TOBA-BLOG

TOBA2人のイラストと物語な毎日
現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「約束の夜」100

2018年09月21日 | 物語「約束の夜」

「と、云うわけで~」

口の中いっぱいに肉をほお張り、ツイナはもごもごする。

「まひふぁひふぁひふぉむらふぇひそがふぃかったんだお~」

「ほぼほぼ判らないんだけど」
「ほぼほぼ判らないな」

ごっくん、と、ツイナは肉を飲み込む。

「だから満樹は忙しかったんだって!」
ツイナが云う。
「なんか、東のツトメ、とか。川遊び、とか」
「川遊びですって!?」
「ほぼほぼ寝てないよね?」
「まあ」

息を吐き、満樹は京子を見る。

「実家に帰っても、結局は忙しいと云うか・・・」
満樹は明らかに疲れている!
「でも、京子もだろう?」
「え? 私?」
「京子だって西に帰れば、狩りとか仕事があるんだろう?」
ゆっくり出来ないよな、と満樹の顔が云っている。

京子は、あわてて肉をほお張る。

「ふぇえ、まは、ほうね!!」

「ほぼほぼ判らないんだけど」
「ほぼほぼ判らないな」

京子はもごもご何か云って、

「ほひふぁく、」

肉を飲み込む。

「明日からは真面目に情報を探しましょう!」
「もちろん!」
「明日から!!」

「とりあえずは・・・」

 京子と満樹とツイナは、ちらりと、テーブルの横を見る。

「これ、食べ終わらなきゃだな!」

北一族の露店にて。

京子への詫びと、3人の再会を記念して

大奮発した、注文。

「豚の、」
「丸焼き!!」

1匹買いです!

「いやあ、インスタ映えだね!」
と、ツイナ。

「運ばれてきた瞬間、盛り上がったわね!」
と、京子。

「金額もすごい」
と、満樹。

豚の丸焼きには、祝☆約束の夜100回、の旗。

「これ・・・」
「ええ・・・」
「食べきれるのか・・・?」

豚の丸焼きです。
すごいです。
大きいです。
実質食べているのは、ふたりです。

いろいろと調味料をもらい、
味を変えてはいるものの、

ふたりは飽きている&そもそも、お腹いっぱい。

「インスタ映えは間違えないんだけど!」
「ツイナ、そのセリフ2回目!」

「お残しはよくないぞ」

満樹が云う。

「豚の丸焼きと云うと、モンハ●みたいなものを想像するだろう」
「モン●ン!」
「モ●ハン!!」

「だが、生のものから、中まで火を通すまで、ずっと回していられるか!?」
「あの、足をくるくるっとして」
「焚火の上で、ハンドルをぐるぐる回しているやつ!!」

「えらいな時間がかかるぞ!」
「やばい!」
「筋肉痛!!」

「その労力を思えば」

「残すわけには」

「いかない!!」

3人は互いに見る。
頷く。

「「「がんばろう!!」」」

完食を。

「って、満樹は食べていないし!」

満樹は、添えられたミニサラダを食べている。

「仕方ない」
満樹が云う。
「こうなったら、みんなに奮発しよう」

これ、俺達からのおごりです、って
お客さん同士で、和気あいあいと食べきる作戦。



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