ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

人工知能の上手な使い方 アイデア広場 その575

2020-05-31 18:04:34 | 日記


 人工知能(AI)は知らず知らずのうちに、いろいろな分野で使われるようになってきました。特に、AIの有用性を上手に使い始めたのは、ラジオ番組になります。会話特化型の音声AIが、パートナーやゲストと会話をして聴衆者を楽しませています。楽しい気分になれる曲というリクエスト受けると、最適な曲を10秒以内に選曲して流してくれます。楽しい気分になれる曲を10秒以内に選曲して流すことは、人間にはできない芸当です。ラジオ用のAIは過去にオンエアされた曲などを1万近くデータとして蓄積しているといいます。もしこれが、選曲だけでなく、試験問題に応用できれば楽しいことになります。東大や一ツ橋大、そして慶応早稲田の過去問を、10秒以内に教えてもらえれば、受験勉強もはかどることになるでしょう。問題の成就度を分析して、自分の受験勉強が、どの程度のレベルになっていることが分かれば、モチベーションも上がることになります。
 そこで、これから人間と共生のできるAIのこれからの可能性について考えてみました。定式化された仕事は、AIの仕事に置き換わっているようです。単純作業が、この機械に代替されています。複雑な作業でも、いくつかの単純な作業に分ければ、AIに代替されることが多くなります。AIは過去のデータや統計に基づいて、最適な答えを導き出すことが得意です。アルファ碁が、プロの棋士を破ったことは衝撃でした。でも、何百年にわたって蓄積してきたプロ棋士の優れた棋譜の存在があっために、最初から筋の良い勝ち筋を見つけられたともいえます。良い学習データがあったからともいえます。MRIなどの画像診断では、専門家の能力を超えるAIも登場しています。アメリカでは、感染症の診断で類似の病状を探す場合、AIを活用するケースが増えているとも言います。法律家の知識を結集した判例なども、AIが得意とする分野になりつつあります。法律の補助的作業をしているスタッフが、解雇される事例が増えています。これなども、AIが法律の分野に進出していることを示しています。定式化されたことは機械に任せれば、人間の仕事は減ります。その代わり、人間は豊かさを追求できる創造的活動に費やす時間は、増えるともいえるわけです。AIは、人間の生活を豊かにする可能も持ち合わせています。
 AIがいろんな分野で使われ、その特性が研究される中で、今までベールに包まれていた姿が少しずつ現そうとしています。もっとも、ベールが完全にはがれたわけではありません。アルファ碁が、「なぜその手を選んだのか」という過程は説明できていません。AIの数値化による形勢判断が、プロの棋士に達の感覚と異質なものです。プロの棋士によると、自分の形勢判断とAIの数値を同化させることが難しいといいます。プロの棋士が集合知を結集して、AIの選んだ難しい思考過程を言語化できれば、秘密に一歩迫れることになれます。AIの選んだ思考過程を言語化できれば、この言語を使用して人間の側も困難な課題解決をすることができるようになります。プロの棋士の役割の一つが、この言語化の解明になるかもしれません。
 AIには苦手な分野があります。この機械は、A過去のデータがない分野では、力を発揮できないことも分かってきました。今回のコロナショックでは、株価が大幅に下落しました。この予想は、できなかったようです。AI取引を行っていたデーラーに損失が多く出たともいわれています。プロ棋士の指摘によると、A Iの読む時間が半分になると、強さが下がることがあると言います。読む時間や考える時間が、半分になるといわゆるレーティングが下がるというわけです。もしそうならば、考える時間を長くすれば、強くて正確なAIになることになります。間違いの許されない作業や速さと精度が求められる作業には、強いAIを使うことになります。いわゆる能力が高く電力を多く使うコンピュータが必要になるというわけです。別の見方をすれば、適度な速さで適度な精度で電力をあまり使わずに、低コストで操作性の良いAIも考えられるわけです。これからは、低コストで操作性が優れ、そしてそれなりの能力を持つAIも選択肢になるということです。
 AIの得意技から、どういう職業がAIに代替されやすいか見えてきました。安定して観察される事象については、AIは筋の良い仕事をするようです。例えば、不正経理を発見する方法があります。コンピュータに、社内の経理データを読み込ませます。経理データの正常な状態とは異なるパターンを見つけ、杜内の不正な経費を発見する仕掛けを作るわけです。正常なパターンを学習することで、現在のデータを解析し、異常かどうかを判断していきます。人間と違い、疲れを感じることはなく、24時間稼働し続けます。今まで人間が担っていた会計や経理の分野に、進出してきた理由が理解できます。農家が減っても、野菜は完全自動化された植物工場で作られます。農作業の複雑な仕事を単純化して、いくつかの工程にわけて、ロボットを使えば可能になります。
 単純な工程になれば、自動化も可能になります大量のデータを収集し、分析、整理ができるAIの技術を生かし、今では競馬の予想も行う番組も現れています。必ず、儲かるという競馬予想ができれば、面白いです。でも、これは不可能のようです。機械の性能の問題ではなく、公営競馬の仕組みから無理なのです。公営競馬は、100円の掛け金に対して80円の払い戻しを行います。AI予想が、百発百中でもあたるごとに、20%ずつ損をしていくことになります。もっとも、間違う人間がいるから、儲かるというのであれば、それは正論になります。
 戦いは、有利な場所で戦うことが古今東西の戦略です。融資関係の仕事においても、ベンチャー企業への融資は、AIには難しい領域になっています。融資の審査は、過去の実績担保の価値が大きな判断材料になっています。担保となる資産のないベンチャー企業を査定する判断材料の蓄積がないために、AIの活躍の場になっていないのです。ベンチャー企業は、変化の多い時代には、大きく台頭する傾向があります。このような企業を支援しておくことは、銀行の経営を安定させることにつながります。急激に変わる競争分野での企業経営の判断は、まだまだ人間が担い続けることになるようです。もう一つの見方があります。豊かさは「何か」ということです。美や創造性、そして信念の世界に君臨する宗教の達人には、まだまだAIは近づけないかもしれません。できないことは、できる可能性があることです。AIの技術を美や創造、そして宗教に融合させて付加価値の高いものを作り出すことができるかもしれません。もしできれば、そこには大きなチャンスがあるはずです。