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TOBA2人のイラストと物語な毎日
現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「夢幻章伝」51

2015年07月24日 | 物語「夢幻章伝」

「た、」

「「た??」」

「たたたた旅の者ぉおおぅおお・・・」

・・・ぱたっ

「おい、爺さん!!」
「ちょっと、しっかりしなさいよー!!」

がくがくがく!!

ふたりは、爺さんを揺する。(※危険です)

「こうなったら、仕方ない!」
「ええ!」

「マツバ!」
「アヅチ!」

「「回復魔法を!!」」

(今回はやけに、セリフがかぶります。)

「・・・・・・」
「・・・・・・」
「いや」
「出来ないし・・・」

大雑把な南一族が、繊細な回復魔法を使えるわけがなかった!

「・・・・・・」
「・・・・・・」
「運ぶか」
「ええ」

とりあえず、ふたりは、爺さんを運ぶことにした。

「もうすぐ北一族の村に到着するはずだしね」
「そこまで運べば、誰かに任せるだろ」

アヅチとマツバは、えっちらおっちら。
爺さん+ミィチカ宅の秘宝の箱を運ぶ。

えっちらおっちら。

どれくらい歩いただろう。

夢幻章伝にしては、なかなか北一族の村にたどり着かない。

「あ、」

マツバが前方を見る。
変わらない景色の中。

そこに

「家があるわ!!」
「ついてるな!!」
アヅチが云う。
「爺さんをあそこに運ぼう!」

えっちらおっちら。

「どちらさまですかー?」

アヅチが扉を叩くと、すぐに返事が返ってくる。

「おい、爺さん入れてくれ!!」
「爺さん・・・?」

その声は明らかに不審そうな声。(当たり前か)

「そこに、倒れていたのよ」

マツバも声をかける。
「とにかく、休ませてくれない?」
「休ませてって・・・」

と、住人が扉を開く。

北一族と思われる、女性。

「あっ!!」

「「ん??」」

「お爺ちゃん!!」

「ここの爺さんかよ!」

アヅチとマツバは一安心。
これで、また、北一族の村を目指せる。

「ありがとうございます!!」

その子は、目をウルウルさせて云う。

「昨日から出かけてて、帰ってこないな~と、思っていたんです!」

それは、探しに行けよ!!

「まあ、よかったわ」
「じゃあ、行くか」
「待ってください!!」

その子は、がしっと、アヅチを掴む。

「お礼に、お茶をごちそうします!! あがって!!」

「おぉおおおお」
「いいのよ」
マツバが答える。
「急いでるし」
「・・・そう、ですか」
その子は、アヅチを見る。
「じゃあ、あなただけでも!!」
にこっ
「おぉおおおお」
「とにかく席へ!!」
その子の動きは素早い。
「あの、甘いもの大丈夫ですか!!」
「おぉおおおお」
「お湯!お湯! お茶!お茶!!」

がしゃーん

がしゃがしゃ、がらーーん!!

いろいろ激しい。

「あの、お名まえは!?」

がらがらがらがら
ぱりーーーん!!

お茶を準備するとき
普通は、鳴らない音を立てながら、その子が云う。

「黒髪と云うと、東か南の方ですね!」
「おぉおおおお」
「私たち、南一族よ」
マツバが云う。
「こっちがアヅチ。私はマツバ」
「へえ!」
その子が云う。
「あなたも、結局あがっていくんですね!」

なんか、マツバに棘がある。

「あ、私は北一族のクリミア!」
がしゃーーん
「北一族の村からちょっと離れたところに、家を建てまして」

「・・・ふーん」

「お待たせです! アヅチさん!!」

クリミアは、さわやかな笑顔で、お茶とお菓子を並べる。

「はじめて焼きましたv 手作りクッキーです!」

お茶と

・・・クッキー

クッキー・・・!!?

黒く、煙を発した、何か。

「お前、砂一族だろー!!」

アヅチは、毒をすかさず盛ってくる砂一族を思い出した。



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