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現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「夢幻章伝」65

2015年10月02日 | 物語「夢幻章伝」

「で、」

「でかっ!!」

とにかく巨大な同僚!!

なんじゃこりゃー、と、アヅチ・マツバは口をあんぐり。

会場は大混乱。
右へ左へ、逃げまとう人々。
最終的には、
祭りの実行委員会もいなくなり、残ったのは夢幻メンバーのみ。

「一応、確認だけど」

マツバが云う。

「これを倒せば、なんとかなるわよね」
「だろうな」
「でも」

マツバはちらりと、トウノを見る。

「本当に親玉がこっちなら、こっちから倒さないとね」

鼻で笑いながら、マツバは武器を取り出す。
マツバ愛用の、棍棒。

「・・・えっ」

トウノ、ぽかーーん。

「あんた(?)が祭りをめちゃくちゃにして、おいしいものが食べられない恨みよ!」

マツバの本音!

「くっ。しかし俺にはビッグマジックボールがいる!」

トウノ、あきらめない。

 ぼーーーん。

 ぼ、ぼーーーーーんぼーん。

なぜだか、

本当に、なぜだか、

トウノの声に合わせて、巨大同僚が跳ねる。

「あわ、わ」
「危ないっ」

跳ねるたびに、会場が揺れる。
(とにかくでかい)

「アヅチー! マツバー!! 逃げろー!!」

モモヤの声。

「このくそ忙しい時期(注:南は収穫の時期です)にあいつどこ行ったのよって、姉貴が!」
「!!?」
「とりあえず、南に帰って謝ったがいいぞ!!」
「今、その話!!?」

アヅチは、もっかい鳥肌が立った。

「ちょちょっ、飛雨乃! もうやめてぇええ」
「ビッグマジックボール、発進!!」

トウノのゴー、の合図で、巨大同僚は動き出す。

会場が揺れる!

「おいおい、やめろって!」

アヅチは針を取り出すものの、とても立っていられない。

「んふふ」
「仕方ないわね、今回は手伝ってあげる♪」

アヅチとマツバの間を通り抜けて、フワとシマがトウノに向かう。

「なら、あんたたち、谷一族のトウノを確保よ!!」

「りょーかい~」
「おまかし♪」
「谷一族にはぁ」
「どんな毒が効くのかしら♪」
「んふふ」
「うふふ♪」

「マジックボールいでよ!!」

なぜだか、
本当になぜだか、
またまた、通常サイズの同僚もあふれ出す。

「俺のネバーダークネスネオキングダムのために!」

「お前、さっきとちょっと変わってるし!」
アヅチのツッコミ。

「ああ、もう!」
「邪魔くさいわね~」

視界が悪くなるほど、降り注ぐマジックボール。

「じゃあ、俺も」

なんて、手を上げるタツキ。

「待ちなさい!」

そのタツキを、マツバが制止する。

「これ(夢幻章伝)は、私の話なんだから、指示を出すのは私よ!」
「!!?」(←アヅチ)
「わかったよ、姉さん!」

タツキは胸に手を当てる。

「生きものを殺すと云うのは、気が引けるしな!」

ここにきて、よくわからない東一族精神を語るタツキ。

「わかったのなら、いいわ!」

 ぼーーーーん。

 ぼぼーーーーん。

「行け、ビッグマジックボール!!」

「谷一族ぅう!」
「捕まえたー♪」

いつのまにか、
トウノの後ろに回り込んでいたフワとシマが、トウノを捕える。

お縄で、ぐるぐる巻き。

「おわーっ!!」
「観念なさーい」

ぐるぐるぐるぐる

「かっこいい!」
「砂一族、かっけぇえ!!」

クリミアとタクトが叫ぶ。

「海も負けてられないね、ナギサ!」
「そうだな、シオリ! でも!!」

ナギサが云う。

「ダメだ、父さん! 山のウニが効かない!!」
「そうだろうな、ナギサ! そして、近いぞ!!」

ナギサと巨大同僚の距離、10cm。

 ぼーーーーーん
 ぼーんぼーんぼーーーん

 がらがらがらがっしゃーーーん!!

「おい、マツバ!」

アヅチが叫ぶ。

「巨大同僚どうにかしないと、北が崩壊するぞ!」

「なぜ!」

マツバがへび呼ロイドを掴んで、云う。

「悪の親玉を捕えたのに、なぜ!!」
「あぶぶぶぶぶぶぅうううう」

がくがく揺すられて、へび呼ロイド白目。

「悪の親玉を捕まえたら、丸く収まるのが常識でしょうがっ!」

「マツ、・・・マツ」

確認ですが、
悪の親玉は、ギャーズンドコズンドコです。



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