「砂、一族に」
「保護された・・・?」
マツバの言葉に、へび呼ロイドが続く。
「だって、砂一族って!」
「そう、あの、砂一族だよ」
へび呼ロイドの言葉に、アマキが頷き、
「保護してくれるなんて、優しいのね!」
マツバがいい感じでまとめる!
「それを聞いて、安心して、夕飯も喉を通るわ」
マツバは夕食を再開する。
「え、・・・あ、うん?」
へび呼ロイドは、あれ、それでいいんだっけ、と思いつつ、一緒に夕食を再開する。
「あの、姉さん」
「いいのよ」
マツバが云う。
「どうせ、砂一族の村へ行くつもりだったんだし」
さらに
「むしろ、感謝してるわ」
「それは、よかった・・・のか?」
「ほら、あんたのも頼んであげるから、食べなさい」
「ちょっ、マツバ!?」
「いや、俺は大丈夫だけど・・・」
アマキが云う。
「とりあえず、俺たちは砂一族の村には入れないから、早めに迎えに行ってあげて」
「保護されているんだもの。急がなくたっていいわ」
「うん、でも」
アマキが云う。
「砂一族って、人を食べるって噂だし」
「おっ、ぐ、ぐふっ!」
旬の野菜を使ったオーガニック会席
シェフの気まぐれデザート付き
を
へび呼ロイドは、思わず詰まらせる。
「なんだって!? 人を食べる??」
アマキは、へび呼ロイドを見て、頷く。
「まあ、噂だよ」
「ずいぶんと、荒い一族だって聞いてたけど」
「うん」
「それは!」
「ないわね」
マツバは定番で、きりっとする。
「アヅチ、おいしくなさそうだし!」
「姉さん! そんなことないよ!」
「じゃあ、あんた、食べてみなさいよ!!」
「ええぇー!!?」
アマキは、思わず、前のめりになる。
「でしょ。アヅチなんかより、こっちを食べたがいいわ」
マツバは、内線を押す。
「旬の野菜を使ったオーガニック会席・シェフの気まぐれデザート付き、追加でお願い!」
「おぎゃーぁああああ!!!」
「へびさん! 大丈夫!?」
「だ、だだだだ」
「へびさん、これを飲んで!」
アマキは、キューシ●を差し出す。
「ああああああ、ああ、りがとう、アマちゃんっ!」
「本当に、騒々しいわね」
マツバは、炊き込みご飯に手を伸ばす。
アマキがへび呼ロイドを介抱していると
さっそく
アマキ用の
旬の野菜を使ったオーガニック会席
シェフの気まぐれデザート付き
が
運ばれてくる。
「ほら、いただきなさいよ」
「あ、はい。」
アマキは、それをじーっと見る。
「さすが、東一族の料理ね」
マツバが云う。
「最高だわ!」
「姉さん」
「何よ」
「これ、・・・妹に持って行ってもいい?」
「・・・・・・」
マツバは、アマキを見る。
「どうぞ!!」
マツバは、ラップを渡す。
「マツバ~」
へび呼ロイドが涙目で云う。
「アヅチが心配だよぅ。迎えに行こうよぅ」
「大丈夫よ」
マツバが云う。
「何かあっても、アヅチは末っ子だから!」
どう云う意味!?
「とにかく、明日の朝には出発しようよー」
「砂一族の村の入口までなら、俺が送るよ」
「本当に!?」
「もちろんだよ、へびさん」
アマキが云う。
「一応、砂には知り合いもいるし」
「ありがとう、アマちゃん!!」
「・・・てか、あんたら」
マツバは飲んでいた湯呑を、どんっ、と、テーブルに置く。
「忘れてないでしょうね?」
「・・・え??」
へび呼ロイドは、いやな予感がした。
「私、まだ、飛び出されてないから!」
飛び出されるまで、ここから動きません宣言。
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