浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

フランシス・ラングフォードの歌声でガーシュインのメロディを

2009年03月17日 | 芸能
僕の一番嫌いな季節がやって来た。別れと新しい出会ひの春だ。異動のある年はいつも春の無い熱帯地方か極地に生まれれば良かったと真剣に思ふ。こんなときにCDラックから取り出すのは女声ヴォーカルによる甘いジャズの響きだ。

今宵はちょっと夜更かしをしながらフランシス・ラングフォードの歌声を楽しんでゐる。ガーシュインの愉快な洋琴独奏で知った”Someone To Watch Over Me”のメロディもハリウッド・スター、フランシス・ラングフォードの歌声で聴くと味わいも格別だ。

全体をゆったりとしたテンポで甘いバラードとして歌いあげてゐて、作者自身の洋琴独奏でのダンス音楽の雰囲気とはまるで異なる。テンポだけで全く別の世界を表現できることを端的に教えてくれる演奏である。

新天地での様々な困難を思ふと何か落ち着かぬ毎日だ。思へばこの13年間、いろいろと思いもよらぬ部分で「普通」とはかけ離れた現実に直面したが、特にこの数年間といふのは「うっ」といふ間だった。麻生首相は官邸に引越して「住めば都」と言ったそうだが、○LDK程度の借家では「勝手知られたる他人の我が家」くらいの気分にしかなれない。

盤は、英國P&R社によるSP復刻CD PASTCD7018。


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