7月30日(土)から8月9日(火)まで約10日間の日程で、福建師範大学外国語学部日本語学科の中国人同僚の倪霞(にいか)准教授が家族とともに日本旅行に来ることになっていた。この日本旅行の日程や宿泊先などについて 中国でいろいろと 彼女の相談にものってきた経過があった。夫の潘(はん)さんと息子(中学1年)と倪霞さんの3人の家族旅行である。
7月30日(土)の夕方6時30分に中国・福州から関西国際空港に到着予定だが、飛行機の出発が1時間ほど遅れるとの国際電話が福州よりあった。国際電話で、30日の京都市内での宿泊先がメールで送られてきていた。「京都市左京区大文字町153-4」とあった。パソコンでこの住所を検索してみると、平安神宮の近くなのだが 夜に行ったら探すのが難しい場所のようなので 明るいうちに 行ってみることにした。この宿泊場所は、倪さんの知り合い(東京在住の中国人)が 予約をしたようだ。
自宅から京阪電車に乗って、丹波橋というところで特急に乗り換えた。空いている席があったので 座ろうとしたら、中学生と高校生の姉妹らしい2人が すばやく走りこんで来て 目の前で 席に座り込んできた。あっという間のできごとに唖然とする。「あつかましい!」というか「思いやりのかけらもない!」というか。日本の国の若い人に対して情けない気持ちとなった。これは、中国ではぜったい起こりえないことだろう。日本では、近くに妊婦や小さな子供づれの人、老人の人がいても平気で座っている若い人をよく見かける。同じ日本人として恥ずかしい気持ちになることが しばしばだ。
京阪三条駅で下車。パソコンから印刷した詳細な番地地図をみながら その宿を探した。入り組んだ路地に その建物があった。これは、いわゆる「文化住宅」形式の古びたアパートだ。最近 はやりの「ゲストハウス」の一つなのだろう。住所に書かれた部屋に 人の気配がするので 「ピンポン」と呼び鈴を押してみた。すると 中には 3人の外国人(欧米系)がいた。時刻は午後6時。「おかしいな???今日はこの部屋は倪さん家族が宿泊予約をしているはずだが---???」 外国人に聞いてみるが スペイン語のような言語をしゃべる人達なので、言葉が理解できず なぜこのような状況になっているのかが わからなかった。
ひょっともしたら、ブッキング(なにかの間違いで、予約が重なっている)の可能性があって、倪さんたちは宿泊できない可能性がでてくるな----。困ったな----。と思いながら、その場合は しかたがない 狭いが「我が家」に泊まってもらうしかない--。ということで、妻に電話で状況を伝えた。
宿泊予定地から歩いて1〜2分の場所に鴨川が流れている。近くには二条大橋やホテルフジタがある。川にかかる石の飛び橋には、外国からの観光客たちが 過ごしていた。今日も暑い一日、川辺で 凉をとりながら 楽しそうにゆったりと過ごす人たち。京都という街の魅力がここにもあった。
ここで1時間あまりを私も過ごした。そして、7時ころに再び 先ほどの「ゲストハウス」に行ってみた。こんどは、呼び鈴を押してもだれもいなかった。「出かけたのかな?」「それとも、荷物をかたずけて 去ったのかな?」わからない?
何時ごろに、関西国際空港に到着するのだろうか? おそらく午後7時〜7時半頃か? すると、「関西空港リムジンバス:京都駅行き」のパスで京都駅八条口に到着するのは、早くて午後8時、遅くて午後10時頃かな? 倪さん家族がもっている中国の携帯電話は日本に着たら、使えないので、連絡をとることができなくなっていた。
午後8時に京都駅に行った。「アクア・ファンタジー」という噴水と音楽のショー設備がなかなか面白い。世界的に有名で だれもが聞いたことのある クラッシック系音楽に合わせて 噴水がいろいろな表情を見せていた。
待つこと1時間半、9時半に 倪さんたち家族が 日本の京都にやってきた。さっそく、京都駅の中を通り 京都駅七條口に移動しタクシーに乗った。
ゲストハウスに着いた。明かりが着いていなかった。「良かった!だれもいない。」「ここに宿泊できる。」 倪さんから、このゲストハウスの大家さんの電話番号を聞いて 電話をした。つながった。赤いポストの番号ダイヤルを聞く。ポストを開けると 同じ鍵が3つある。「なぜ3つの鍵があるのですか?」と聞いたら、「3つの部屋があるので、同時に3組のお客さんが宿泊できるのです。」とのことだった。これで納得できた。夕方 見た 欧米系の外国人たちも 今日の宿泊客だったのだ。
鍵を開けて、中に入ってみる。1階には 小さな台所と 狭いトイレ と 狭いシャワー室と 四畳半の1室、狭い階段を上がった2階には 四畳半ほどの部屋が2つあった。なには、ともあれ 部屋のクーラーをつける。四畳半ほどの部屋に 布団が3組あった。倪さんに宿泊の値段を聞いてみると びっくりした。「3人で1万2000円です。一人4000円で二人だと8000円の値段です。」とのこと。このような部屋で 1室12000円とは 高すぎだと思った。しかし、外国からの利用者は多いようだ。
翌日(31日)の朝9時に迎えにくることにして、私も自宅に戻ることにした。