「大人の感想が子どもの感想になってしまわないように、本を読んだ後、感想を言わない。」
というのが、お兄ちゃんの頃から、ずっとずっと、マイルールだったのだけれど、2回目に「ジェインのもうふ」を
読んだとき、つい、言ってしまいました。
「大人って、本当に子どもの気持ちがわかってないよねー」と。ジェインのぼろぼろの毛布を、お母さんが片づけ
てしまった場面です。「しまった!」と思ったのですが、娘から、意外な言葉が。
「そお?ジェインこそ、ちっともわかってないと思うな。」
なんと、娘さん、ぼろぼろの毛布は必要ないというお母さんの話を聞かないジェインこそが、何にもわかっていない!
と言うのです。
えー!えー!えー!
母の感想に、堂々と反論する娘にも驚きましたが、何より、ジェインこそが、わかっていないというのが、
驚きでした。だって、子どもは、ジェインに感情移入するものじゃないの?
母のびっくり顔の横で、娘さんが言いました。
「新しい、お姉さん用の毛布の方が、ずっといいよ!」
それから、数日のこと。
そろそろ、サンタさんのお手伝いをしないといけないかしら?と思い、娘に、何を頼むの?と
聞いてみたところ・・・。しばらく考えたのち、
「毛布。」
えー!えー!えー!
一瞬、何かの聞き間違えかと思い、聞き間違えでないとわかった後も、驚きのため、次の言葉が出ず。
きっと、そのうちに気も変わるだろう・・・と思っていたのだけれど、
その後、お父さんや、近所のママたちに、「サンタさんに何をお願いしたの?」と尋ねられる度、
「毛布。」
と。これは、もしかして・・・・・・・・本気?
娘が、「毛布。」と答えた時の大人の顔が、また、みんな揃って同じなのが可笑しいのですが、
(「意表を突かれた」とは、まさに、このことという顔です)
ビックリ仰天で、しつこく質問する父さんに、
「だって、ちゃん、もーもが欲しいんだもん。あのね、ちゃん、ジェインにはまってるの。」
と言ったのが、さらに笑いました。
そうか。もーも(ジェインは、毛布のことを「もーも」と呼びます)が欲しかったんだ。
お姉さん用の毛布がいいのに、もーもなんだね。
しかし・・・。正直、毛布なんて、そのへんで安売りしているものを買えば良いという価値観だったから、
それをプレゼントに、と言われても・・・・という思いと(うちに人数分あるし)、あとで、お友達がみんな「おもちゃ」を
頼んだことを知り、クリスマス直前に、気が変わるのではないか?という思いが交錯します。でも、父さんは、
「毛布が欲しいと言っているんだから、毛布にするしかないよ。」と、きっぱり。
そうだよね。そりゃそうだよね。わかってるよ。わかっているのよ。
で、「毛布」のプレゼントが届くところを、毎日、想像してみました。そして、ようやく・・・
長いこと楽しめるし、何より、毎日、毎日、サンタさんを想いながら寝るんだから、意外と、一番の
クリスマスプレゼントかもしれないぞ?と、思えてきた母なのでした。
よーし。いっちょ、探してみますか。
「サンタさんのプレゼントなんだから、きっと、ふわふわで、トナカイの絵だと思う!」
などと、娘の妄想がふくらみすぎているのが、ちょっと難なのだけれど。