「・・・はっ!!」
「満樹~!」
一瞬どこにいるのか、判らなくなってしまう、あれ。
思いの外、熟睡した満樹。
まだ、東一族の村です。
「おはよう、満樹!」
「おは、よう・・・??」
「よく寝られた?」
「・・・・うん」
満樹の頭は、すっきりしていた!
「いやぁ、よかったよね~」
満樹の横にいるのはツイナ。
海一族。
東一族の満樹と一緒に、旅をしてきたよ。
これから、東一族の村を出て、北へと向かい、
西一族の京子と合流予定。
このバラバラ一族の3人。
共通点は、裏一族になぜだか、狙われている。
(ついでに、手のひらに3人ともアザがある)
「ま、別館で、だいぶネタバレだけどね!!」
「何!?」
「別館で、」
「そう云うこと云わない!!」
裏事情はさておき。
「そろそろ、北へ向かった方がいいかな、と」
「だよな」
ツイナ言葉に、満樹は頷く。
とりあえず、ふたりで朝食をとる。
「東にいると、満樹は忙しいからな~」
「・・・悪い」
「野菜だけ料理も飽きてきたし」
「野菜だけ料理・・・」
「そろそろまきで行かないと、海南合同運動会に間に合わなくなっちゃうし」
「運動会っ!?」
海一族と南一族対抗で行われる、運動会があるそうな。
「ほら、練習もあるしさ」
「何の?」
「ムカデ競争とか」
「おぉお」
「走ってきたら飴を探したのち誰かダルマ持ってませんか~? って云うやつ」
「障害物競走と借り物競争のミックス?」
そろそろ運動会シーズン。
「そうそう、そのダルマがさ~」
「・・・観客席にダルマを常備している人が?(汗)」
「やっぱり、ダルマも派閥があって」
「何それ」
「甲州とか高崎とか松本とか」
「それ、今週の知らない世界・・・」
「その派閥まで、指定してあるんだよな~!」
「マツコさん・・・」
満樹とツイナは、お茶を飲む。
「はあ、おいしい!」
「そうだろう?」
満樹も、一息つく。
「ここのは、くまもと茶だからな」
「おいしいね~」
ツイナが云う。
「京子に、お土産に持って行ってあげよう!」
そうして、荷物をまとめる。
「・・・京子、北で待っているかな?」
「うん」
「もう北にいるだろうから」
「怒っていたりして」
ツイナは笑う。
「もういっこ、おみやげでも持っていくか!」
ツイナはシャキーンと取り出す。
「ほら」
「買ったのか?」
「水樹のお勧め!」
「知らない世界見ながら、進めすぎだろう、これ!!」
ツイナが持っていたのは
「おばけの金太もいいけど、きじ馬も忘れるなよって!」
雉と馬が合体した、あれ!
2羽で1セットです!!
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