ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

ビジネスの視点から可愛いを分析 スモールアイデアNO321

2019-08-28 20:06:50 | 日記

 最近は、「可愛い」を一つのコンセプトにしたファッションや商品が出現しています。可愛いは、漠然としていてなかなか対象として捉えることが難しいものです。でも、可愛いは、日常生活でよく体験しています。たとえば、乳幼児の笑顔を見ると親は自然と笑顔になってしまいます。これは、可愛いという具体例のひとつです。また、子犬や子猫を見ると、癒やされる人びとがいます。これも、可愛いのひとつの姿になります。また、可愛いの代表として、有名なモデルにデイズニーランドのミッキーマウスがいます。世界中で愛されるこのキャラクターが登場したのは、1928年でした。最初は、やんちゃでいたずら好きのキャラクターでした。これらの「可愛い」には、特徴があります。
 そこで、この可愛いについて考えてみました。初期のミッキーマウスは、頭が小さく手足も長かったことが分かっています。このキャラクターは、時が経つにつれて、頭が大きくなり丸みを帯びていくのです。ミッキーマウスだけなく、人気のあるキャラクターやくまモンなどのぬいぐるみは、胴体に比べ頭部が非常に大きく、手足が短いものがあります。頭部が非常に大きく手足が短いものは、かわいいと感じられることが分かってきました。ある分野のプロはかなり以前から、この事実を知っていました。それは、写真屋さんです。写真屋さんは、写真を撮るときは、あごを引いておでこを前に出し上目づかいにするとステキに見えることを知っていたのです。彼らは、アゴが小さくおでこが広く写ると可愛く見えることを経験的に知っていたわけです。「カメラを見て下さい、アゴを引いて、はい、チーズ」には、理由がありました。アゴ小さく写り、おでこが広く写ると可愛くなります。この言葉は、可愛く写真を撮る要素が凝縮していたのです。蛇足ですが、乳幼児も子犬や子猫も、そしてミッキーマウスも頭が大きく、手足が短いのです。
 近年は、これらの経験則を科学的に再現できるようになってきました。たとえば、デジタル映像で子犬の顔を長く作成します。この長い子犬の顔を、連続的に丸顔にして作業をします。すると、丸くなるにつれて、子犬が可愛くなっていくのです。顔が大きく、目が大きい場合、可愛いとみられます。これをビジネスに利用したものが、プリクラです。可愛いを演出するためには、まぶたを二重にし、カラーコンタクトを入れて瞳を大きくすることが一般的です。最近のプリクラやスマホの写真には。目を大きく加工する編集機能がついています。この写真の加工する編集機能は、大きくて丸い目はかわいさを作り出すことに関係しているわけです。目は大きく、鼻は小さくすると可愛いとなります。顔を連続的変化させる技術があれば、もちろん目や鼻を操作することも可能です。目や鼻などを希望の形にしたい方には、デジタル映像の世界では実現が可能になっています。
 可愛いを実現するだけでも良いという人は、多いとようです。でも、それだけでは楽しくありません。可愛いを、より積極的に活用する仕組みを考えたいものです。可愛いものは、「快」であるとする心理学者がいます。この見解は、大部分の研究者に受け入れられているようです。快は、人間を活動的にします。活動的な人は、可愛いものを見るとパワーアップするようです。ある実験では、子犬などの幼い動物(可愛い動物)を見た後の成績の向上率は35%で、おとなの動物をみた後では9%などという結果が出たようです。もっとも、この成績の向上率は、平均値です。可愛い動物をみた後に、成績の下がった人達もいたのです。可愛いを見たり触れたりすることで、全ての人の成績を上げることはできません。でも、ある特定の人びとには、効果を上げる手段になるかもしれません。この特定の人を囲い込めば、いくつかのビジネスが効率的に行うことができるでしょう。
 最後に老婆心ですが、尖った形より丸い形が好まれます。お店のテーブルは、四角より丸形が良いことになります。かわいいものを見ると自然と笑みがこぼれるので、気分が良くなることが分かっています。ですから、ビジネス目的で作られたキャラクターは、消費者に好まれるようにより幼い体型に変えていくことになります。可愛いは、主観的と思われがちです。でも、よく見ていくと、そこには一定の様式があるようです。商品開発では、可愛いを演出することと、機能面での充実をはかることが成功につながるかもしれません。