浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

マイラ・ヘス&ワルターによるブラームスの協奏曲第2番

2007年03月17日 | 洋琴弾き
この演奏を初めて聴いたのは学生時代だ。米國のブルーノ・ワルター協会が出したLP盤だったが、現在でもコースターとして大切に扱ってゐる。

ヘスはライブ録音ではミスタッチが多いが、第1楽章でのスケールの大きな表現と、第3楽章の繊細な表現ともに聴き応えがあり、ワルターの無難な伴奏を得て生き生きとした表情を見せる終楽章もなかなかよい。

第1楽章終了時点で拍手が入るも、まばらな拍手の後すぐに第2楽章が始まる。考えられる原因は3つある。演奏者側のパフォーマンスだった。反応が悪いのですぐに次の楽章に進めた。こういった風習がそろそろ終焉に近づいていた。このレコヲドは1951年の録音である。いったいいつごろまで第1楽章終了時に拍手をしてゐたのか、調べてみるのも面白そうだ。国別に1950年から1960年代のライブ録音を全て入手して論文にするやうな暇な大学教授は何処かに居ないものだらうか。友人Iあたりならやってくれそうな気がする。

ヘスのブラームスは英國風の真面目な表現だ。ワルター指揮のブラームスでは、ホロヴィッツとやった第1番の協奏曲の印象が強烈だったが、この第2番は丹精な出来栄えで、独奏者やシチュエーションが変われば演奏も随分と異なったものになるものだ。その点で、フルトヴェングラーやクナッパーツブッシュらは、いつどこでやっても独自の色を出す指揮者だった。

盤は、米國Music & ArtsによるリマスタリングCD CD779、コースターは米国BWSのLP盤 BWS736。


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