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現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「夢幻章伝」87

2015年12月18日 | 物語「夢幻章伝」

「確認なのだけど、」

マツバは、へび呼ロイドを見る。

「あれは、あんたの同僚じゃないってことよね」
「あぁあ。うん。うんうん!」
「なら」

マツバは、バシッと、軍手を投げ棄てる。

「やつらが豆に付く前に、一層よ!」

なんか、害虫扱い。

「確かに、豆に付いてからじゃやりにくいもんな!」

アヅチも、バシッとカゴを下ろす。

「急いで駆除して、」
「収穫を終えるぞ!」

「おぉおお!」

うるうるへび呼ロイド。

「オイラたちのために、ふたりとも~」

ありがとう!
と、云っているへび呼ロイドの横で

ふふふ、と、モモヤ。

アヅチとマツバが、当たり前のように協力している。
たった数日間で、こんなにも!!

嬉しく思いながらも
モモヤは
水辺の周囲8一族にそれぞれ伝わるという、伝説の武器、
ハエ叩きを持つ。

「私が、軽い風の魔法であいつらを引き離すわ」
「俺は、強力な風の魔法で、あいつらを吹き飛ばす」

ふたりは頷き、同僚と云えるような云えないような物体に向く。

「「同僚もどき、覚悟!!」」

まずは、こちらに気をひかせるために物理攻撃から!

アヅチは針を取り出す。
迷わず、同僚もどきを狙う。

マツバは、棍を持つ。
迷わず、同僚もどきを打つ。

「ふたりとも、がんばれぇ~!」

へび呼ロイドは、ボンボン持って応援だ!

その横で
モモヤはモモヤで、近付いてきた同僚もどきをはたく。
(※あくまでも身を守っているだけです)

さらに、

その横では

腕を組み、つま先をパタパタさせ
明らかにイラついている、アヅチ姉。

「な・に・を、やっているのよ・・・」

はたから見れば
アヅチとマツバの作業は、ちまちましているのだろうか。

「そろそろ」
「吹き飛ばしね!」

アヅチとマツバは駆け寄り、魔法の態勢をとる。

これが

南一族式!

・・・ぎゅおぉおおおおおおおおおおお!!

激しい風。

吹き飛ぶ同僚もどき。

でも、なぜだか、豆(新種)は無事。

「・・・ん?」
「あれ・・・??」

アヅチとマツバはきょとん。

あっという間に静かになった畑を見渡し、
そして、お互いを見る。

そう。ふたりは、魔法発動前。

「「今の」」

「お前?」
「あんた?」

いえ。違います。

ふたりは、後方を見る。

そこに、魔法発動後と思われる、さっぱりとしたアヅチ姉。

「「・・・・・・」」
「お姉さま、すごいっ!!」

思わず、声を出したへび呼ロイドだが、

アヅチ姉は仁王立ちし、・・・キリッ!

「ちんたらしないで、さっさと全員で収穫!!」



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