良いことだと思っています

    

         

昨日、ミューザ川崎シンフォニーホールで、「フェスタ サマーミューザ  東京都交響楽団」を聴きました プログラムは①ショスタコーヴィチ「タヒチ・トロット」、②チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番 変ロ長調 作品23」、③ハチャトゥリアン:組曲「仮面舞踏会」、④ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」組曲(1919年版)です

熊倉優(くまくら まさる)は1992年東京生まれ。桐朋学園卒業。東京国際音楽コンクール指揮部門で第3位 2016年から2019年までN響でパーヴォ・ヤルヴィのアシスタントを務め、定期公演に携わる 2023年8月よりハノーファー州立歌劇場第2カぺルマイスターに就任

本公演の前に熊倉による「プレトーク」がありました。ミューザでの指揮は、2018年にN響を振ってショスタコーヴィチ「交響曲第10番」を演奏した時以来とのことです フロアからの「これからどういう作品を指揮したいか?」との質問に、「①リヒャルト・シュトラウス「ばらの騎士」、②コルンゴルト「死の都」、③プーランク「カルメル会修道女の対話」を挙げました いずれも大作オペラですが、まったく性格が異なります いつの日か希望が叶うと良いですね

オケは14型で 左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの都響の並び コンマスは山本友重です

1曲目はショスタコーヴィチ「タヒチ・トロット」です この曲はドミトリー・ショスタコーヴィチ(1906-1975)がジャズのスタンダード・ナンバー「二人でお茶を」を編曲したものです

熊倉の指揮で演奏に入りますが、軽妙洒脱な音楽を軽快に演奏し 聴衆を魅了しました

2曲目はチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番 変ロ長調 作品23」です この曲はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840ー1893)が1874年から75年にかけて作曲、1875年にボストンで初演されました 第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ・エ・モルト・マエストーソ」、第2楽章「アンダンティーノ・センプリーチェ」、第3楽章「アレグロ・コン・フォーコ」の3楽章から成ります

ピアノ独奏の奥井紫麻(おくい しお)は2004年生まれ。7歳より故エレーナ・アシュケナージに師事。2023年にグネーシン特別音楽学校のピアノ科を特別表彰を受け首席で卒業 現在、ジュネーヴ高等音楽院でネルソン・ゲルナーに師事

赤の勝負衣装で登場した奥井紫麻がピアノに向かい、熊倉の指揮で第1楽章に入ります 冒頭から奥井の力強いピアノが印象的です 第2楽章では奥井のピアノの粒立ちが美しく、クリアに響きました オーボエ、フルートの好演がソリストに華を添えました 第3楽章に入ると、高速テンポにより押しの強いピアノが天翔けます とはいえ、奥井の演奏は極めて理知的で、大げさな身体の動きはありません 内に秘めた情熱がほとばしるという感じです オケとの丁々発止のやり取りで築き上げたフィナーレは圧巻でした

会場いっぱいの拍手とブラボーが飛び交うなか、カーテンコールが繰り返されました 奥井はラフマニノフ「前奏曲  作品23-4」を鮮やかに演奏、再び満場の拍手に包まれました

プログラム後半の1曲目はハチャトゥリアン:組曲「仮面舞踏会」です この曲はアラム・ハチャトゥリアン(1903-1978)がロシアの劇作家レールモントフの演劇「仮面舞踏会」の付随音楽として1941年に作曲したオペラを、1943年に組曲として編み直したものです 第1曲「ワルツ」、第2曲「夜想曲」、第3曲「マズルカ」、第4曲「ロマンス」、第5曲「ギャロップ」の5曲から成ります

熊倉の指揮で演奏に入りますが、第1曲「ワルツ」のゴージャスなサウンドを聴きながら、チャイコフスキーの歌劇「エフゲニー・オネーギン」第3幕の冒頭で演奏される「ポロネーズ」と似ているな、と思いました 第2曲「夜想曲」では山本コンマスのヴァイオリン・ソロが美しく響きました 第3曲「マズルカ」は第1曲の世界に戻ったような華麗で壮大な音楽が演奏されました 第4曲「ロマンス」ではトランペットのソロが素晴らしかった 第5曲「ギャロップ」の諧謔的な音楽を聴いて、前日聴いたプロコフィエフ「ヴァイオリン協奏曲第1番」の第2楽章「スケルツォ:ヴィヴァーチッシモ」に曲想が似ているな、と思いました ハチャメチャに楽しい演奏でした

最後の曲はストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」組曲(1919年版)です この曲はイーゴル・ストラヴィンスキー(1882-1971)がロシア・バレエ団の主宰者ディアギレフの依頼により1909年から1910年にかけて作曲、1910年にパリで初演され、その後何度か改訂が加えられました 第1曲「序奏」、第2曲「火の鳥の踊り」、第3曲「火の鳥のヴァリアシオン」、第4曲「王女たちのロンド」、第5曲「魔王カッシェイの凶悪な踊り」、第6曲「子守歌」、第7曲「終曲」の7曲から成ります

ピアノとハープがステージ下手にスタンバイし、熊倉の指揮で演奏に入りますが、特に印象的だったのは「魔王カッシェイの凶悪な踊り」におけるスピード感溢れるアグレッシヴな演奏です また、第6曲「子守歌」ではオーボエ、ファゴットのソロが素晴らしい演奏を展開しました 全体的に色彩感溢れるメリハリの利いた演奏でした

会場いっぱいの拍手とブラボーが飛び交い、カーテンコールが繰り返されました

帰りは東海道線を利用しようと思ったら、午前に起きたロシアのカムチャッカ半島付近を震源とするマグニチュード8.7の巨大地震による津波の影響で、北海道から和歌山県までの太平洋側の地域に津波警報が出されたため、東海道線が全面運休になっていました 仕方ないので川崎から京浜東北線の快速に乗って新橋駅まで戻り、徒歩で地下鉄都営三田線・内幸町駅まで行って、三田線で巣鴨まで帰ってきました コンサートは、終わってからも何が起こるか分かりません コンサートに限らずですが、油断できませんね

         

今日もミューザ川崎シンフォニーホールに 読売日響のコンサートを聴きに行きます

【忘備録】2025年7月31日現在のtoraブログのトータル・アクセス数など

 (ブログ開設から5280日。投稿総数=5431本)

①トータル閲覧ページ数=9,850,231 PV

②トータル訪問者数  =3,359,330 IP

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④フォロワー数=2051人(1938人+X分113人)

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フェスタサマーミューザ「洗足学園音楽大学バレエ公演」を観る ~ ボロディン「イーゴリ公」より、プロコフィエフ「ヴァイオリン協奏曲第1番」、ラヴェル「マ・メール・ロワ」

2025年07月30日 00時02分15秒 | 日記

30日(水)。豊島区役所からマイナンバーカードの「電子証明書の有効期限通知書」が届きました 現在のカードの有効期間は今年の誕生日までとなっており、それまでに区役所で更新手続きをするようにという内容です いつかはやらなければならないので昨日午前、更新手続きをしてきました 有効期限通知書とマイナンバーカードを持参して8時40分頃、区役所の窓口に行きましたが、受付は9時からとのことで、待たされました 受付が始まると、所定の用紙に氏名・住所などを記入することになりましたが、「署名用電子証明書」の暗証番号(6~16ケタ)と「利用者署名用電子証明書」の暗証番号(4ケタ)の記入欄がありました。私は後者の番号は覚えていましたが、前者の番号をすっかり忘れていたので、再登録することになりました 朝早いうちに区役所に行ったので比較的空いていて、9時半ごろには更新後のカードを受け取ることができました これから手続きする方は、2つの暗証番号をメモして持参することをお薦めします

ということで、わが家に来てから今日で3851日目を迎え、米航空宇宙局(NASA)によると、起業家イーロン・マスク氏が離れた後もトランプ政権による効率化の圧力が続き、職員の退職受付の初回には870人が、2回目には約3000人が応募した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

   

   NASAが縮小すれば イーロン・マスク率いるスペースXの事業が有利になるというわけか

         

昨日、大学時代の友人で千葉県勝浦市在住のS君から海の幸が箱一杯届きました あいにく私がコンサートに行っている間に届き、冷凍のため、娘がすぐに箱を開けて冷凍庫にバラバラに収納したので、写真を撮ることができませんでした 近いうちにいただく予定です

昨日、夕食に「厚揚げのチーズ焼き」「生野菜とモッツアレラチーズのサラダ」「冷奴」「大根の味噌汁」を作りました。昨日に続いて娘中心のダイエット食です

         

昨夕、フェスタサマーミューザ「洗足学園音楽大学バレエ公演」を観ました この公演は私の年に1度の貴重なバレエ鑑賞公演なので、毎年楽しみにしています 昨年との違いは指揮者の秋山和慶さんがいないことです とても寂しく思います

プログラムは①ボロディン:歌劇「イーゴリ公」から「ダッタン人の踊り」、②プロコフィエフ「ヴァイオリン協奏曲 第1番 ニ長調 作品19」、③ラヴェル「マ・メール・ロワ」です 出演は②のヴァイオリン独奏=物集女純子、バレエ=洗足学園音楽大学バレエコース(協力:谷桃子バレエ団、東京シティ・バレエ団、牧阿佐美バレエ団)、管弦楽=洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団、指揮=キンボー・イシイです

キンボー・イシイはニコライ・マルコ国際指揮者コンクール第4位。ベルリン・コミッシェ・オーパー首席カぺルマイスター、マクデブルク歌劇場音楽総監督などを歴任 2010年には第9回斎藤秀雄メモリアル基金賞指揮部門受賞

自席は2階の2CA3列32番、センターブロック右通路側です バレエは上から全体を見下ろす席がベストだと思うので、1階席は取りません 普通のコンサートと違い、親子連れが目立ちます 娘が小学校時代の6年間 バレエ教室に通っていたので、親の気持ちは良く分かります

ステージ後方にオケがスタンバイし、手前のスペースでバレエが躍られます オケは10型で 左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという並び。コンマスは女子学生です

1曲目はボロディン:歌劇「イーゴリ公」から「ダッタン人の踊り」です この曲はアレクサンドル・ボロディン(1833-1887)が1869年から70年にかけて作曲(74年から87年にかけて改訂)、作曲者の死後、1890年にサンクトペテルブルクで初演されました

この公演では兵士たちの勇壮な踊り、娘たちの民族色豊かな踊りが特に印象に残りました

2曲目はプロコフィエフ「ヴァイオリン協奏曲 第1番 ニ長調 作品19」です この曲はセルゲイ・プロコフィエフ(1891-1953)が1916年から17年にかけて作曲、1923年にパリ・オペラ座で初演されました 第1楽章「アンダンティーノ」、第2楽章「スケルツォ:ヴィヴァーチッシモ」、第3楽章「モデラート~アンダンテ」の3楽章から成ります

ヴァイオリン独奏の物集女純子(もずめ じゅんこ)はジュリアード音楽院卒業。同大学院及びプロフェッショナルスタディズ修了 日本橋交響楽団ソロ・コンサートマスター、洗足学園音楽大学教授

オケは10型のままで、ソリストの物集女純子はオケとは距離を取り、ステージ下手の客席に近い位置にスタンバイします    プログラムの解説によると、「星の王子さま」のストーリーをイメージして演出が施されています    星の王子と飛行士とのやり取りがあったり、ヘビが現れて踊ったり、女子のバレリーナたちが絡んだりと、それぞれの楽章の曲想に合わせて踊られます

CDを聴いてこの曲の予習をしていた時、この曲に振り付けするのは難しいのではないか、同じプロコフィエフだったら「ピアノ協奏曲第3番」の方がテンポよく踊ることが出来るのではないか、しかし、テンポが速すぎてついていけないという恐れがあるか・・・などと思っていましたが、実際に曲に合わせて踊られるバレエを観ていたら、ほとんど違和感を感じませんでした

物集女純子のヴァイオリンは初めて聴きましたが、表情豊かな素晴らしい演奏でした    キンボー・イシイ ✕ 洗足学園オケもピタリとつけました

プログラム後半はラヴェル「マ・メール・ロワ」です この曲はモーリス・ラヴェル(1875-1937)が友人の子どもたちのため1911年にピアノ連弾曲として作曲、後に管弦楽化した作品です 「マ・メール・ロワ」は英語では「マザーグース」という意味です 第1曲「眠りの森の美女のパヴァーヌ」、第2曲「おやゆび小僧」、第3曲「パゴダの女王レドロネット」、第4曲「美女と野獣の対話」、第5曲「妖精の園」の5曲から成ります

どの曲も振り付けがよく出来ていて、学生たちのパフォーマンスも素晴らしく、クラシック・バレエの素晴らしさを堪能できました

大きな拍手の中カーテンコールが繰り返されました 素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたバレリーナたち、彼らを支えたキンボー・イシイ ✕ 洗足学園のオーケストラに感謝です

         

今日もミューザ川崎シンフォニーホールに東京都交響楽団のコンサートを聴きに行きます

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Netflixで武内英樹監督「はたらく細胞」を観る~「翔んで埼玉」の監督がメガホンを取った観て為になる”翔んだ映画”

2025年07月29日 00時01分01秒 | 日記

29日(火)。わが家に来てから今日で3850日目を迎え、北朝鮮の金正恩総書記の妹、金与正朝鮮労働党副部長は28日、韓国の尹在明政権との対話を拒絶すると談話で表明した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

金正恩王朝一家が裕福な生活を送る中  国家に搾取され その日暮らしを強いられる国民が哀れだ

         

娘が「北海道旅行で食べ過ぎたから ダイエットを始めます」と宣言したので、昨日は夕食に「茄子の煮浸し」「生野菜とモッツアレラチーズのサラダ」「シメジの味噌汁」「冷奴」を作りました 野菜中心にしておけば問題ないでしょう 飲みたいビールも娘に合わせて我慢しました

         

Netflixで武内英樹監督による2024年製作映画「はたらく細胞」(109分)を観ました

この映画は、人間の体内の細胞たちを擬人化した斬新な設定で話題を集め、テレビアニメ化もされた同名マンガを実写映画化したものです ある人間の親子の体内世界で働く細胞たちの活躍と、その親子を中心とする人間世界のドラマを並行して描いています

人間の体内には37兆個もの細胞が存在し、酸素を運ぶ赤血球や細菌と戦う白血球、そして血小板などの無数の細胞たちが、人間の健康を守るため日夜休まず働いている 高校生の漆﨑日胡(芦田愛菜)は、父の茂(阿部サダヲ)と二人暮らしをしている 健康的な生活習慣を送る日胡(ニコ)の体内の赤血球(永野芽郁)や白血球(佐藤健)などの細胞たちはいつも楽しく働いているが、不規則・不摂生な茂の体内では、ブラックな労働環境に疲れ果てた細胞たちが不満を訴えている そんな中、彼らの体内へ侵入を狙う化膿レンサ球菌、黄色ブドウ球菌などの病原体が働き始め、細胞たちとの闘いが幕を開ける

監督の竹内英樹氏は「翔んで埼玉」の監督です ユーモア溢れるストーリーと演出は「翔んで埼玉」を彷彿とさせ、何度も笑ってしまいました

最高に面白かったのは、トラック運転手の茂が暴飲暴食が祟り、運転中に急に便意をもよおし、トイレに行きたくても我慢するシーンです 茂の切羽詰まった表情が面白おかしいし、一方 彼の身体の中では、細胞同士が”ブツ”を外に出そうとしたり、出すのを押し止めたりしてせめぎ合うところが劇画チックで笑いを誘いました

また、白血球と外敵(病原体)との戦いのシーンでワーグナー「ワルキューレの騎行」が流れてきた時は、思わずのけ反ってしまいました

この映画は、マンガのように(元がマンガだから当然か)目で観て楽しみながら細胞の働きを知ることが出来るので、家族そろって気楽に観ることが出来ます お薦めします

         

今日はミューザ川崎シンフォニーホールに、洗足学園音楽大学のバレエ公演を観に行きます

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高関健 ✕ 小山実稚恵 ✕ 東京シティ・フィルでベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番」、マーラー「交響曲第1番」を聴く ~ フェスタサマーミューザ参加公演

2025年07月28日 00時01分09秒 | 日記

28日(月)。わが家に来てから今日で3849日目を迎え、トランプ米大統領は26日、自身のSNSで、軍事衝突が続くタイ、カンボジア両国と電話協議し、両国が「停戦にむけて協議することに合意した」と明らかにした  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

外国の紛争に口出しするのは 小さな政府を目指す共和党の方針に反する  トランプは何が欲しい?

         

昨日、ミューザ川崎シンフォニーホールで「フェスタサマーミューザ:東京シティ・フィル」公演を聴きました プログラムは①ベートーヴェン「ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73 ”皇帝”」、②マーラー「交響曲第1番 ニ長調 ”巨人”」です 演奏は①のピアノ独奏=小山実稚恵、指揮=高関健です

この公演も満員御礼です 高関健のマーラーですから当然といえば当然です

オケは14型で 左から第1ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、第2ヴァイオリン、その後ろにコントラバスという対抗配置を採ります コンマスは戸澤哲夫です

1曲目はベートーヴェン「ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73 ”皇帝”」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1809年に作曲、1811年にライプツィヒで初演されました 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ・ウン・ポーコ・モッソ」、第3楽章「ロンド:アレグロ」の3楽章から成ります

ピアノ独奏の小山実稚恵はチャイコフスキー国際、ショパン国際両コンクールに入賞し、オーケストラとの共演、リサイタルの開催と精力的に活動を展開しています

高関の指揮で第1楽章が力強い独奏ピアノとともに開始されます 小山のピアノは奇を衒っているところは全くなく、正攻法でベートーヴェンに対峙します 第2楽章はリリシズムの極致を行く演奏で、やっぱりベートーヴェンは緩徐楽章が素晴らしいな、とあらためて思いました 間断なく突入した第3楽章の冒頭、決然として入ってきた小山のピアノが、ベートーヴェンの強い意志を感じさせる素晴らしい演奏でした

満場の拍手とブラボーが飛び交うなか、カーテンコールが繰り返されました 小山はショパン「ノクターン第2番 変ホ長調 作品9-2」を緩やかなテンポでロマンティックに演奏、再び大きな拍手に包まれました

プログラム後半はマーラー「交響曲第1番 ニ長調 ”巨人”」です この曲はグスタフ・マーラー(1860-1911)が1883年から88年にかけて作曲、89年にブタペストで初演され、その後93年から96年にかけて改訂を加え、1899年にウィーンで初演されました 第1楽章「ゆるやかに、重々しく」、第2楽章「力強く運動して」、第3楽章「緩慢なことなく、荘重に威厳をもって」、第4楽章「嵐のように運動して」の4楽章から成ります

弦楽器は14型のままで、ステージ下手にハープがスタンバイします 指揮者の譜面台にはマーラーのスコアブックが置かれていますが、高関は一度も開くことなく暗譜で指揮をします 楽譜を見ないのに譜面台に置くのは、高関のマーラーの作品に対する敬意の表れです

高関の指揮で第1楽章に入ります 鳥の声を表すフルート、オーボエ、クラリネットの演奏が素晴らしい 舞台裏で演奏するトランペットのファンファーレはちょっと不安定でした 第2楽章では谷あかねのホルンが素晴らしく、またホルン8本がベルアップ奏法を見せました 第3楽章の冒頭は、ティンパニの下降動機に乗ってコントラバスが「フレール・ジャック」の主題を静かに奏でます 日本では幼稚園で歌われる「グーチョキパーで  グーチョキパー  なに作ろ~  なに作ろ~」のメロディーで知られています このソロが素朴な味わいがあって素晴らしかった ここでもオーボエ、フルートの演奏が冴えていました 第4楽章はマーラーの指定通り「嵐のように」激しい演奏が展開しました ホルンの重厚感溢れる演奏が際立ち、弦楽器が渾身の演奏を繰り広げます ラストではマーラーの指示通り、ホルンセクション8人(+トロンボーン1)が立ち上がり、勇壮なテーマを演奏しました

胸のすくような素晴らしい演奏に満場の拍手とブラボーが飛び交い、カーテンコールが繰り返されました 高関健 ✕ 東京シティ・フィルにとって、ヴィンヤード形式のミューザのホールで満員の聴衆に囲まれて拍手を浴びたことは、大きな成果だったのではないか と思います

東京シティ・フィルの定期演奏会では、カーテンコール時の写真撮影が不可なので、撮影が許可されるフェスタサマーミューザは貴重なシャッターチャンスです

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ジョナサン・ノット ✕ 東京交響楽団によるフェスタ サマーミューザ「オープニングコンサート」を聴く ~ ベートーヴェン「交響曲第8番」、ワーグナー「ニーベルングの指環」管弦楽曲集他

2025年07月27日 00時27分19秒 | 日記

27日(日)。昨日の朝日新聞別刷り「be」で国際パラリンピック委員会理事のマセソン美季さん(1973年~)が取り上げられていました 彼女は東京学芸大学1年時に交通事故に遭い、脊髄を損傷し車椅子生活となりました 1998年に長野冬季パラリンピックに出場し、アイススレッジスピードレースの500メートル、1000メートル、1500メートルで金メダル、100メートルで銀メダルを獲得しました その後、長野パラにカナダ代表として出場していたショーン・マセソンさんと結婚、カナダでの生活を始めました 2016年にはパラリンピックを題材にした教材「I'm POSSIBLE」の開発に携わり、活動が評価され、18年に日本人初となる国際パラリンピック教育委員に就任、21年に理事に選ばれました

すごい根性の持ち主だと思いましたが、私が興味を引かれたのは「I'm POSSIBLE」です 記事によると、「Impossible(不可能)」に「 ’(アポストロフィー)」を入れれば、不可能が可能( POSSIBLE)になる」という意味を表しています よくこういうことを考えつくものだ、と感心します ポジティブ・シンキングですね この教材は世界約40か国で活用されているそうです

ということで、わが家に来てから今日で3848日目を迎え、トランプ米大統領は25日、年初から続くドル安傾向について「眠れないほど心配することはない。私は『強いドル』を好む人間だが、弱いドルははるかに多くの利益をもたらす」と述べた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

昨今のトランプ政権のやりたい放題からすると  現在の通貨安はドルの信認低下とみるべきでは?

         

昨日の朝日新聞夕刊第1面に「土曜夕刊休止」の告知が掲載されました 朝日よ、お前もか!という想いです

夕刊廃止は全国的な流れです これを機会にネットで調べてみたら、朝日のほか、毎日、産経、東京も8月から土曜夕刊を廃止するようです 地方の新聞をみると、現在、朝夕刊の両方を発行しているブロック紙と地方紙(県紙)は河北新報、中日新聞、東京新聞、北陸中日新聞、北国新聞、京都新聞、神戸新聞、西日本新聞の8紙のみとなっています ここから東京新聞が抜けるので8月から7紙となります 新聞全盛期に新聞関係団体事務局で働いていた職員の一人としては、寂しいものがあります

夕刊廃止の背景にあるのは新聞配達における人材不足です 日本では現在 約3,000万部の新聞が新聞販売店の従業員によって戸別配達されています この従業員の確保、特に土曜日での配達体制維持が各社共通の課題となっているのです さらに新聞配送を担うトラックドライバーの不足が深刻化しているという問題を抱えています

新聞からテレビへ、テレビからネットへの流れは止めようにも止められません 新聞社は高い信頼度を背景に、新聞ならではの確かな情報を提供し続けてほしいと思います

話を朝日の告知に戻すと、土曜以外の夕刊で「音楽企画」を新たに始めると書かれているので、それを楽しみにしたいと思います

         

今年もミューザ川崎シンフォニーホールを中心に開かれる「フェスタ サマーミューザ KAWASAKI」が始まりました 昨日 ジョナサン・ノット指揮東京交響楽団による「オープニングコンサート」を聴きました    プログラムは①ワーグナー:歌劇「ローエングリン」より第1幕への前奏曲、②ベートーヴェン「交響曲第8番 ヘ長調 作品93」、③ワーグナー(マゼール編)「言葉のない『指環』(「ニーベルングの指環」管弦楽曲集)」です 今シーズンはジョナサン・ノットの東響音楽監督ラストシーズンです

満員御礼です ノットのオープニングはいつもそうですが、人気がありますね

自席は2CAブロックですが53番で、相当右の方です 通路側に近い席にこだわった結果です。オーケストラ・セット券は年々良い席が取りずらくなっています ミューザ川崎シンフォニーホールは世界的に音響の良さが認められていることが地元・川崎市の住民を中心に認識されるようになった結果かもしれません

開演前にノットによる「プレトーク」がありましたが、ノットの声を初めて聴きました カラヤンが早口で話しているような感じがしました(あくまでも個人の感想です)

オケは16型で 左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対抗配置を採ります コンマスはグレブ・ニキティンです

1曲目はワーグナー:歌劇「ローエングリン」より第1幕への前奏曲です このオペラはリヒャルト・ワーグナー(1813-1883)が中世の聖杯騎士伝説に基づき1846年から48年にかけて作曲、1850年にワイマルで初演されました

ノットの指揮で演奏に入りますが、第1ヴァイオリンによる研ぎ澄まされた弱音による繊細な演奏が会場に響き渡ります また、洗練された弦楽器とソフトな木管楽器とのアンサンブルがとても美しかった

           (顔にジョナサン・ノットのサインが)

2曲目はベートーヴェン「交響曲第8番 ヘ長調 作品93」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1811年から12年にかけて作曲、1813年にウィーンのルードルフ大公邸で私的に初演され、1814年にウィーンで公開初演されました 第1楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ・エ・コン・ブリオ」、第2楽章「アレグレット・スケルツァンド」、第3楽章「テンポ・ディ・メヌエット」、第4楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

弦楽器が12型に縮小され、ノットの指揮で演奏に入ります プレトークでノットは この曲について「ウィットに富んだ曲」と評し、「ウィットというのは、ユーモアと知性が合わさったもの」と語りましたが、まさにウィットに富んだ演奏が快速テンポにより展開しました とくに印象に残ったのは第3楽章「メヌエット」の中間部におけるホルンとクラリネットによるトリオです 牧歌的な雰囲気が醸し出されていて素晴らしかった また第4楽章はリズミカルであり、同時にコミカルでもあるように聴こえました この音楽も「ウィット」でしょう

プログラム後半はワーグナー(マゼール編)「言葉のない『指環』(「ニーベルングの指環」管弦楽曲集)」です 「ニーベルングの指環」は前夜劇と3日間の劇から成る4部作で、「前夜劇=ラインの黄金、第1日=ワルキューレ、第2日=ジークフリート、第3日=神々の黄昏」から成ります この楽劇は1853年から1874年にかけて作曲されました この曲をロリン・マゼール(1930-2014)が「管弦楽ハイライト集」として編曲し、1987年にマゼール指揮ベルリン・フィルにより初演して大成功を収めました

4つの楽劇のハイライト場面が時系列で演奏されます

「ラインの黄金」から「序奏」「ワルハラ城への神々の入場」「地の底で鉄を鍛える小人たち」「雷神ドンナーの槌」 ⇒ 「ワルキューレ」から「ジークムントの愛の眼差し」「ジークムントとジークリンデの逃避行」「ヴォータンの怒り」「ワルキューレの騎行」「ヴォータンと娘ブリュンヒルデとの別れ」「魔の炎の音楽」 ⇒ 「ジークフリート」から「ミーメの怖れ」「魔剣を鍛えるジークフリート」「森の囁き」「竜退治」「竜の嘆き」 ⇒ 「神々の黄昏」から「夜明け」「ジークフリートのラインへの旅」「ハーゲンの召集」「ジークフリートとラインの乙女たち」「ジークフリートの葬送行進曲」「ブリュンヒルデの自己犠牲」という流れで演奏されます

オケは16型に拡大、ステージ上手にはハープが2台、オケの後方にはティンパニ2台を中心に打楽器陣5名がスタンバイし、さらに2階正面のパイプオルガン下には打楽器4人が控えます 前半では下手に位置していたホルンが上手に移り、8人態勢(ワーグナーチューバ持ち替えあり)に拡大しています

ノットの指揮で演奏に入ります 冒頭の「序曲」はコントラバスの重低音から開始されチェロが加わり、そこに分厚いホルンが重なり、重厚感溢れる演奏が展開します この演奏でノットは一気に聴衆をワーグナーの「指環」の世界へ引きずり込みます フルオーケストラによる大迫力の演奏が繰り広げられますが、特に印象に残ったのはトロンボーンとホルンが咆哮する「ワルキューレの騎行」です 映画「地獄の黙示録」を思い出しました 「森の囁き」ではフルートの竹山愛、オーボエの荒木良太、クラリネットのエマニュエル・ヌヴーの演奏が爽やかでした 「ジークフリートのラインへの旅」はMETライブビューイングのオープニング・テーマとして使われているので親しみを感じました また、「ジークフリートの葬送行進曲」ではワーグナーチューバが大活躍し、重厚な音楽を繰り広げました 最後の「ブリュンヒルデの自己犠牲」が静かに曲を閉じ、ノットのタクトが静かに下ろされると、堰を切ったように満場の拍手とブラボーの嵐が湧き起こりました

ノットは「指環4部作」をこれまで3回演奏した経験があるそうですが、この日の演奏は、その経験を踏まえた自信に満ち溢れたもので、音楽監督として10年間率いてきた東京交響楽団との信頼関係が見事に花開いた素晴らしい演奏でした

         

今日もミューザ川崎シンフォニーホールに出かけます 高関健指揮東京シティ・フィルのコンサートを聴きます

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日本はもともと「ニ季」の国 / Netflixで韓国映画「84㎡」を観る ~ 騒音殺人事件 / 王谷晶「ババヤガの夜」、宮島未奈「成瀬は天下を取りに行く」、芥川也寸志「私の音楽談義」他を買う

2025年07月26日 00時01分06秒 | 日記

26日(土)。24日付の日経夕刊第1面のコラム「あすへの話題」で、実践女子大学教授の佐倉統氏が「そもそも日本は二季の国」という見出しのエッセイを書いています 超略すると次の通りです

「日本は四季が美しいのが自慢だったのではないかーと嘆きたくなるが、大阪市立大学の生態学者・吉良竜夫(1919ー2011)は50年以上前に、『日本はもともと二季の国だった』と喝破していた 「日本文化の構造」(講談社現代新書・1972年)によると、吉良は『日本は四季の別が明らかで、自然のめぐみゆたかな国・・・とは、かつての国定教科書のうたい文句だったが、本当はうるわしい春と秋の季節はあまりにも短い 日本の大半は、長い夏と長い冬の交代する国、蚊帳とこたつの交代する二季の国なのである』と述べている。快適な春と秋がなくなったのではなかった もともと短かったこの2つが、さらに短くなっただけなのだ 量の違い。程度問題

う~ん、そうだったのか、程度問題か とはいえ、この暑さが緩和されるわけではないしなぁ 希望としては春と秋が長くなってほしい 冷暖房がいらないので電気代がかからないからね なんと風流からほど遠い理由だろう

ということで、わが家に来てから今日で3847日目を迎え、トランプ米大統領は24日、改修工事が進められている英連邦準備制度理事会(FRB)の本庁舎を訪ね、工事費用の予算超過を理由に、自らの利下げ要求に応じないパウエル議長を批判しようとしたが、間違ったコストを示してパウエル氏に正される一幕があった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

トランプはわざわざFRBに乗り込んでパウエル氏に圧力をかけようとしたけど  逆に恥を晒したね

         

手元の本が残り1冊となったので、いつも通りジュンク堂書店池袋本店で文庫本・新書を9冊購入してきました

1冊目は芥川也寸志著「私の音楽談義」(中公文庫)です この本は芥川龍之介の三男・也寸志の生誕100年を記念して出版されたエッセイ集です

2冊目は宮島未奈著「成瀬は天下を取りに行く」(新潮文庫)です 本屋大賞を受賞して大きな話題を呼んだ作品です

3冊目は王谷晶著「ババヤガの夜」(河出文庫)です 英国推理作家協会主催「ダガー賞」を日本人として初めて受賞したミステリーです

4冊目は中山七里著「祝祭のハングマン」(文春文庫)です ご存じ「中山七里は七人いる」と言われるほどの多作家の最新文庫本です

5冊目は中山七里著「中山七里  短いお話ほぼ全部」(宝島社文庫)です 本書は未収録の短編やエッセイ等を集めた作品集です

6冊目は岡本和宣編「有吉佐和子 ベスト・エッセイ」(ちくま文庫)です 有吉佐和子著「青い壺」を読んで、これほどの筆力のある小説家は普段どんなことを考えて生活していたのかを知りたくなりました

7冊目はPha著「どこでもいいからどこかへ行きたい」(幻冬舎文庫)です 著者はカプセルホテル、サウナ、ネットカフェの常用者のようです

8冊目はノーム・チョムスキー著「誰が世界を支配しているのか?」(双葉文庫)です 「トランプの猛威、ガザの惨状、泥沼のウクライナ情勢、これらすべては2017年に本書によって予言されていた」というのが謳い文句です

最後の9冊目は佐々木敦著「『書くこと』の哲学~ことばの再履修」(講談社現代新書)です 「書くための理論と実践」が解説されているようです

いずれも、読み終わり次第toraブログでご紹介してまいります

         

Netflixで7月18日から配信が開始されたキム・テジュン脚本・監督による韓国映画「84㎡」(1時間58分)を観ました

この映画は高層アパートを購入し、念願のマイホームを手に入れた若い男性が、騒音の犯人と疑われたことで極限状態に追い込まれていくサスペンス・スリラーです タイトルの「84㎡」は韓国のアパートの一般的な間取りとされている32坪(約84㎡)に基づいています

若い独身男性ウソン(カン・ハヌル)は念願のマイホームを手に入れたが、ローン返済のため正業のほかにアルバイトをしてカツカツの生計を立てていた その上、彼は睡眠も十分にとれないほど謎の騒音に悩まされていたが、下の階の住人にウソンが騒音の犯人だと疑われたことから、ウソンは犯人を突き止めるべく行動を開始する やがて、すぐ上の階の住人ジノ(ソ・ヒョヌ)が一緒に犯人探しに加わる 一方、ウソンは莫大な借金を1日でも早く返済するため同僚の誘いに乗りビットコイン投資を始める 順調に利益が上がっていたが、犯人に仕立て上げられ警察に逮捕されたことから、売買取引に失敗してすべてを失う 2人の推理により最上階に住む大家”が、家賃の支払いが滞っている住人を追い出そうとして、騒音問題をでっち上げたのではないかという疑念が浮上する 果たして騒音の真犯人は誰で、どういう理由で騒音問題を起こしたのか

この映画で描いているのは、単なる騒音トラブルではありません 韓国における住宅事情、特に急激に上昇する不動産価格と、それに伴う住宅ローンの重圧が根幹に横たわっています ソウルなどの都市部で不動産価格が高騰し、若い世代や中間層が住宅購入に苦労し、ローンの返済のため生活を切り詰めながらの生活を強いられているという現実があります

しかし、これは韓国に限った問題ではありません 日本においても東京など大都市圏での不動産価格の高騰があり、今やマンションから億ションの時代に移ったと言われています 昨日(7月25日)付の日経朝刊は「中古マンション価格最高 6月東京23区2か月連続で1億円超」という見出しで、「東京カンテイの調査によると、東京23区の中古マンションの6月の平均希望売り出し価格は前月比2.4%高の70平米あたり1億333万円になった」と報じています 中古でさえこの有様です 今住んでいるマンションは築30年になりますが、メールボックスには毎日のように「お部屋を売りませんか?」「無料査定します」などのチラシが入っています 実際、ここ2~3年の間に部屋を売却して出て行った居住者が複数います 個人的なことを言えば、東京圏のコンサート会場にドア・トゥ・ドアで1時間以内で行ける現在のマンションを売る気はありません

話を戻します 本作はスリラーサスペンスとしてとても面白かったです 「楽して金儲けをしよう」と思っても、そう簡単には上手くいかない、という教訓もありました

         

今日からミューザ川崎の”熱い”夏「フェスタ サマーミューザ」が始まります   今日はジョナサン・ノット ✕ 東京交響楽団の「オープニングコンサート」を聴きに行きます

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