チマチマ毎日

木工屋と陶器屋の夫婦が作るセルフビルドの家と、まいにちの生活、道具のあれやこれや。

山茱萸 (さんしゅゆ)のめざめ

2021年03月10日 | 日々のつれづれ

 

 うちのような寒い地域に住んでいると、蕾がふっくらするだけでも、ほうとため息つく。

この枝は、夏場に私が草刈り畑仕事を頼まれているおばあさんから昨年の12月にもらった。

おばあさんは何十年も花を八百屋さんや小さいスーパーに卸す仕事をしていて

80過ぎた今でも現役。

木花にはとてもくわしい。

「山茱萸 (さんしゅゆ)は何度か楽しめるで」と言って枝をくれた。

 

それから比較的暖かい台所の窓辺に置いておいて、蕾がふくらむのを毎日じーっと見つめて

待っていた。

2ヶ月たった節分のころ。まだまだその兆しが見られず、

「もしかしたら枯れているのかな」と思いもしたけれど

水を替えながら、その日がくるのを待つ。

 

2月末頃、ん?少し太ってきた?

 

と思ったら、眠りの森の姫のように、ゆっくりとその芽をひらきはじめた。

 

冬が長い地域のひとは、雪降る野山を見ながら、

家の中でこんな生花を楽しんでいたのかな。

 

おばあさんの「何度か楽しめる」といったその言葉がよくわかりました。