生まれたばかりの赤ちゃんは、脳の神経細胞が整っています。赤ちゃんが話せるためには、喉の構造がしっかりしていなければなりません。生後3ヶ月ぐらいまでは、喉の構造がチンパンジーと同じで、声は全部鼻に抜けてしまうのです。ですから、「オギャー、オギャー」としか言えないのです。喉の構造ができてくる3ヶ月以降は話せるようになるかというと、そうはなりません。赤ちゃんは学習をしながら、言語を操るようになるのです。この時期、意味の分からない言葉でも親子の応答が行うことが大切です。fMRIは、赤ちゃんの生きた脳の働きを直接観察できるようになってきました。
そこで、子どもの能力の発達をより良く伸ばす方法を考えてみました。生まれたばかりの赤ちゃんには、外反母趾がありません。この症状が出てくるのは、中学1~2年生当たりからです。外反母趾は、女性に多い症状です。ハイヒールなど足に負担のかかる履き物を履くようになると、高い頻度で生じるようです。自然に成長する流れに、無理な力がかかっているのかもしれません。スポーツでも、悪い姿勢で練習をしていると、スポーツ障害を起こします。スポーツでは、姿勢が大切といわれます。英語の覚え方は、スポーツとよく似ています。この語学を学ぶときに覚える中枢は、大脳皮質になります。英語を習得するときも、スポーツと同じように繰り返す練習が基本になります。練習をすればするほど、反応が速くなります。練習を繰り返すことで、英語やスポーツの意識的情報処理が、大脳基底核にコピーされるのです。コピーされると無意識にスポーツの動作や英語の聞き取りや読みができるようになります。
日常のあいさつなどは、無意識のうちに行われます。一度覚えた自転車や水泳の情報が、大脳基底核にある限り、自由に使えることになります。蛇足ですが、英語が自由自在に話せるようにしたければ、大脳基底核に英語の情報処理を刻印してしまうほど練習や実践を繰り返すことが必要です。昔は、てんかんの発作がひどい子どもに、大脳の左半球を取り除く半球切除という手術をしたそうです。大脳の半分を取られた子どもは、失語や右半身麻痺になります。でも、10歳前にこの手術を受けた子どもは、麻痺は少し残るけど、言語機能は戻っていったそうです。大脳は、言語や記憶、そして判断という高次機能においても融通の利く中枢ということです。
子どもが成長していく中で、適切な刺激と環境を提供すれば、高い成長を示します。反対に、不適切な刺激と環境を用意すれば、望ましくない成長をみることになります。子どもの経験する全てのことが、子どもの成長の糧になることを理解することが大切になります。できるだけ良い刺激と環境を、大人は用意していきたいものです。