TOBA-BLOG

TOBA2人のイラストと物語な毎日
現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「夢幻章伝」76

2015年11月10日 | 物語「夢幻章伝」

「ラスボス戦なら、
 もうちょっと雰囲気出てる様な所が良かった!!」

マツバ的に、
湖周辺の村を全て周り尽くした後、
辿り着いたのは
どこぞの村に隠された古代文明の遺跡。

そこの転送装置で移動すると
湖の中心に隠された王国の城、的な。

「それで、そのどこぞの村ってのが
 旅立ちの地、
 南一族の村とかいうパターンよ!!」

あるある。

マツバはマツバなりに夢見ている物がある。

「俺は実はそのラスボスが
 とうの昔に死んだと思われていた
 父親とかそう言うパターン!!」

アヅチ、落ち着け
お前の父ちゃん
南一族の村でピンピンしている。

「2人とも落ち着いてぇえ!!」

強い。ギャーズンドコズンドコ。
というか
どう手を出して良いのか分からない。

ヘドロ的な液体の身体に
物理攻撃も魔法攻撃も効かない。

「ふふふ、
 凄かろうギャーズン(以下略)の力は」

アリーは大きな石の上で高笑い。

「真のボスはあなたなのね……」

つまり、ラスボスには更にボスが居て
最終戦は
敵が三段階ぐらいに変化するとか言う。

「は?何をいっておる。
 ラスボスはギャーズン(以下略)に決まっている!!」

ラスボスとは一体。

「俺の針返せ!!この液体!!
 あれ姉貴のだから無くしたら怒られるんだよ!!」

アヅチはギャーズンに石を投げつける。

「我が名はギャーズンドコズンドコだっつーの。
 うんとこしょ」

「!!?」

ギャーズンの体が大きく揺れる。

ばくん。

「え?」
「あ?」
「うわ~」

「アヅチ!!??」

アヅチが。

「飲まれたぁああああああああ!!!」

あのヘドロ的な物に吸収。
ヘドロ状なので
何となく透けて見えるアヅチの姿。

「なんだかすごくばっちいわ!!」

とりあえず、こう
炎系統の魔法を。

「お前の相手は拙者なり、とうっ!!」

援護しようとしたマツバの前に
飛び出せ小僧、アリーと
弟子のサッカーボールが立ちはだかる。

「くっ、このままじゃ」

アヅチがヘドロで溺れ死ぬ。

その頃アヅチはギャーズンの中で
窒息状態
走馬燈が駆け巡っていた。

豆農家の3人姉弟の末っ子として生まれ
のほほんとした両親と
真剣打が最強の姉(次期村長候補)。
心配性の兄に育てられた日々。

幼いある日、近所に越してきた、
マツバ。

なんてことのない南一族の日々の生活。

そして、
ふとしたことから始まったこの旅。

「ふふふ」


「やっばいよぉおおお。
 マツバぁあ、アヅチ笑ってるよぉおお
 幻覚見てるよぉおおおお」

うわぁああん、と
為す術もなく様子を伺うしか出来ないへび呼ロイド。
まだ、アヅチを救いだそうと
わらわら飛んでいる同僚達の方が役に立っている。

「しっかりしなさいよ、
 アヅチ!! って、きゃっ!!」

アリーに蹴り飛ばされるマツバ。

「足が命!!!(かっこいいポーズ)」

「くっ、痛、何??」

ふと飛ばされた先にあった物に
ぶつかったマツバ。

それは、ミィチカから貰った
谷一族の秘宝。
アヅチが飛び出されたときに
一緒にここまで飛んできていたらしい。

こうなったらもう
すがれる物にはすがって置くしかない。

「ええいい!!」

マツバは箱を開ける。

ぱっかーん!!


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「夢幻章伝」75

2015年11月06日 | 物語「夢幻章伝」

あたりには、ものすごい地響きが起こっている。

こんなっ

こんなところでっ

真の敵が本当に登場するのかーーー!!?

と、

三つ目の飛び出せ小僧こと、アリーの前に
ころころと、先ほどのサッカーボールが転がってくる。

「いでよ、ギャーズンドコズンドコぉおおお!!(2回目)」

パカッ

弟子(サッカーボール)の口が開き、

「発進!!!」

発進ーーー!!?

アヅチとマツバは構える。

弟子の口から、どろどろとしたものが溢れる!

おわわわゎわわわ(汗)

「我が名は、ギャーズンドコズンドコぉ!!」

にゅいーーん

どろどろしたものは、みるみる形を成していく。

にゅいーーーんんん

これが、

これが

ギャーズンドコズンドコ!!?

「「・・・・・・」」





谷一族で見た通り、
・・・ヘドロっぽくて、いやだなぁあ!!

アヅチとマツバは、なんとなく鼻をふさいだ。

「よし、行くがよい、ぎゃー以下略よ!」

アリーが叫ぶ。

「おうともよ!」

どろどろうねうねしたものが、アヅチとマツバに近付いてくる。

「ぎゃー!!」

マツバが叫び、

「それでいいのか、ズンドコ!」

アヅチも叫ぶ。
力任せに、武器の針を投げる。

「そんなの、きかないだぁ」

アヅチの針は、どろどろうねうねの中に埋まっていく。

「ふふふ。ギャーズンドコズンドコはすごかろう」
アリーが笑う。
「さあ、あきらめて、示談金を払うなり!」

マツバは、魔法の体制をとる。

早口呪文。

雷撃!!

「ズンドコズンドコぉ!」(ギャー以下略の声)

マツバの雷の魔法は、ギャーズンの中でばちばちと光り、消える。

「きかないだぁ!」

「くっ、なんなの!?」
「てか、俺の針返せ!」

どうする!

どうする、アヅチマツバ!!?






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「夢幻章伝」74

2015年11月03日 | 物語「夢幻章伝」

「サッカーボールがシャベッタァアアア!!!」

ぎゃーーー、と
へび呼ロイドが叫ぶ。

「なにあれ、どういうことなのぉおお!!
 手足がはえて、喋ったよ、ボールがぁあ!!」

あわわわわ、と
パニックに陥るへび呼ロイドをアヅチとマツバが見つめる。



うん。
もう、つっこむのも面倒くさい。

「行くナリ、三つ目の小僧」

弟子(サッカーボール)のかけ声に
うううん?と
アヅチ達がアリーをちゃんとよく見る。

前髪の隙間から覗く
三番目の目。

脳裏には、谷一族を訪れたときの
トウノの言葉がよみがえる。

『谷一族の主な外見的特徴は額の丸い入れ墨。
 これは我々の祖先が三つ目であったという事に由来しています。
 まぁ、言い伝えなので、実際は違うと思いますけど』

「本当だったのかーー!!」

というか、

「お前、谷一族で
 俺にぶつかってきたやつだな!!」

アヅチは良く当て逃げに会います。

「おうともよ!!」

どーん、と
小高い岩の上に飛び乗り
ぐっと親指を立てる。

「最近東一族に
 拙者の偽物が居ると言うが
 正真正銘公認の『飛び出せ小僧』は
 拙者なりーーー!!!」


「ぶぇっくしゅ!!あー、へぶっほぅっ!!」
「うわっ、リク様、そのくしゃみおっさんくさ」
「なんか、僕、噂されてるのかな~、うへへ」


一瞬、映像が乱れて、東一族が映りましたが
舞台はアヅチ達に戻ります。

「もしかしたら
 谷一族を治める長の家系は
 本当に三つ目なのかもしれないわね」

マツバは言う。

「と言うことがあいつが本当の
 殿兄様、だったりするのかも、拙者とか言っているし」

「そんな、高貴な拙者の足が
 お主達のせいで負傷を負ったのだぞ
 金を払う気が無いのなら覚悟致せ!!
 弟子よ、判定は!!」
弟子(サッカーボール)の口から赤いカードが。
「レッドカード!!」

「退場、其れ、乃ち死なり!!」

アリーがそのカードをアヅチに投げつける。
アヅチはかわす…が。頬から血が流れる。

「あれ、避けたはずなのに」

「遅いっ!!」

と、いつの間にかアヅチの背後に回っていた小僧が
アヅチの背中を思いっきり蹴る。

足。ぴんぴんしている!!

「ってかもしや、こいつ強い!!」

マツバも援護体勢に入る。

散々ここまで小出しにしてきた
『飛び出せ注意』とは
こいつのことだったのか。

「仕方ない、ちょっと黙って貰おうかしら」

マツバは超早口で呪文を唱え始める。
お得意の南一族式魔法。
一応気を使って、攻撃ではなく補助魔法で。

「魔法はやっかいなり
 弟子!!」
「イエス」

弟子(サッカーボール)が口から出した
カードが次々投げつけられる。

「それそれぃ!!」
「痛っ!!(怒)」
「このガキ!!」

アヅチが武器で対応するが
あっさりと避けられる。

これはなんだか、
予想以上だ。

「そもそも、なんで私たち
 こんなのに絡まれているのよ」
「はっきり言って
 俺達全然悪くないよな」

「あわわわわ、
 話し合おう!!話し合おうじゃないか~!!」

このままじゃいかん、と
へび呼ロイドは財布を取り出し、
交渉も辞さない構えだ。

「ふ、もう遅い!!」

再び小高い岩に飛び乗り
ポースを決める三つ目の小僧ことアリー。

「それに
 お主達は拙者の敵だからな!!」

「……ええ?」
「意味がわからん」

ふふふ、と
小僧はポーズをとって
呪文を唱え始める。

魔法まで使えるとはなんとハイスペック。

「あ~、もしもし、拙者拙者(呪文)」

「「「………」」」

「ちょっと、株で失敗しちゃってさ~(呪文)」

「「「………」」」

「会社の金に手を出しちゃって、
 訴訟もやむを得ないって事になってるんだけど
 すぐに返せば許してくれるって(呪文)」

「「「………」」」

「今すぐ現金を
 あ、送っちゃダメだよ。
 ほらいま銀行とか厳しいじゃん(呪文)」

「「「………」」」

これは、オレオレ詐欺とサッカーのテーマソング(凄く昔の)を
かけているのだろうか。

んん?
とマツバは首をひねる。
小僧を中心に光が集まっている。

「……召還魔法?」

さらに小僧はポースを決める。

「ちょっと、こっちまで
 出て来てくれない。(呪文)
 ―――――いでよ、ギャーズンドコズンドコ!!!」

えぇええええええ。

こんな、道ばたで
ラスボス登場!!!???


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