浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

ブスタボとの出会いのLP盤 ブルッフの提琴協奏曲

2006年12月19日 | 提琴弾き
学生の頃に中古で拾った日本ブルーノ・ワルター協会の頒布レコヲドのことは先月に少し触れた。そのことがきっかけで、このたび別宅からそのLP盤を持ち帰ってきた。

勿論LP盤だけでは聴けないため、LUXMANのA3032のイコライザーアンプなど、使用してゐない装置類も一緒に持ち帰り、自宅の装置につないだ。これで、LP盤の板おこしも可能になったわけである。

久しぶりに聴くブスタボのブルッフに学生時代に味わった感動が甦り、名演の多いこの作品の頂点に立つ演奏であることを、数十年ぶりに再確認した。それにしても、メンゲルベルクのきびきびとした指揮ぶりも実に素晴らしい。第2楽章はオーケストラ、独奏提琴ともにポルタメントも効果的に使い、決して時代がかった演奏には聴こえない。

ブスタボ独特の色気と激しい情念がこれほどまでに高貴な表現となったのはメンゲルベルクのサジェスチョンが大きかったのだらう。その2楽章が終わったところで大きな拍手が起こるのも頷ける。全楽章終了時には会場からブラヴォーの声が聞かれる。現在ではブラヴォーは普通に発せられてゐるが、フルトヴェングラーやメンゲルベルクのライブ録音ではあまり聞かない。明らかに独奏者、ブスタボに向け発せられたものであらう。

盤は、日本ブルーノ・ワルター協会頒布LP盤 BWS-1005。



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