浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

リストの洋琴協奏曲第3番

2009年11月28日 | 忘れられた作品作曲家
リストの洋琴協奏曲は2曲だとばかり思ってゐた。最近になって第2番よりも前に書かれた第3番が見落とされてゐたことが分かったのだそうだ。

即興的なパッセージと装飾的なフレーズから作られてゐるやうに見えて、実は感興の趣くままに作られてゐる。また、他の2つの協奏曲が単一楽章で作曲されてゐるのに対し、この第3番はたった一つの楽章で作曲されてゐる。第1番が26年、第2番が22年と大変に長い時間をかけて推敲を重ねたリストだが、今回の第3番は150年をかけて発表された。

若い時期のリストの特徴が其処彼処に感じられる作品だ。これがかなり手を加えた復元によるものだったり別人の作品だったり、リスト本人の作品だったとしても、いずれにしてもリストの特徴をよく捉えてゐると褒めてあげたい。

ジローム・ローウェンタールの洋琴、コミッショナ指揮ヴァンクーヴァー響による演奏。

盤は、米國Music & ArtsによるCD CD-803。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。