今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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シャッター地板クラックのPEN-S 3.5

2013年04月11日 21時43分08秒 | インポート

Dscf047001 シャッター不調で来たPEN-S 3.5 #1200XXですけどね。点検すると、シャッターの地板にクラックが入っています。これは過去にも何度か経験したことがあります。小型に設計をするため、地板などの強度が足りず、レンズ部分に圧力のストレスを受け続けていたような個体に多い故障です。地板の交換が必要ですが、このシャッターは、長く生産されており、製造時期によって、部品が微妙に変化しており、(組むことは出来ます) 神経質なシャッターですので、別のシャッターを作って交換することにします。

Dscf046903 の部分にストレスが掛かって、クラックが入ってしまいます。

Dscf047101 在庫のシャッターをオーバーホールしています。特に問題はありませんね。

Dscf047201 完成した新しいシャッターユニットを搭載完了です。

Dscf047301 シャッターユニット交換終了です。オーナーさんは、このカメラをカバンに入れて撮影を続けていらっしゃいますので、この個体に対する愛着は非常に強いものがあります。そこで、今回は、心臓部のシャッターユニット交換で復活させました。これからも、愛機として活躍してくれるでしょう。

Dscf047401 少し時間が空きましたので、笹原ペンさんから来ていた、セイコー・チャンピオンをオーバーホールします。ケースはEGP(金めっき)のため、すでに消耗した状態です。機械は、特に問題は無い状態ですので、さっさと超音波洗浄のあと組立てています。

Dscf047501 途中の画像は撮り忘れました。片振りの調整が完全に出来ませんでしたが、まずまず実用精度は出ていると思います。文字盤と針は大人しいサラリーマンタイプですね。金めっきのケースは、11時のラグが内側に1mm曲がっていて、それに合わせてベルトの取り付け幅を詰めてありましたよ。メッシュのベルトはすごいなぁ、良くここまで使ったと思いきや、表面をペーパーで削ったようです。このベルト、汗汚れがしみ込んでおり、何度、超音波洗浄をしても洗浄液が黄色に汚れるのには閉口しました。風防もクラックが多いですが、今回はこのままとします。

Dscf047504 追加で時計が到着しました。セイコー・ゴールドフェザーと言うモデルで、1960年代の薄型高級機になります。25石で、ケースは14Kの金張りです。しかし、残念なことに、ケースはかなり消耗しています。また、文字盤の赤変色ですが、これはメーカーの製造上の問題のようです。機械をオーバーホールしておきました。

Dscf047601

ケースは流石にラグなどの剥離はありませんが、裏側リュウズ部分などは剥離をして、真鍮材が摩滅しています。当時は、薄型が流行していた時代で、シチズンの薄型時計デラックスを抜いて、一番薄い腕時計だったとのことです。ケースの厚みは約7.5mmです。当時は、相当高価な時計だったようですね。文字盤とケースの状態が良ければ、現在でも高値となるモデルです。ジャバラのベルトを付けて完成です。


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