浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

ヌヴーとの衝撃の出会いのLP盤を四半世紀ぶりに聴く

2007年06月26日 | 提琴弾き
ジネット・ヌヴーとの出会いは、当時話題になってゐたイッセルシュテットとのブラームスの協奏曲のレコヲドを友人Sに取り寄せてもらって聴いたときが初めてだった。説明不要のこの名盤を四半世紀ぶりにレコヲドラックから取り出して聴いた。

今、聴いてみて、先ずこれほど録音が良かったのかと驚いてゐる。勿論、学生時代とは比較にならぬ装置や環境で聴いてはゐることもあるが、当時の録音技術の素晴らしさに改めて驚いた。1948年にハンブルグ放送局が行ったライブ録音で、インターバルもしっかりと収められてゐるので空気が伝わって来る。

このLP盤は3500円で入手した記憶があるが、その後、多くの友人にせがまれて、泣く泣く貸す機会の多かったLP盤だ。そのためか、今頃気付いたが、いたるところに傷が入ってゐる。後悔しても始まらない。

良い音楽を最高の演奏で聴くと、自分が何かとてつもなく大きく成長して偉人にでもなったやうな錯覚に囚われる。毎日、このやうな芸術性の高い歴史的名演ばかりを聴いてゐれば、ひょっとしたら本当に偉くなるかも知れない。何故か「えらいことをしでかした」と言われたことはあるが、「偉くなった」と言われた記憶はあまりない。

盤は、仏蘭西STILのLP盤 0305 S 48。


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