富田パソコンサークル (Tomita PC Circle)

京都の京丹波町富田の「公民館」をホームに活動するパソコンサークルのブログ。

イージス艦

2008年02月24日 | Weblog
「差し迫った危険性はなかった」というイージス艦からの
声には、この寒い海で未だ確認されない2人とともに
愕然とさせられる。

「危険」という認識は、どこに対してどういうモノとして
感じているんだろうかと改めて
「自衛隊」という名の軍隊に気持ちが行く

相当の軍備と装備と堅固な鋼におおわれた「イージス艦」にとっては、
このご時世に「危険」を意識もしていなかっただろうし、
この国の近海に、まして彼らの思う「差し迫った」危険が
イージス艦に搭載された最新鋭のレーダーに映るはずがないものと高をくくっていたに違いない。
ひょっとしたら、ハワイからの帰りに、日本近海に入って
もはや、レーダー機能の電源を落としていたかも知れない。
だからこそ日本近海に入ったとしても「自動航行」にして、
陸に上がったらナニをしようかと思いを巡らしていたのに違いない。

が、しかし数隻、十数隻で操業していた漁船にとっては
向きも変えずに、どんどん近寄ってくる
巨大な恐怖がまさに「差し迫って」いたのである
洋上の巨大な怪物は、死と直面させて襲いかかってきたのだ。


命をかけた恐怖に逃げまどっている漁船団の危機に対しては、全く気がいかない。
自分たちがどういう「姿」をして、どういう畏怖を与えているかさえ
イージス艦には見えていなかっただろうか。

自分たちは、いざとなれば「殺戮」や「破壊」を担う
軍隊であるという意識が、本来持つ人間の優しさのそばに同居していない。

仮面のような無表情な大臣ともに、こうした身勝手にして、薄ら寒い
コメントを耳にする。

彼らは自分の使命を「国防」とよんではばからない。


しかし、僕には、「国」を守るけれども、「国」というモノの本質に
優しさや正義が至っていないような事件に思える。
そこに住む人の命を奪って、しかも無神経に・・・
レーダーの粋を凝縮した装備を集めていながら、ナニも感じていない。
・・・・・・・ナニが国防なのだろうか

この種の話は、衰退していく国のありように重なって思える。
例えば、国家や自治体の財政は悪化して、「福祉」まで
削らざるを得ないと行政は説明を繰り返す。
しかし、行政の根本にある納税者への「福祉」を削って、ナンのための
行政なのかという視点が見えない

さらに、行政の破綻や赤字にいたる責任感も見えないでいる上に
「ボーナス」の支給分が確保され、身分は断じて保証されている。


イージス艦の全ては、国への納税で購入された
国民のモノであるけれども、寒い海にその中の2人をたたき落としておいて
そこに乗り組んでいたもの達は、顔を見せずに、身を隠して守られている。
無表情で、まるで「評論家」そのものの論理で、
釈明に追われる大臣がテレビに大写しになる。
見た目も中身も「吐き気」すら感じてしまう。


国を守ることは、民を守ることとは違うのかとさえ疑う。
銃弾は、敵にではなく味方に向けて発射された事実が軽すぎて見える。
ところが、このありようは、特別、自衛隊だけの問題でないところに
防衛省の開き直りにもつながっても見える。
軍事とはいえ、こんな不祥事は例えば公務員の飲酒交通事故のケースと同じで
彼らだけではないとその程度の話で考えているんではないのかと・・・
ことは、「国」を守るということの意味を見つめているかという問題なのに

「国民のため」といいながら、
財政改革、構造改革と唱えて「コイズミ」が
国の防衛にも市場論理を持ち込み、あの「守屋」を重用したと聞く
根本が置き去りにされていることと無縁ではなさそうやし
「国」の財政とは結局、国の組織のための財政であって
切って捨てたものは「民」やったんやなって今頃気づく。

イージス艦は、「海」にだけ数隻いるわけではない

いつのまにか、じゃぶじゃぶ税金を使い続けて、足下が見えなくなるほど
図体だけを巨大化して、ちょっとした危険にも回避も出来なくなった
「イージス艦」のようなものが、僕らの身の回りに
「差し迫っている」気さえする
「財政赤字」というレッテルを、堂々と見せびらかしている
そこいらにある「箱物」もその例外ではない。


僕らの生活を止めることは、出来ない
環境を維持することさえぎりぎりのところまで追いやられている。


ところが、苦し紛れに打開策を思いやっても、出てくる話は
未だに「議員」さん頼みとか行政への陳情などと、
いっこうに「ここ」に至った事態に懲りてもいない。

実は、こうしたありようが、多くの「イージス艦」のようなもの、をこしらえた遠因だと言えなくもないのに・・・

ここに至っては、もう我々にある反対側のこうした無神経さや
無関心と地域エゴから抜け出さないと
ただ単に図体を巨大化して、とうに肝心な危険性への
レーダーの感度など失せた陸にも海にも存在する「イージス艦」のようなものの
身勝手な自動航行が持つ危険から、自分の船の舵は切れません。
・・・せめて、こっちの側だけでも、感度を上げていないと