TOBA-BLOG

TOBA2人のイラストと物語な毎日
現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「約束の夜」84

2018年07月06日 | 物語「約束の夜」

「満樹~」
「ツイナ!」

「海一族って珍しいよねぇ」

東一族では。

「俺のこと忘れていただろう~!」
「ああ、いやぁ」

言葉を濁しつつ満樹は、

「何だか、たくましくなった? ツイナ」

ツイナの姿をまじまじと見る。

自分より年下と云うこともあって
もちろん、一回り小さかったツイナであるが、

こう

日に焼けて、健康的な肌?(注:もともと海一族は褐色です)
腕とかムッキムキ?

「修羅場を乗り越えたんだなぁ」

うんうん、と
知りもしない水樹が、頷く。

「何でこうなったかって!」
ツイナは満樹に食い掛ると見せかけて、遠い空を見る。
「南一族に豆収穫をさせられたからだよ!!」

「あ、あ~」

あ~、はいはい。
そうでした。

「満樹も豆の収穫を手伝ったって、南の人が云ってたぞ!」
「うん。やった」
「なのに、なぜ、ムキムキマッチョになっていない!?」
「えっ、何を求めてるの!?」

南一族の豆収穫とはいったい。

「今はムキムキマッチョ。筋トレをした方が空気を読めているよ!」

西一族の方からも、そんな雰囲気が・・・。

(前回参照)

「よくぞ、東にたどり着いた!!」
「ありがとう、東の人!!」

ツイナと水樹は握手をする。

「3年後、身近な人から生焼けクッキーを食べさせられるだろう!!」
「むむっ」
水樹は、ツイナをのぞき込む。
「何だそれは!?」
「握手ついでの先視だ!」
「そうか!」
再度、うんうん、と水樹は頷き。
「東一族の村の案内は、俺に任せてくれ!」
「頼んだ!」

とりあえず、まとまった。

「何食べたい?」
「豆は食べ飽きたな~」
「東も野菜しかないぞ」

ザッツ菜食主義。

肉や魚は食べません。

「甘いものとか?」
「ああ。ならいろいろと」
「その前にひとっぷろ浴びれる?」
「外向け浴場はあっちだ」

わいわい盛り上がる、ツイナと水樹に
ぽつりと満樹は呟く。

「そんなにゆっくりしていていいのか?」

「たまには休息も必要だよ~」

京子と、北での約束の日に間に合うのか。

「俺、先に北へ向かったらどうする?」
「北へ?」

何で? と、ツイナではなく水樹が首を傾げる。

「すぐにでも、北へ向かうってこと? 兄さん??」
「そう」
「何で?」

水樹は反対側にも首を傾げる。

「それは、俺の自由だろう」

満樹は水樹を見る。

「まさか、一緒に行きたいとか云うんじゃないだろうな」

このノリで、ツイナと水樹のダブルパンチはつらい。
ふたり合わせて、超化学反応しそうな気がする!

(ふたりのやり取りを見て、満樹の見解)

「違うよ兄さん?」
「えっ?」

水樹が何かを取り出す。

―― 東一族 砂漠当番 シフト表 ――

「明日、砂漠当番のシフト入っているよ~」

「えぇええええ!!?」

バイトか。



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