ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

移民のしやすい地域としにくい地域  スモールアイデア NO 127

2018-05-03 16:25:20 | 日記
 スイスは、観光立国であり、高級時計に代表されるように精密産業のメッカともいわれる豊かな国です。でも、今問題になっているムスリムの方の定住は少ないのです。移民反対を叫ぶ国は、EUの周辺国であるハンガリーやポーランドなどにみられるようです。でも、それらの周辺国にムスリムの方が、異動しつつある現実もあります。もちろんそこをベースにして、フランスやドイツに入国することを求めています。歴史を振り返れば、スイスの時計産業は外国人がもたらしたものです。プロテスタントのカルヴァン派が、カトリックに追われてスイスに亡命した時期がありました。その亡命者の中に、時計職人がいたのです。職人は、スイスの清んだ環境を味方にして時計工業を発展させていったのです。でも、今は富裕層でなければ、スイスに移住することが難しいとされています。
 そこで、移住しやすい地域としにくい地域の特徴を調べてみました。スイスの観光地でハンバーガーを買えば、日本で1個の300円のものが、1000円も請求されます。今、大きな問題となっているシリアの難民の方は、裕福ではありません。物価の高いスイスに、入国できる条件にはないのです。一方、移住の国として人気のある国は、ドイツやフランス、そしてイギリスになります。豊かで働く場所のある国へは、貧しい国の人々は移住していきます。これは、古来より行われてきた人口移動の原則です。でも、スイスはその原則を跳ね返しているようです。スイス以外に、跳ね返している地域はないのでしょうか。
 アメリカにありました。カリフォルニアにアサトンという村は、村の人がすべて大金持ちなのです。この大金持ちの村は1960年代以前に、アジア人やカラーには土地を売らないという拘束が共有されていました。でも、この拘束は公民権運動で批判され、法的にも無効であることになりました。無効になり誰でも自由に土地が買えるようになったにもかかわらず、アジア人やカラーの人々がこの村に居住することはありませんでした。アサトンの住人たちは他から移住者を入れない工夫をしたのです。それは、厳しい土地利用のルールでした。土地は、「こういうふうに利用しないといけません」と細かく規定したのです。一見、アサトンのルールを守っていれば誰でも土地を買っていいという形にしてあります。実質的には、白人のお金持ちにしか守れないレールだったのです。村のルールが、公民権の大義名分を無力化してしまう仕掛けになっていたのです。
 移民の受け入れと回避の問題は、これからも先進国で継続的に論争されていきます。余談ですが、外国人観光客にも同じような相克があります。民泊の利用などを見ても、マナーの問題が出てきています。来てほしい観光客と、来てほしくない観光客がでてきます。そんな中で、利益だけでなくマナーを守る旅行者を増やすことが求められます。外国人観光客を増やすだけではなく、マナーを守る観光客を増やし、適切な利益を上げる工夫をしていくことになります。工夫は、個人のレベルでも、地域のレベルでも状況に応じて行うことになるでしょう。良い知恵を出し合って、日本も外国人観光客もウインウインになる関係を築く知恵を出していきたいものです。間違っても、悪知恵にならないように配慮するすることは、心ある国民のルールになります。