ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

時代の変化・社会の変化・異端の存在  アイデア三題噺 238

2019-05-28 21:52:53 | 日記

 一つの出来事が、時代を変える流れをもたらすようです。350万年前ごろ、パナマ海峡は、大西洋と太平洋がつながっていました。この海峡の隙間によって、双方の海からの海獣は自由に交じりあって交流していたのです。太平洋と大西洋の生き物は、同じような進化を遂げていったわけです。一方、パナマ海峡によって陸上の動物同士の往来は遮断され、南北は孤立したまま動物の進化を遂げてきました。ところが現在ようにパナマ海峡が閉鎖されると、太平洋と大西洋が分断され、お互いの生き物は独自の進化を遂げることになります。この変化により、南北アメリカは陸続きになり合体してしまいました。このことがもたらした陸上の変化は、北アメリカにいた小型の哺乳類が南へ侵入したことです。南へ侵入するルートの成立は、南アメリカの驚くほど多様であった動物相が大きく破壊していったのです。
 そこで、世の中の変化やものの見方が変わったときに何が起こるのかを考えてみました。南北アメリカの合体や離反が、この地域に大きな生態系の変化をもたらしたことは分かりました。ものの見方も、変わると面白いことが起きます。スカトールは、哺乳類の糞が放つ悪臭の主成分で、いわゆるウンコの匂いがします。ジャスミンやオレンジの花には、低濃度のスカトールが含まれています。この匂いを薄めていくと、甘い花の香りに変わるのです。この性質を利用して、微量のスカトールが配合されている香水も数多くつくられています。薄めたり濃くしたり、量を多くしたり少なくしたりする工夫が、優れたものを生み出しているようです。例えば、グーグルには、量が質に転換するという言葉があります。データの量を増やしていくと、いずれ質的に転換する時期がくるというものです。ビックデータは、このような発想から生まれました。現在では、ビックデータを制するものは時代を制するといわれています。その意味で、グーグルは時代の変化を盗み取っていた会社なのかもしれません。
 人は保守的な動物ですが、知識を獲得しようとする動物でもあります。人は知識を獲得するだけでなく、別の形に加工して発信することも行っています。面白いことに、知識の獲得量や発信量で他人と比較する性癖があるのです。人間は社会的動物のためか、他人と比較されることに敏感です。多くの人は、比較されたり、比較することにより、利己的傾向を強めていくようです。でも、ここにも異端の人はいるのです。他人と比較してしまうことで、利他性に目覚める人もいるのです。
 この異端の人の中には、自分にとって不愉快な情報を探索する人がいます。自分の生活や能力を削っても、自分の生き方を選ぶ人もいます。嫌な情報には触れたくないということが、普通の人です。自分の好みの情報を集めることが、一般的な流れになります。それに逆らいながら、他人に対してあえて尽くそうとする人達です。この異端の行動を追跡していくと、面白いことに気がつきます。彼らは、いつまでも成長を続けていくのです。この成長を続けていくヒントが、筋肉のトレーニングにありました。筋肉が発達するためには、一度筋繊維を傷つけるというトレーニングを経なければなりません。傷ついてた筋繊維を修復しようと人間の持つ再生作用が働くわけです。再生が終了すると、以前よりも強固な筋繊維が作られ、より高い筋力が出せるようになっています。一つのの試練が、より高いレベルに人を押し上げていくのです。地質時代からの動物を見ていると、時代の変化に見事に対応してい動物は、少数派に属するものです。いわゆる異端といわれる種は、変化する環境や社会を乗り越えてきたことを、過去の歴史が示しています。