浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

フルトヴェングラー 1941年のブルックナー第7交響曲

2010年10月23日 | 指揮者
当ブログを立ち上げたのは4年半前になるが、今日でとうとう1000回目の投稿となった。最初の記事がなんとアルトゥーロ・ローターなのだから、いかに何気なく始めてゐたのかが分かる。千回投稿の記念に何か、と考えたがぱっとしたことは何も浮かばない。仕方が無いので未聴盤の中から一番目を引いたフルトヴェングラーのブルックナーを取り出した。

フルトヴェングラーを聴きながら、つい4年半前の記事を覗いてみた。

当時の会社上層部から紙媒体による広報活動の削減を命じられ、仕事上の問題からブログを研究してゐた時期だった。個人的な実験としていくつかの会社のブログを試作してゐたのである。当時は「セル」「ローター」といふ検索から怪しげな書き込みが雪崩込んで来たものだ。

その後4年半の間にトップは交代し、かなり能力の劣る上層部に入れ替わってブログも廃止。結局、紙ベースを再開してゐる。しかしその内容は、稚拙な分析や言語になってゐない文の羅列で、誰からも読まれずゴミ箱に投げ捨てられてゐる。未だに前社長は講演会に引張りだこであり、極めて対照的である。前社長のもとで働けたことを本当に幸運に思ふ。

さて、鳴り響くブルックナーの方に話題を変えやう。

1941年の録音にすれば音質は良い方であり、残響もあって聴きやすい。第1楽章は冒頭部分の約4分ほどが独特の緊張感を伝えてゐる。第1楽章はこのSP盤1面分しか収録されておらず残念だ。

第2楽章も最初から4分30秒で途切れ、直ぐに続きの部分が4分34秒間録音されてゐて、その後も4分、4分とSP盤片面分ごとに盤面を4回セットし直す部分が欠落してゐる。不完全なかたちで残されてゐる理由はこの第2楽章を聴くと理解できる。

第3楽章冒頭はかなり速いテンポ設定である。4分20秒あたりで盤の取替えが行われてゐるやうだ。たとえ不完全なかたちでもフルトヴェングラーの演奏を聴いてきた人々には欠落部分を補完して楽しむだけの能力が備わってゐるはずだから、今後ももっと商品化してもらいたいものだ。

盤は、国内DeltaによるリマスタリングCD DCCA-0013~4。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。