浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

ワルター・ギーゼキング 銀の滝

2006年06月20日 | 洋琴弾き
ワルター・ギーゼキングは戦後来日して各地で演奏会を持ったばかりでなく、日本でレコヲドを録音して帰った。僕のお袋は、宝塚劇場かどこかでそれを聴いているやうだ。

キーゼキングはその昔、キーゼコングと言われた時期もあり(僕の知る限りでは、関西の一部では間違いなくそう呼ばれていた)、その凄腕は戦前の録音に聴くことができる。これは、バックハウスが晩年には後家と言われていたが(これも一部地方でそのように和訳されていたのを僕は知っている)、若かりし頃は鍵盤上の獅子王と言われたのに似ている。特に、ライブでの白熱ぶりには、いくつかの放送録音で触れることができる。

しかし、ギーゼキングの電気前吹き込みとなると、あまり聴く機会がない。そんな中で、ニーマンの「銀の滝」という珍しい曲を弾いているレコヲドがある。グリーグの「春に」「ちょうちょ」なども素晴らしい演奏だ。また、他のヴィルトゥオーゾもそうしたやうに、ギーゼキングもオリジナル曲を持っていた。最終トラックには、自分でアレンジした、シュトラウスのセレナードも入っている。

これらの録音が入ったレコヲドを友人Iから教えてもらった。今でも、大事に聴いている。僕にとって、LP時代のギーゼキングよりもずっと聴く機会が多いのは、やはりそれだけの魅力があるからに相違ない(こう断言しても、周囲は僕を変人扱いするのはどうしたことだろう)。

盤は、ヴェリタスレコードのLP VM-109。






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