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現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「夢幻章伝」49

2015年07月17日 | 物語「夢幻章伝」

「さあ、行くか!」
「一刻も早くね!」

アヅチとマツバは、谷一族の村の外へと向かう。

「旅の方に無理なお願いをしてしまって、・・・」

申し訳ありません、と、ミィチカは頭を下げる。

「もっと、ゆっくりしていただきたかったのですが」
「いいのよ!」

マツバは、アヅチを見る。
アヅチも、合わせて頷く。

「仲間のへび呼ロイドも心配だからな!」

お財布事情的にも!!(心の声)

「とにかく、あなたは谷に残って」
マツバが云う。
「途中でとのにいさま、とやらが、引き返してくるかもしれないし」
アヅチが続く。
「北で見かけたら、谷に帰るよう説得しとくぜ」
「本当にありがとうございます!」

はっと、気付いて、ミィチカが云う。

「キーリったら、見送りにも来ないで!」
「「!!」」
「今、呼んできます!!」
「いいから、いいから!」
「もう、行くし!」
「でもっ」
「宿の方も、忙しいだろうから!」
「気にしないで!」

「おふたりとも・・・」

ミィチカは、再度頭を下げる。

「本当に、ありがとうございます!」

「じゃあ、行くわよ!」
「次は、観光で来るぜ、谷一族の村!」

ミィチカは手を振る。

アヅチとマツバは、さっそうと、谷一族の村の外へと出る。

今回は、いつもより滞在期間が短いような気もするが。

思い返せば、谷一族の村。

とのにいさま
妄想
スネークバルーン
壁画
ギャーズンドコズンドコ
ハム
おいしかったな

さようなら、谷一族の村!

そして

ザ☆出発!!

ふたりは、さっそうと歩き。
ミィチカが見えなくなるところで、振り返る。

ふたりの想いは、ひとつ!

・・・ふう。
・・・宿代、うまいことスルーした!!

(もちろん、あとでちゃんと払うよ)

しばらく

アヅチとマツバは無言のまま、一本道を歩く。

へび呼ロイドと別れて、早12時間(ぐらい?)

ペラペラとよくしゃべり、よくツッコんでいたキャラクタが不在なので
ふたりは、無言のまま歩く。

〈この先飛び出せ注意〉

と、云う看板も、見事にスルーし、

「・・・あ」

マツバが声を出す。

目の前に、どっと、大量の同僚たちが現れた。

「お前ら、どこ行ってたんだよ!」
アヅチは、同僚に近付く。
「谷に入ってすぐは居たのに、急にいなくなりやがって!」
「淋しかったの?」
マツバは、白い目。
「違っ! そんなんじゃ!!」
「あ」
「なんだよっ!」
「そいつら、その同僚たちじゃないわよ」
「その?」
「その」
「どの?」
「あんたを砂漠であっためてくれた同僚たち」
「じゃ」
「ない」

しぎゃー!!!(悪同僚の鳴き声)

「ぎゃー!!」
「ほらね」
「遅ぇえよ!!」

悪同僚たちは、犬歯むき出しだ!

「ええぃ、こうなりゃ!」

しゅっ

アヅチは、マイ武器。大型の針を取り出す。

「アヅチ!」
「任せろ!」

アヅチは、針を構える。

「世の中のすべての針よ・今・その針の値を少しばかり狂わせよ」
・・・と、とととと
「古今東西・幻影夢想・そこは架空の世界」
ととととと
「大気をつかさどる神よ・邪悪なものを吹き飛ばせ!」

アヅチの魔法!

「ほらよ、ふっとべ!!」

どーーーーーん!!

強烈な風。

「しぎゃー!!」

くるくると悪同僚は、風に飛ばされていく。

「しぎゃっ、しぎゃぁあああー!!」

これが、南一族式、とりあえず派手な大雑把魔法!

「見たか!」
「見てたわよ」

宿でゆっくり休んで、アヅチの魔法も絶好調!

(針は)

「俺にかかれば、こんなもんよ」
「そうね」
「そもそも、これまでの旅もな」
「い、」
「い?」

「い、今の、は・・・」

アヅチとマツバは、はっ、と振り返る。

「おふたりとも、今のは!!?」

この声は

ミィチカ!!

ぎゃー!!!!!

「待って、ミィチカっ」
「おまおまお前! 何見てんだよ!!」
アヅチとマツバは慌てる。
「これは、南一族式のね、」
マツバの説明を待たずに、ミィチカ。

「おふたりとも(主にアヅチ)、世の中とか、幻影夢想とか」

「ミィチカ、話をっ!」

「呪文が恥ずかしすぎですっ!!」

ぎゃー!!!!!

だから聞かれたくなかったのに!!

アヅチは撃沈した。



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