東京大学運動会ヨット部

東大ヨット部の現役部員によるブログです。練習の様子、レース結果、部員の主張から日記まで。

杣道

2024年06月27日 23時45分57秒 | 通常練習
お世話になっております。4年470級チームリーダーを務めております、山本航平です。
まずは先日開催されました関東個人選手権のリザルトを報告致します。

27位 4829 北村/槇枝 17-33-(52)-26-30 106点
30位 4791 安藤/山本 45-14-16-37-(BFD) 112点
34位 4692 澤田/西間 15-40-(60)-24-53 132点
46位 4452 成相/秋田 42-21-59-42-(68) 164点
53位 4579 松本/五熊 36-54-53-58-(BFD) 201点
78位 4303 大下/能登谷 (86)-74-73-60-74 281点
81位 4357 林/山本丈 71-(86)-80-78-71 300点
86位 4319 太田/相川 59-(RET)-DNC-DNC-DNC  332点

まずはじめに、土曜日に来ていただいた天木様、日曜日に来ていただいた工藤様、本当にありがとうございました。他のLB様も含めて、引退しても部活に足を運んでくださること、この場で深くお礼申し上げます。
結果は目標としていた1艇以上の全日本個人戦突破を達成することができず、大変悔しいものとなってしまいました。春インカレで惨敗してから、ペアや船を変えたり、平日の時間の使い方を見直してみたり、コーチとの連携を改善させる試みをしたりと工夫をしてきましたが、満足の行く結果を得ることができなかったことについては、真摯に受け止めなければならないと考えています。
正直な感想としては、全日本の切符はかなり高いところにあるのだと痛感しました。こと470級について言えば、ボーダーの選手がカット有りで64点なので、1レース平均で16点がボーダーという結果でしたが、それはたとえば僕たちのペアで言うところの2・3レース目の点数を取り続けてやっと、ギリギリ全日本選手権に出場できるかどうかというボーダーだということになります。下級生たちから見たら、もしかしたら「じゃあ叩かなければギリギリ行けたかもしれないじゃん」と思う人もいるかもしれませんが、ヨットレースは不確実なもので、毎レース同じくらいの点数でまとめるというのはとても大事なことではありますが、現実的にはとても難しいことです。回りくどいですが要するに、実力が関個突破に達していないことが根本的な敗因だったと総括します。いいレースでシングルを取って、悪いレースでも20番前後でまとめるくらいの実力が必要だということは、とくに後輩諸氏は強く心に刻んでほしいです。(そして来年こそは全個の海にライトブルーのスピンを咲かせてください。)
ここまで実力の不足を書いてきたわけではありますが、収穫がなかったわけではありません。ペアと船を変えるなどの変化を産んでから、チーム全体は確実に良い方向に転んでいるのではないかと感じています。それは上3艇が春インから5月くらいまででは見られないようないい順位で帰ってくることができるようになってきているということに見られると思っています。ここ数週間でコース練習でとてもいい順位で回航したり、90艇近く出場する個人戦で15番前後で複数回帰ってこれるようになったのはこれまでにない明確な進歩であり、いい成長曲線を描き始められているのではないかと感じていますし、僕自身も含めて前を走る経験が初めてできるようになってきたところなので、やっと勝負の土俵に立つ準備ができたのではないかと思います。(だからこそ、個人的な感想としては「個人戦までにもっと時間が欲しかった」というのが第一に上がってきます。)最終的に叩いてもそこまで崩さず、いいレースではシングルを取れるレベルに達するところを見据えて、セーリングやハンドリングの基礎的なところからまた詰め直していきたいと考えております。
ブログを終わる前に、タイトルの「杣道」について。僕が専攻しているハイデガーの全集第9巻のタイトルでもあるこの「杣道(そまみち)」は、森のなかの細い道のことで、細く険しくて行き止まりかもしれないような鬱蒼とした道を想起させます。僕の人生そのものが「杣道」なのではないか、などと考えてしまいますが、それはそれとして、少し前まで、僕や僕と一緒にチーム運営を手伝ってもらっている槇枝から見ても、というか誰から見ても、470チームの現状が「杣道」のように見えたと思います。しかし、この個人戦を終えて、今の実力の不足具合とともに、ここ一ヶ月くらいのチームの成長も感じることができ、課題が浮き彫りになったことで、暗く鬱蒼とした「杣道」から抜けて本来の目標がはっきりと見え始めてきたのではと思います。目標に対して明らかに足りていないのは、細かいコース云々などの話よりはむしろ、メインとジブ・スピンを使った基本的なセーリングの技術やそれをマーク間で発揮する力、マークの場所を常に失わずにセーリングすることや、回航でぬかれないことであったりと、基本的な技術です。これまでレース続きになってしまい、基礎的な練習が疎かになってしまいましたが、ここから夏合宿まで、基礎力を高いレベルで何段階も上げて行くことができれば、目標がもっと近くに見えてきて、そこへ至る道ももっと開けることでしょう。今までの結果だと、LB様やコーチの方々などからしたら470チームが心配なことと思われますが、結果的に個人戦での敗北がプラスに転換できるように、ここから一層のこと謙虚に基礎的なところからの練習を重ねていき、必ず秋のインカレで結果を出しますので、どうか引き続きご支援ご応援のほどお願いいたします。

4年
山本航平

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