TOBA-BLOG

TOBA2人のイラストと物語な毎日
現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「約束の夜」99

2018年09月18日 | 物語「約束の夜」

「あれ、かな」
「………あれ、だよね」

北一族の大通りの広場に辿り着く
満樹とツイナ。

北一族で待ち合わせと言えばここ
という地点。

その、広場に隣接する
オープンテラスのカフェに
空になったカップを3っつ程並べて
座っている、京子。

「………」
「………」

どこか遠くを見つめ、
コーヒーのおかわりいります?と
話しかける店員に
首を横に振る形で断っている。

「虚無の目をしている」
「俺でも分かる。
 あれは、なんか、いかんやつ」
「さっきのげんこつは。
 これを知らせる、お告げだったのでは」
「虚無の妖精!!?」

わぁああああ、と
駆け寄る満樹とツイナ。

「京子!!お待たせ!!」
「すまん。
 待ったよな?悪かった!!」
「お土産があるよ、
 キジ馬にごぼうチップスに」

ほらほら、と
お土産の品をテーブルに並べていく
ツイナ。

「………」

「き、京子?」
「あの、お花紙も、あるよ」

とりあえず、と
紙を広げて花を作り出すツイナ。
この空気感居たたまれない。

「最初はね、
 みんなで合流したら
 あの店でお昼ご飯たべようかな、なんて
 お店選んだりしててね」

「う」
「ぐはっつ」

「その後、えーーー、待ってるんだけど
 って、ちょっとモヤモヤ。
 次第に若干イライラしてきたり、うん」

「ごごごご」
「悪かった、ホントに」

「で、最終的に、
 あれ、もしかして途中で事故とかあってる?
 裏一族の襲撃受けた?って、考え始めて」

「「京子ぉおおお」」

「………二人とも。
 生きてたのね。良かったわ」

ニコリ(虚無の笑顔)。

「なにか食べよう京子!!」
「甘い物おごるぞ!!」

大丈夫よ、と制する京子。

「2人を待っている間、
 この店の甘い飲み物はほぼ制覇したから
 もう、暫くはいいわ」

「「ホント、ごめんなさい!!!」」

よし、と
決心を決める満樹。

「肉を食べに行こう!!
 好きな店を選んでくれ京子」

しゃぶしゃぶでも
ステーキでも、焼き肉でも
全部おごってやる、な満樹。

「大丈夫なのか、満樹!!?」

東一族ってと驚くツイナ。

「あぁ、別に見る分は大丈夫だし
 俺は食べな……(ちらっと虚無の京子を見る)
 あ、うん、だし汁ぐらいなら、いや、まぁ、うん。
 いや、うん。
 とりあえず!!俺はお詫びがしたい!!」

普段肉を食べない東一族だが
知識として知っている。
エネルギー源として肉は高い効果を持つ。

つまり。

「肉は力。
 力はパワー!!!」



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