チマチマ毎日

木工屋と陶器屋の夫婦が作るセルフビルドの家と、まいにちの生活、道具のあれやこれや。

息子に観せたい映画「縄文号とパクール号の航海」

2015年07月13日 | 読む見る聴く&思う

「縄文号とパクール号の航海」をシネマスコーレで観て来た、

もうすぐ13歳になる息子と父ちゃんと三人。

映画は船となる大木を切るための斧、を作るための鉄(砂鉄)、

を磁石で集めることから始まる。

集めた鉄はタタラの技術で斧に仕上げられ、インドネシアで大木を伐倒するのに使われる。

大木は丸木船に彫り上げられ、外側には木灰と植物油を練り上げたものが塗られ、

帆はヤシの繊維を織る。

徹底して手で作る。

         

 

この縄文号に寄り添って走るのがインドネシア・マンダール人伝統のパクール船。

冒険家関野吉晴、教え子の大学生ふたりをふくむ日本人クルー4名と

マンダール人6名のクルーは、この二隻の船で、インドネシアから日本までの4700kmを

寄港しつつ、ときに途中中断を余儀なくされながら2009~2011にわたって旅する。

 

関野吉晴「効率の悪いバカなことをやってると思う。でも効率が悪いことが何かを生むと思う。

街の生活って管だらけでしょ。一本管が途絶えたらもう生活が成り立たない。

でもこの船をみて。なにも管がないでしょ」。

 

文化も考え方も違う日本人とマンダール人のクルーたちは、緊張と疲労が募る中、

ぶつかったりもしながら、言葉で表せない何かを共有していく。


ニンゲンてすごいなあ~って久しぶりに思った。そして素敵だとも。


フクザツになってしまった今の世の中は、じつはこんなシンプルなもので最初できていたのだ。


人とのつながりも、生活も道具も。

この映画はオトナに近づいてくる息子に観せたかった。


純粋なものだけを持つオトナになってほしいな。